ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

社内GTD実践プロジェクト

先日の会議

現在進行中の、当社にてGTDを広める活動をするGTD実践プロジェクト」クラウド版タスク管理ツールを見せびらかし、もとい試験的に操作してもらってその感想を出してもらったことは書きました。

hochebirne.hatenablog.com

 

Wさん頼みの進行

以前のQCサークル時代から、とにかくリーダーの私は「どうしよう」しか言っていませんでした。社内プロジェクトとして認められてからも、新入社員研修の1つとするアイディアもWさん発信です。これがまた冷静と情熱のあいだのバランスがうまく取れた提案を出してきてくれるんですよ。

 

その案を会社の経営陣による会議に上程し、承認してもらってから初の会議が先日ありました。そこでも「じゃあ、今後どうしよう」とオロオロするプロジェクトリーダーこと私。

 

プロジェクト活動目標

Wさんは話の進行を見守りつつ、機は熟したとおもむろに口を開き考えを述べはじめました。まとめると以下の2点になります。

 

①自分たちがいなくなっても継続していけるような仕組みを作りたい。

 

GTDを説明できるのが今のところ小鳥遊のみなので少なくとも今のプロジェクトメンバー全員が説明できるようになりたい

 

この考えから、今後の当プロジェクトの目標が決まりました。この上半期終わり(当社の事業年度は8/1〜7/31なので2018/1/31)までに、新入社員研修の一環としてのGTD研修のスケジュールを作って経営陣の会議で承認を受けること、プロジェクトメンバーがGTDを理解し説明できるようになることが、今後の目標となりました。

 

歩みは遅くとも、着実に

タスク管理を社内で広めるのは、おそらくタスク管理の効果を実感した人、その魅力に取り憑かれた人なら考えることだと思います。

 

本当なら、タスク管理ツールを全社一斉に導入して、ガラッと変えたいのです。しかし、偉大なるタスク管理の先達のお話を伺うと、おそらく個人ではやれることに限界があるのと、効果が出るのを急ぐと上手くいきづらいであろうことが想像できました。

 

そこをクリアするため、会社を巻き込み、いつかはGTDを知っている人が多数派に転じるものと考えて新入社員に教え込んでいくという戦略を取っています。

 

この戦略の弱点は時間がかかるということです。そこはリスクとしてあえて受け入れようと考えています。

引き続きクラウドアプリ拡散戦略を考える

拡散戦略が頭から離れない

プログラマーとして働いているさがっとさん(‪@sagattosaga ‬)に、タスク管理ツールのwebアプリを作ってもらってからというもの、これをどのように拡散したら良いかという考えがずっと頭の中を回っています。

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なぜかと言うと、実際に使ってその効果を大いに実感しているからです。スマホでも使えるようになり、日常生活のタスクをここに入れるようにしました。効果抜群でした。買い物するのを忘れない、振込を忘れない、面倒臭いことに手がつけられるようになった、そしてそのことにより精神的な負担がより軽くなったという効果が感じられました。

 

だから「これは広めなければ!」となおさら思うようになり、拡散戦略が頭から離れないのです。

 

ちなみに、私がその効果を日々実感しているwebアプリの操作動画がのっている、開発者さがっとさんのブログ記事はこちら。

sagatto.com

 

「使用の対価」≠「使用料」

拡散戦略として1つアイディアがあります。このwebアプリを使うのにユーザーの方々に出していただくのは、

 

使用料ではなく寄付

 

だということです。このwebアプリの拡散元として考えているのはSHIPという社会福祉法人です。ユーザーの方々にはSHIPへ寄付をしてもらい、そのリターンとしてwebアプリが使用できるアカウントを発行するという形を考えています。

www.swsc-ship.com

SHIPの理事の方々には、私の発達障害特性をタスク管理でサポートし社会生活を不自由なく送ることができるようになったという経験から、発達障害特性を持っている人やその疑いのある人にタスク管理を習得してもらうことが社会貢献につながるということをご理解していただいています。

 

そして、今回、SHIPさんからこのwebアプリを広めるのも、社会福祉法人としてのSHIPの活動の本旨に沿っているものだと考えていただいています。別に、SHIPさんが以前同様のサービスを提供してノウハウがあるとか、そういった事情ではありません(むしろSHIPさんと私ともども暗中模索です)。

 

