ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

仕事を仕事じゃなくする方法、ゲーミフィケーション

仕事は嫌なもの

私、以前は仕事イコール労働と考えておりました。虐げられた奴隷が鞭打たれてギャースギャース泣き叫びながら重い荷物を引っ張っているという感じです。給料は我慢料だとよく言われますね。

 

会社で働く限り、基本的に同意です。自分の意志に関わらなく業務命令が降ってきて、それを実行することで会社が活動を進められるという関係性は今も昔も変わりません。会社で働くというのはそういうものなのだ、と考えて良いですね。

 

「およそ仕事」が嫌なのか

そこで考えたいのですね。今の環境でやっている仕事が嫌なのか、およそ仕事というものが嫌なのか。どっちもアリだと思います。

kdsk.jp

およそ仕事というものが嫌いなのであれば、会社勤めに向かない人なのでしょう。でも、今の仕事がたまたま嫌だというのであれば、その環境を変えるか、同じ場所で働きつつ捉え方を変えるかすれば、問題は解決の方向に向かっていきます。

 

環境を変える

一番抜本的なのが転職ですね。でも、そんじょそこらの就業環境では、求めるようなホワイト労働環境は実現できないということは、私たちは薄々勘付いています。

 

仕事を遊ぶようにする

意識高い系ビジネスマンが実践しているらしい「遊ぶように仕事をする」。これ、本当に楽しんでいるわけじゃないと思うんです。カッコつけて苦労の跡を見せていないだけで、我々とやってることは大して変わらないのではないかと思います。エリートビジネスマンも仕事を請け負って、報連相をしながら実行し、完了させては次の仕事に取りかかるの繰り返しですよね。

 

そこで、仕事をゲームのように捉えることをお勧めします。ゲーミフィケーションです。仕事ひとつひとつを1タスクと捉えて、その日の発生数と完了数を比較して勝負をつけるというゲームをしています。ちなみにこれを書いている日は、7つタスクが発生して7つ完了させましたので引き分け。ある意味、仕事を遊ぶようにしているとは言えますまいか。

 

以前の私は、仕事で結果を出してこそ社会人の務め!とばかりに、真面目に取り組み、その結果に一喜一憂していました。憂う方が多くて憂鬱になり、一文字減って鬱になってしまいました。

 

仕事に対して真面目過ぎる人ほど、紹介した記事の「サザエさん症候群」になります。「たかが仕事」と、ちょっと軽く考えて、タスク管理を取り入れてゲーム感覚でこなすようにすれば、もしかしたら精神的負担を減らすことができるかもしれません。

 

空白時間への対処法

何もやっていない時間

タスク管理界の巨人、佐々木正悟さんと倉下忠憲さんによるインターネットラジオ番組「のきばトーク」。毎度愛聴しております。

m.youtube.com

この回の終盤でタスク管理ツールに書き出せない「空白の時間」についての話がありました。

 

厳密に言うと「何もやっていない」時間なんてないんですね。でも、ツールには書き込めないので空白としか言いようがない。番組の中で佐々木さんは「階段を下りる」という時間をその例として挙げていらっしゃいました。余談ですが、それを上回る時間の行動は全て記録しているのかと思うと「凄い……」としか言いようがありません。

 

無意識な浪費

お金はすぐに羽が生えて飛んでいく、とはよく言ったものです。いつの間にかお金は無くなっていますね。使途不明金が発生しがちです。これもまた、使っていないのになくなっているのではなくて何かに使っているからなくなっているということは、頭では理解しているつもりです。つもりなんですけど、実感としては納得できない感がかなり大きい。これはある種の浪費といっても良いと思います。

 

仕事の時間も同じで、知らない間に時間が経過していて、やりたいと考えていた仕事を完了させていないということは一般的にあるかと思います。

 

使途不明を追いかける

私にとって、日常の細々とした行動全てを記録してはいないので、使途不明金全ての使用目的を突き止めることは、あまり気が進みません。

 

仕事の使途不明時間の問題となると、なぜか私は少し前向きになります。仕事にのみタスク管理を行っているからだと思います。

 

とは言え、分単位、秒単位で自分の仕事時間を監視していないので、自分がボーッとしてしまっている細かい時間を把握することは難しいです。結局の落とし所は、1日の業務が終わる頃に今日やったことを振り返って「これしかやらなかったっけ?」と若干驚くという行為を繰り返す、ということです。1日のうちにできると思っている仕事の量と、実際にこなしている仕事の量の差を、その驚きを基準に段々と縮めていくという作業を繰り返せば、仕事量の見積もりが少しずつ正確になり、空白時間があぶり出されていくのではないかと思っています。

 

最初からなくそうとは思わない

これじゃ空白時間をなくせないじゃないか?とお思いかもしれません。ただ、のきばトークの中で佐々木さんが「空白時間は何もしていない時間ではない。時に、価値を生み出すこともある」といっていたことに私は共感します。「使途不明の空白時間がある」という事実をまずは受け入れるのが良いんじゃないかなと思っています。

 

 

なぜ優先的でない仕事に目が行くのか

優先順位をつけているのに!

