タスク管理で得た境地を超える人
タスク管理で得られる境地
タスク管理をすると何が得られるかというと、例えば仕事が早く終わるとか、抜け漏れが無くなるとか、クリエイティビティが増すとか言われています。ただ、これはその先にあるものの途中の段階でしかありません。最終的には、やりかけの仕事がかけてくるプレッシャーから解放された状態、GTDで言う「水のように澄みきった心」の境地に到達することが目的です。「ま、いっか」と言える精神状態とも言えます。
別の方法で到達できないか?
ならば、もっと違う方法で水のように澄みきった心に到達できないかと考えたりします。そこまででなくても、せめて仕事上のミスをしても気にしない、一晩寝ればケロッとしているような、そんな気持ちの待って行き方を習得したいものです。自分のミスを開けっぴろげにし、笑い飛ばせる境地。憧れます。
灯台下暗し
自部署に、まさにそれにピッタリな人がいたことに気が付きました。別に「小さいことは気にしない!」といった豪快な人ではなく、どちらかと言うと遠慮がちで、あれやこれやと考えて気に病んだりするようなタイプです。しかし、自分が何かミスをした時でも「ヘッヘッヘッ」と笑って、 不思議にその場が和ませてしまう人徳を彼女は持っています。
保険組合の冊子配り
先日、保険組合から従業員宛に届いた冊子を配っていた時のこと。特集記事に「組合員の皆さん、潮干狩りを企画しました!こぞって参加申し込みを!」という内容がありました。配り始めて彼女がつぶやきます。
「あ、申し込みの締め切り過ぎてた……」
配った日の4日前に締め切っていました。もうその時点で我が部署ではクスクス笑っているのですが、彼女はそれをネタにして「ヘッヘッヘッ」と笑いながら配って歩くのです!
さすがに上司からは説教されていました。
「なんで早く配らないんだ?」
「いや、でも最近届いてー(だから締切の設定が早過ぎたと言いたい)」
「いつ?」
「もうホント最近なんですよー……1週間くらい前…」
「それは最近とは言わない!」
「あ、でも入口の所に私告知を貼ったような」
「(貼っていないことは全員知っている)言い訳だッ」
「はいっ、すみません!……ヘッヘッヘッ」
ひとしきり終わった後、彼女は組合に今から申し込んでも大丈夫かと確認の電話を入れていました。電話口で参加人数を質問されたようで、その時も「まーそんなたくさんはいないですけどねエヘヘ」といった具合で、とても自由な感じで業務にいそしんでいます。
私だったら、「やってしまった……」と落ち込んで、まず2日は引きずります。連発でもしようものならもう大変です。それと、こんな会話でもしようものなら、上司の神経を強く逆なでして、大きな雷が落ちることでしょう。
やりかけの仕事のプレッシャー
彼女の心中を覗くことはできませんが、それでも毎日元気に出社していることから、彼女は独自のやり方、つまるところその天然の人徳を余すところなく発揮することで、やりかけの仕事のプレッシャーを軽減しているのでしょう。私はタスク管理を実践することでやっとできたことを、彼女は軽々と飛び越えているわけです。
今から彼女を目指すことはできませんししませんが、タスク管理に没頭して狭くなっている視野を広げるのに、とても良い環境にいるなと感謝した次第です。