社会福祉法人への寄付ならではのメリット

ここまで読んで、なんて綺麗事を言っているんだと感想をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。確かに「社会福祉法人の活動の趣旨に賛同してもらって寄付」というと、ふわふわした印象を持つことは否定できません。

 

しかし、社会福祉法人への寄付は節税になることをご存知でしょうか。例えば個人的に1万2,000円を社会福祉法人に寄付した場合、4,000円分(※)税金を払う必要がなくなります。毎月1,000円ずつ積み立てて寄付をすると最終的には666円ずつ積み立てたのと同じことになります。その差額333円は手元に戻ってきます。

※税額控除が可能な場合の計算です。No.1266 公益社団法人等に寄附をしたとき|所得税|国税庁

 

このやり方を採ることによる個人ユーザーのメリットとしては、単なる使用料として全額を負担するのではなく社会福祉法人への寄付とすることで、約3割前後を国に援助してもらうということがあります。

 

法人がSHIPに寄付した場合のメリットは、CSR(企業の社会的責任)を果たせること、節税効果、webアプリの一定数のアカウントの提供というリターンが得られるということがあります。

※法人からの今回のケースのような寄付が可能であるという条件はあります。

 

寄付で互助の仕組み

さらに、個人ユーザー向けにはより多くの寄付をいただく選択肢や、寄付の余剰を前提としたギリギリ低い金額設定の選択肢も設けて、webアプリをお使いいただくユーザーの中で互助の関係ができるようにするのも検討する価値があるかなと思っています。

 

また、この活動にご理解いただける法人から、通常の(webアプリ使用のリターンを伴わない)寄付をSHIPにすることもできたらいいなと思っています。その分ユーザーへ還元することもできます。さらに結果的に節税にもなります。

 

どこまで実現できるか!?

絵に描いた餅だとお思いかもしれません。そう思われること自体はしょうがないとして、私は、関わる方々全員が嬉しいと思えるような形で広めていきたいと考えています。もしかしたら、来月にはまったく違う方法を考えていたりするかもしれません。ただ、あくまでこのwebアプリを広める目的___以前の自分のような悩みを持つ人にタスク管理を知ってもらい「自分でもやっていける」と自信をつけてもらいたいという目的___はブレずにいきたいと考えています。

タスクの大小問題

GTDの想定する階層構造
タスク管理方法"GTD"では、やるべきことは少なくとも2つの階層に分けることを想定しています。

 

大きいのが「プロジェクト」、それが複数の「タスク」に分解されます。私たちが具体的だと感じ実行する単位がタスクです。私は「手順」とか「段取り」とか言ったりします。

 

例えば「家に帰る」というプロジェクトがあったとき、「渋谷駅で山手線に乗り換える」「新宿駅で中央線に乗り換える」はタスクです。

 

三階層だった場合は?
これが例えば「京都へ旅行する」というプロジェクトがあり、「嵐山へ行く」というタスクがその大事な要素だったとします。そのためには嵐山へ行くための嵐電に乗るというサブタスクが必要です。三階層構造ですね。仮にこれらをタスク管理ツールで管理するとしたら、二階層しか対応していないツールでは対応しきれないことになります。

 

私のタスク管理ツールでの対応
私のタスク管理ツールの場合は、プロジェクト・タスクという構造の上位に「カテゴリー」というものを設けています。カテゴリーを「2017年11月京都旅行」とし、「嵐山へ行く」プロジェクトを設定し、それをタスクに分解して「四条大宮駅から嵐電で嵐山駅へ行く」と設定すれば良いわけですね。

 

何階層まで対応できれば良い?
何階層まで対応できれば良いのかという疑問があります。私見ですが、三階層で十分であることが多いです。階層が少なくて困ったことはありません。逆に、あまり階層が多いと管理自体が億劫になってしまい、タスク管理をやめてしまう恐れがあります。

 

ツールを使うことで「体系化」ができる
この階層構造を意識することで、知識の体系化を習慣化することができます。また、仕事であれ日常生活であれ、物事を進めていく際のフレームワークともなります。「カテゴリー」「プロジェクト」「タスク」のイメージがタスク管理ツールの画面という形で可視化されるからです。

 

