ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「成功者になるためのGTD」は成立しない

成功するための○個の法則

よくこんなタイトルの記事を見かけますね。よく目に止まるということは、私がこういう内容に興味があるということなんだと思います。その昔「先行者」というロボットの記事をバズらせた侍魂というテキストサイトがありましたが、先行者ならぬ成功者というフレーズ、今のネット記事では本当によく書かれる印象があります。

 

タスク管理は成功のための法則?

GTDをはじめとするタスク管理は、ビジネスの世界で成功するにはとても有用だという印象があります。実際、GTDの開祖デビッド・アレンは、GTDを数々の財界の重要人物、経営者に教えてきたというのです。実際、仕事がより捗り、やりやすくなるのは間違いありませんので、分かるような気がします。

 

目的の明確化が「成功」を阻む?

ただ、誠心誠意GTDを正しく運用させてきた人は、GTDが成功のための法則だ!とは言わないと思います。GTDに必須の「目的の明確化」があるからです。

 

「成功する」という目的は、具体的に自分がどうなることを言うのだろうか?と、GTDのフローは問いかけます。「社長になる」「どこの会社の?」「経済的に裕福になる」「いくら?」といった具合に、より具体的なイメージを求めます。それが明確にならないと、その「成功者」とやらになるまでのプロセスが決まらないからです。

 

そもそも「成功者」はとても抽象的な言葉であって、実践的かつ具体的な目的を達成するための方法論であるGTDには馴染まないんですね。

 

そもそも、GTDは「水のように澄みきった心」を手に入れるために実践されることを想定されているので、経済的に裕福になるだとか、社内の権力を掌握したいだとか、同期との競争に勝ちたいだとか、そういったギラギラした目的とは相容れない要素があるんじゃないかと思います。間違いなく役に立つとは思いますが。

 

GTDはもっと身近なもの

人生において成功するとかそういった大きな夢のためではなく、さしあたって目の前にあるタスクを、より効率よく確実に、ストレスフリーに実行していくための方法論がGTDだと私は思います。なので、あえて記事にするのであれば、「小市民の幸せを掴むための法則『GTD』」といった題名になるかと。ああ、でもこれだと「小市民の幸せとは何か」となってしまうし、そこに目をつぶったとしても読んでくれる人は多くなさそうですね(笑)