 「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を共催しているF太さんによる「ひらめきメモ」(@shh7)のツイート。

そう!それ!と共感しますね。一番やらなきゃいけないと考えただけでやる気が削がれるような気がします。

 

それは現実逃避

最優先順位で実行しなければいけないものに手をつけている間、それに後れる順位の仕事が気になったり、そもそも順位付けにすら入っていない仕事をチラッとやってみたくなったりしますね。この感覚、試験勉強をしている時にやたら難しい本を読みたくなるのに似ています。もうお分かりの通り、現実逃避をしているわけです。

 

対策

優先順位の高い仕事は、先のツイートの通り、得てして手を付けにくいものですよね。そんな時は、タスクの分解が足りていないことが多いです。最優先順位の仕事をこれでもかと言うくらい分解してみるのが良いと思います。逆に「最優先順位なんだから!」と自分に強いてしまうだけなのは無理が生じることが多かったように思います。やりたくない、面倒くさいという気持ちは、無ければ万々歳ですが、あったとしてもそれをそのままに受け止めてみるのも一興かと。

 

これくらいまで細切れになれば最優先順位の仕事に手を付けてやってもいい、くらいの上から目線で十分です。最優先の仕事を分解することで、後順位の仕事と同じくらいのハードルの高さになり、予定通りの順番で手を付けることができるようになります。

 

でも心配が…

分解した残りを実行することなく、他の仕事に取り掛かってしまうようになって、最優先の仕事が予定通りに終わらないのでは?と考えるかもしれません。そんな時は、改めて手を付けやすいように分解をしていけば良いと考えます。結局、最優先の仕事を全部完了させるんじゃないか!?とも考えると思います。そうなんですね。少しずつ細切れにして手を付けていって、最終的には全部終わらせる。嫌いなニンジンを細かく切って大好物のハンバーグに混ぜるのと同じです。ある意味自分をだます、思い込ませるための方法論に過ぎません。でも、それで優先的な仕事が終われば良いのではないか、と私は思います。

 

 

仕事を前倒しで終わらせる2つの大事なこと

仕事の前倒し

我が盟友(と私が勝手に思っている)えふ太さんがこんなツイートをしていて、つい反応してしまいました。

「締切の大切さ」については、えふ太さんのツイートに書かれている通り。なので、仕事を前倒しで終わらせるのに大事なこと1つ目は「締切を設定する」です。

 

2つ目

さらにもう1つ大事なことがあります。「すぐに、ちょっとだけ着手する」です。簡単なように見えてなかなかできないんですよね。「まだ締切まで期間があるから、ちょっと置いておこう」とか言って意味もなく寝かしておいたりします。カレーのように熟成して味に深みが出たりするならともかく、そうじゃないですよね。

 

この初動のちょっとした判断の違いが、後になって効いてきます。ちょっと手を付けると、完了までの見通しがある程度つくようになる。進めやすくなる。早く完了する。この流れです。

 

手を付けない人のパターン

逆に、手を付けないでそのままにしてしまう人がいますね。手を付けないと締切までの時間がそれだけ短くなりプレッシャーが増すことになります。ますます着手しづらくなります。その繰り返しで、締切を破ってしまうことになります。締切を破ってしまったと、精神的に自分を追い込んでしまうことも。 タスク管理界隈でハッとする言葉を強烈に発信し続けるjMatsuzakiさんのツイートはまさにこのことを端的に示しています。

 

さらに、手を付けないタイプの人は手を付けないように自分を誘導しています。すぐに着手したらこうなっちゃうんじゃないか、変なことが起こったらどうしよう、とか第三者から見たら余計なことを考えて、なかなか手をつけようとしません。手を付けない理由を探し出して、自分で納得して仕事を寝かせてしまうパターンです。

 

「ちょっとでもいいから始めてみる」の「ちょっと」を過小評価してはいけないなと思います。ちょっとの着手が自分に大きな影響を与え、締切効果と併用すれば絶大な効果があることを、声を大にして言いたいです。特に10年前の私に!おーい!聞いてるかー!(笑)

タスクの「収集」が苦しくても良い

「収集」が辛くなることってある?