発達障害支援プログラムとの類似
なお、このタスクの体系化は別の概念で言い換えると「構造化」と言います。構造化は発達障害支援プログラム"Teacch"(ティーチと読みます)で重要なものとされています。対象者が物事を把握して確実に遂行できるようにするため、支援者は対象者にやるべき作業を構造化して「仕事」がやりやすいようにします。タスク管理"GTD"におけるタスクの階層構造と非常に似ているのです。

 

発達障害当事者であれ、定型発達者(健常者)であれ、この構造化がより生きやすくなる手法であること、とても私は気に入っています。同じ手法が通じるということは、この両者は分断されていないということになります。

 

タスクの大小について考える機会はそうないと思いますが、私たちが生活していく上で実は大事なものなのかもしれないと考えています。

立ち入り禁止区域の黄色いテープ

「話しかけるなオーラ」をいい感じで出したいと常に思っています。でも、どちらかに寄るしかないですよね。ムスッとしていた次の瞬間にこやかに話しかけてこられたら、「この人はどういう人なのか」と眉をひそめられることうけあいです。

 

では、「ムスッ」に寄ればいいのか。いつも周囲にマイナスの感情を出しているような人、これはちょっとよろしくないですね。本人は無意識であることの方が多いですが、意識的に高圧的な態度に出て話を有利に進めようとする(あるいは、仕事を増やさないようにしようとする)人もいます。はたから見ていて、こうはないたくないと思いましたので、常時「ムスッ」は考えものです。

 

では、常に何でも受け入れてくれるような「ニコニコ」系の人がいいか。これもやめた方がいいと思います。結局、抱え込みすぎて潰れてしまうのが関の山です。

ある大手小売企業は、私たちのセミナーの終わりに、警察が現場確保に使う黄色いテープを参加者全員に配ってくる。私たちはよく「オープンオフィスで働く人たちが週次レビューをするときは、自分のスペースの周りに立ち入り禁止テープを貼ったほうがいい」とふざけて言っているが、この会社はそれを実行しているというわけだ。この企業においてこの黄色いテープは、レビューのために随時仕事を離れてもよいという同社の方針を伝える、象徴的な存在となっている。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

レビューの時には立ち入り禁止の黄色いテープを貼って良い、ということです。ということは、「ムスッ」と「ニコニコ」を頻繁に行ったり来たりする、最初に挙げた「眉をひそめられるような人」になった方が良いのかもしれないということになってきます。

 

ここで考えたいのは「ムスッ」も「ニコニコ」も他人の目を意識しているということです。ここはひとつ、人の目をなるべく気にせず眉をひそめられるような人になってみるというのもアリではないかと考えます。

 

私は、タスク管理ツールのレビューをしないとあっという間に自分の居場所を見失ってしまいますので、レビューが最優先順位を持ちます。以前は人の目を気にしていましたが、紆余曲折あってレビュー優先にしました。案外それでもコミュニケーション上での問題は起きないものです。

 

むしろ抜け漏れなくタスク管理をすることで信用を貯めることができ、それが良い方に向かっているのではないかと考えています。私は、立ち入り禁止の黄色いテープは積極的に貼る!という意識でいるくらいが、実はちょうど良いのではないかと思っています。

タスク管理ツールを社内の女性社員に見せてみた


GTD実践プロジェクト会議
当社では、タスク管理手法”GTD"を広めるべく、GTD実践プロジェクトを推進しています。当社ではと書きましたが、ほぼほぼ私が提案して私がプロジェクトリーダーとしてやりたいようにやっているのが現状でして、先日もプロジェクト方針を社内上層部の会議にかけたところ「うん、頑張ってね」くらいにしか認識されていないという放置プレイ、もとい任されっぷりであります。

 

「私のやりたいようにやる」なんて書きましたが、実際のところ私はメンバーの意見に「いいねー!」「すごいね!」「なるほど!」と言うだけのプロジェクトリーダーとなっております。進め方について珠玉のアイディアを出してくれるのが、営業事務をまとめ上げているWさん。この方は、業務プロジェクト化する前のQCサークル時代でも毎回我々をリードしてくれる頼もしい御方です。

 

我々のプロジェクトは、社内でのGTD広宣流布を進めるという目的のため、新入社員研修プログラムにGTD研修を入れるという戦略を取ることを決め、先月末にその方針に会社としての承認が得られました。今回の会議ではその進め方について、Wさんは極めて具体的で無理のない、かつ効果的な提案をしてくれまして、やはり今回も私は「なるほど」と言うだけで終わりました。その内容については別記事に書きたいと思います。

 

会議の後半、クラウド版ツールを見せた
もともと私はこの会議には、クラウド版ツールを見せたくて参加していました。実は、前日から少々体調が思わしくなく、でもこの会議には欠席したくない!と前日午後半休を取ったほどです。そして、まるで親に買ってもらったおもちゃを友人に自慢するかのようにクラウド版ツールをメンバーに見せ反応を窺いました。

 

ポンポンでてくる女性の声
反応は、思っていた何倍も好意的なものでした。「これすごい!」「使いたい!」という声の連発。操作しやすい、見た目がきれい、分かりやすいという感想が出てきて、私は嬉しくてしょうがありませんでした。社会福祉法人からの拡散という私のアイディアを話すと、それにも「面白い!ワクワクする!」と賛同してくれました。

 

メンバーの話はとどまりません。「これ、例えば背景を着せ替えにしたり、アイコンを可愛くしたり、ゆるキャラみたいなのを登場させたり、フォントや言い回しを変えたりしたら女性ウケすごくなりますよ!」とのこと。この視点はありませんでした。タスク管理ツールのカワイイ路線の開拓です。新たな可能性を感じずにはおれませんでした。

 

バンドのライブによく行くという女性社員(そのような女子を「バンギャル」と言うそうです)からは「ライブのスケジュールやチケットの発注をこれで管理したい」と言ってくれました。

 

主婦の方にも、やるべきことの整理がこれでできたら楽になって良いという話も出てきました。持ち運べるスマホでもタスクが管理できることから、場所にとらわれず、しかも操作が簡単なタスク管理ツールが主婦は欲しいはずなので、そういった層にニーズはある!とのことです。実際にご主人がいる女性社員からは「旦那の給料日にやる自分のルーチン行動を管理したい」という声が上がりました。

 

さらに、タスクを一定数クリアしたらポイントが貯まって新たなキャラのスタンプや着せ替え背景と引き換えられるとかあったら面白いかも、等と話がポンポン出てきて、私には考えもつかないものばかりでした。でも、言われたら確かにそうなんですよね。

 

真面目過ぎたか……
今まで「タスク管理ツール」的な、真面目な頭で考えていたので、このような発想はありませんでした。より多くの人たちへ拡散するためには、主婦層や若い女性もターゲットに想定しても良いのです。その視点がありませんでした。

 

「このツール、色々広がりますね」と言ってくれた女性社員は、大学で経営学を学びマーケティングのゼミに入っていたので、大学時代を思い出して楽しかったと会議後に述懐していました。世の中の半分は女性なのですから、女性もターゲッティングすることはとても大事だなと気付かされた会議でした。やっぱり前日午後半休とって良かった!

【ご協力を!】タスク管理ツールに名前を付けたい!

問われるネーミングセンス、落ち込む私

タスク管理ツールのクラウド化がどんどん現実化し、とても嬉しい悲鳴を上げております。「タスク管理ツール」って文字数が多くて入力しづらいんですよね。

 

また、クラウド化されたのを手に取り「是非これはたくさんの人に使って欲しい!」と思っています。そのためには「タスク管理ツール」と呼び続けるわけにはいきません。

 

これを機に私のタスク管理ツールに名前を付けたいと考えております。

 

……ですが親分。私はどうやらネーミングセンスに欠けるようでございます。考えても「コレダッ!」と膝を打つような名前が逆立ちをしても出てこないのです(逆立ちはできませんが)。そこで皆様にご協力をお願いする次第です。こちらのアンケートフォームでアンケートに答えていただくだけです。30秒で済みます。本日から1週間を目処にします。

 

ゼロから考えていただくのは忍びないので、私が考えた数案と「どれもピンと来ない」という選択肢をご用意しました。ピンと来ない方で、何か思いついた方のために自由記述の箇所も設けました。

docs.google.com

 

ちなみに"Taskul"(タスクル)という命名案をいただいていたのですが、すでに他のタスク管理ツールに使われていました。残念です。

 

前提情報が足りない?

これだけじゃ、名前を付けるのに情報が足りないですよね。どんなツールなのかをかいつまんでご説明させて下さい。

 

1.タスク管理手法"GTD"がベースになっている!