タスク管理手法"GTD"でまず最初に行う「タスクの収集」の説明として「頭の中にある気になることを全部書き出します」というコメントがあります。間違いありません。ただ、スルッと言い過ぎじゃないか、と思うのです。

 

頭の中にある気になることを書き出そうとすると筆が止まってしまう。書き出したいことはあるはずなのに、書き出さない。そんなことないですか。あるある!という人、筆が止まってしまうことは異常じゃありません。むしろ、あなたが誠実な証です。

 

なぜ苦行なのか

筆が止まってしまうのを強いて書き出す苦行、なぜ苦しいと感じるのか。そして、なぜそんなあなたが誠実なのか。

 

頭の中にある気になることというのは、未来に向けてこれを始めようというタスクはもとより、以前からこれやっておかなくちゃいけなかったんだよなァ……というタスクも含みます。チャランポランな人は「…ま、いっか!」と笑ってごまかすことができます。逆に誠実な人はこの時点でしまったと思うのです。

 

「しまった」とは?

この「しまった」って何なんでしょうか。タスクの依頼主に対してでしょうか。タスク管理手法の担い手として自分の次に控えている人に対してでしょうか。あるいはその他でしょうか。

 

私は、まず第一に「自分」に対しての罪悪感だと考えています。自分でやろうと内心思っていたのに、これができていない、あれができていない、ということが、タスクの収集をして書き出すことで白日の元にさらされてしまうのです。

 

自分が自分に依頼して「このタスクはいついつまでにやります」と約束します。そして、自分との約束が守れていないので「頭の中にある気になること」として残っているわけです。結果、自分は自分に対して「約束を守らない人」のレッテルを貼ります。言い換えると、自己肯定感を低めます。タスクの収集中の「しまった」の内容はおよそこのようなものです。約束を破ったことを重く受け止める人、つまり誠実な人ほど自己肯定感を低くしがちになります。

 

むしろそれが大事

だからといってその苦行を避けようというのではありません。むしろその逆で、自分との約束の破り具合を明確にして受け止めて、新たにスタートを切ることが必要不可欠です。神父さんの前で懺悔を告白してスッキリして前向きに生きていく、という感じです。告白がないとスッキリできます。そして、その後自分との約束を守るように勤めれば良いのです。

 

収集の苦しさは必要

タスクの書き出しの筆が止まってしまうのは、自分との約束を果たせなかった自分を受け入れなければならないからということです。そんな自分を受け入れるのは辛いものですよね。そういうものだと思っておけば、幾分かタスク管理の「収集」を進められるようになるかもしれません。

 

仕事のボールを投げるって悪いこと?

ボール投げ?

「この仕事は今誰がボールを持っているのか」といった言い方、よくしますね。私はタスク管理にボール持ちの概念を取り入れています。自分ボール持ちのタスクと、自分が関わってはいるものの他人が今ボールを持っているタスクという風に分けています。この目に見えないボールをボンボン投げ合って仕事は進捗し最終的には完了するという寸法です。

 

投げるのは悪いことか

「ボールを投げる」という言葉から「丸投げ」を連想してしまい、良い印象を持たないことが多いと思います。自分の所に振られてきた仕事を全くそのままの状態で誰かに渡すとそれは丸投げといって嫌がられる行為になります。ただ、考えてみれば、そんな丸投げを繰り返している会社組織はありえませんね。あったらちょっと面白いくらいです。ここでのボールを投げるという概念は、自分なりにその仕事に手を加えてその次の人が仕事をするのに最適な状態にして渡すという意味合いになります。

 

良い投げ方

(良い)ボールの投げ方は具体的にどういったものか。事の経緯を説明し、こうして欲しい、ああして欲しいというお願いと共に「本文に書かれている作業を添付ファイルに行ってファイルを返信して下さい」というメールを送ることがあったとします。その際に気を付けるべきはメールの説明の分かりやすさですね。この説明には、日本語特有のあいまいさ加減を排除して、5W1H(2H)を意識して書く必要があります。

 

①When、Where、Who 
②What、How 
③Why (,How much)

 

①いつ、どこで、誰が
②何を、どうする
③なぜ?(いくら?)

 

例えば、「会社案内を5部用意して欲しい」という依頼をするのにも、

 

When=来週月曜日に
Where=A社で
Who=社長が
Why=新規取引を始めるために
What=会社案内を
How=5部渡す

 

だから、会社案内が5部必要なんだ。というと、とても説得力があります。

 

逆に、5W2Hを省略して「会社案内5部用意しといて」なんて指示を出そうものなら、望み通りに会社案内が手に入らないことだってありえます。極端な例と思うかもしれません。しかし、日本語は省略しても意味が通じるように聞こえるものなので、大なり小なり似たようなやり取りをしていやしませんか。

 

良い受け方

何も投げる方にだけボール受け渡しの責任があるのではありません。良い投げ方に対して、良い受け方もあるんじゃないかと思います。そもそも5W2Hを意識していれば、上記の悪い例の指示が来たとしたらこう返せますね。「いつ、誰が、どういう目的で、どこで、何をするために必要なんですか?」それを聞いてやっと自分はいつまでに何をすればよいのかがはっきりするわけです。

 

上手に投げたり受けたりするためには

仕事のボールの受け渡しを意識的にスムーズに行うためには、その仕事がどのような目的を持ち、そのためにはどういう過程が必要で、いつまでに完了させなければいけないものなのかを明確にしておくこと__「明確にしておく」という表現は明確ではなくあいまいな表現なので具体的に言うと「紙かデータに言語・図式化して記録する」こと__が必要です。この一連の行為は、タスク管理の重要なフローの一部です。

 

ボールのやり取りは悪くない

こうして上手にボールの受け渡しができるようになれば、自分に来た仕事のボールはすぐに打ち返す!というポリシーがある人__これは私なのですが__も罪悪感を覚えることなく仕事ができます。皆でボールをポンポン投げ合うので、きっと仕事もすばやく完了します。このボール持ちの概念、そしてボールをすぐに打ち返すという姿勢は案外悪くないと思いませんか?

とある発表用パワポを作らされた日

「相談」

とある日、他の部署の部長が私と私の隣にいる元上司の傍にスススッと来て「今日16時からちょっと時間ある?」と聞いてきました。空いていたのでいいですよと答え、目的は何かと聞くと「相談」とのこと。その相談の中身は何かと聞くと「………相談…」。らちがあかないので、いったん終わりにしました。

 

ちょっと時間をおいて、再度「相談の件、時間大丈夫?」とリマインドをしてきたので目的は何なのか教えてもらえないか聞き出したところ「ウチの部署の方針説明のパワーポイント資料を作って欲しい」と。

 

 

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あまりにも頼みづらい用件だったため、言葉を濁していたのでしょう。ただ、その時点で水曜日の夕方。発表は月曜日の朝一番。となると、実質木曜日で仕上げて金曜日に上層部のチェックを受けないといけない、ということが逆算して分かりました。

 

「頼みづらいとかいいから、早く資料のドラフト(草案)を下さい!」と言って出てきたドラフトがA4サイズ1枚に10数行の走り書き程度の方針説明。パワポとか作ってないんですか?と聞くと「……無い」との返答。

 

 

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そんな「相談」について、上層部からのごりお……いや、お願いもあり、私と元上司は、木曜日1日全てを隣の部署のパワーポイント資料作成に充てたのです。

 

なぜ私たちに?

元上司は営業職も経験しており、そういった資料作成が得意なようでした。そこを見込んだ上層部が何とかしてくれと元上司に頼み込んだという構図でした。私はそのサポート的な役割をということで訳がわからないうちに巻き込まれてしまいました。

 

楽しい木曜日

果たせるかな、元上司と一日がかりで他部署の方針説明資料を作成し終えました。発表するのは他部署の人なので、そこかしこに遊びを入れては笑い、納得のできる質の資料を作ることができました。

 

木曜日の予定は?

気になるのが木曜日の予定です。もちろんやることはありました。それらを全部翌週にやることについて、ものの数分、いや数分もかからず自分にオーケーを出すことができました。自分のタスク管理ツールのタスクをズラッと見て、締切が迫っているものがなかったのですぐにパワーポイント資料作成に取りかかり、それだけに集中することができました。

 

タスクを選択し、脇目も振らず集中できる環境を作るのはタスク管理の大事な役割の1つです。その効果を十二分に実感した日でした。

 

後日談

我々が作ったパワーポイント資料総ページ数16ページのうち、3ページしか使われませんでした。ああもう。