デビッド・アレンという人が打ち立てたタスク管理界の金字塔"Getting Things Done"のフローに沿うように作られています。

 

2.要領が良くない作者が、やるべきことをキチンとこなせるよう工夫が施されている!

作者である私は発達障害ADHD「注意欠陥・多動性障害」の不注意優勢型という診断を受けており、要するに要領が良くないのです。そんな私が、一般雇用でも太刀打ちできるようになったのがこのツールです。私の「抜け漏れ、忘れ、段取り苦手、先送り癖、自責傾向」をサポートするような作りをしています。

 

3.社会福祉法人からのリリースを予定!

普通のタスク管理ツールは、それこそサイボウズなどの業務管理ツールを開発している会社からリリースされるというイメージでしょう。製作段階からそれらとは一線を画しているこのツールは、世界的に認められている発達障害支援プログラム"Teacch"や、精神疾患に対処する「森田療法」とも類似点があり、なおかつ仕事術として就労支援にも有効であるとご理解をいただいている社会福祉法人さんからの拡散としたいと現在考えています。

 

このくらいご説明すれば、イメージしていただけるのではないかと思います。

 

スクリーンショット

あ!大事なことを忘れておりました。画面のイメージをお伝えしなければなりませんでした。ツイッターでも掲載しましたが、開発中の画面はこちらです。

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スマートフォンの画面です。PCではこれがいい感じに横へ広がります。

 

ということで、この可愛い(?)タスク管理ツールに名前を付けて旅をさせたいと思っています。よろしければご協力いただきたく、よろしくお願いいたします。

 

また上に戻らずに済むよう、最後にもアンケートフォームへのリンクを貼っておきます。

docs.google.com

「生産性の向上」の本質

「生産性を上げる」という言葉の餌食になっている人は多いんじゃないかと思います。とにかく始業から終業のスパンを狭くすれば良いという乱暴な考え方によって、意図しない先送りを余儀なくさせられたり、もっと悲しいのはサービス残業をさせられたりしていたりします。

 

生産性を上げるというのはより素早く手を動かすことなのか。違うと思います。

 

では、やるべきことを「それ、自分の仕事じゃないです」と他の誰かに余計に押し付けることなのか。それも違うと思います。

 

ところで、何かやり残したこと、不完全な理解しかできておらず気になっていることがあった場合、そのつもりはないのに悩みがグルグル頭の中を回ること、ありますよね。結論は出せないのに「ああ、どうしよう」という考えだけが脳内を駆け巡ります。そんな時、思考と共に仕事の手も止まりますね。これです。これが、生産性の向上を阻む要因です。

プロジェクト(=タスクの集合)とそれに伴う行動やスケジュールを毎週見直していくと、あなたの意識からあいまいな部分が少なくなり、本来あるべき状態に最適化されていく感覚を覚えることだろう。この状態を達成できれば、高度な判断力をもって直感的に意思決定を行なっていくことができるようにもなる。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)
※カッコ内は小鳥遊

 

タイピング速度を速めたりサービス残業をしたり、あるいは仕事をとにかく他人へ丸投げする、そういったことは短期的には問題を解決するにしても、生産性向上の本質ではないと思います。

 

生産性向上の本質とは何か。頭に残るあいまいなことについて自動的に思考を始めてしまうことをやめるのが、生産性向上の本質の1つだと思います(「一週間に十日来い」的な明らかに過負荷な状態でない限りという条件は付きますが)。

 

そのためには、脳内に残る「あいまいなこと」をなくす必要があります。とは言っても「今からなくすぞー!ジョジョーッ!」と叫んだところで変われる人は稀です。自分の内部を変えるのではなく、外部環境、つまりやり方を変えるのが近道です。その手段としてのタスク管理"GTD"です。

 

仮に過負荷な状態であったとしても、できるだけその負荷を和らげるのにも効果的です。仕事上のストレスのかなりの部分は、「やるべきことをやっていない不安」からきます。その部分を解消します。

 

生産性の向上に大事なのは手段であると思います。今社会をあげて推進しているプレミアムフライデーやその他の残業抑制は結果そうなるべきであって、手段と結果を混同してしまっている気がしてなりません。働き方改革としての生産性向上というテーマに対して、なかなか改善が見られない、反発があるのは、ここに原因があるように思います。