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ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

発達障害者支援"Teacch Program"をタスク管理で実践!③

発達障害者支援プログラム"Teacch Program"が実はタスク管理で実践できる!という連載記事の3回目です。

 

前回は、構造化の4要素のうち「物理的構造化」について書きました。

hochebirne.hatenablog.com

3回目の今回は、Teacch Programで行う「構造化された教育」の要素の1つ「作業手順の構造化」について書きます。

 

段取りが苦手な特性

昔総務として働いていた会社では、上司から「仕事は段取りが命!段取り8割だ!」と耳にタコができるほど言われました。私はこの「段取り」を段取ることが大の苦手でした。総務は、他の部署と連携して仕事をすることがとても多いので、そんな人間が段取り下手だと大変です。

 

例えば、社内の大規模な席替えやレイアウトの変更などがそうです。最初にA部署が動いて、そのことで席が空くから次にB部署がA部署が入っていた場所に入って、という玉突きで動くその流れを仕切らなければいけないのが総務です。さらには、その移動に伴って、部署の荷物を会議室に逃がしておく必要があって、そのためにはあらかじめ会議室をその時間予約しておかなければいけなくて等々、、、、総務の大事な業務の1つであるレイアウト変更は段取り力にものを言わせて行わなければいけない業務なんですね。

 

私が総務になりたての頃、幸いなことにこのレイアウト変更が大好きな先輩社員がいました。その方に全部お任せしておりました。しかし、その先輩社員が急に退職することになり、後任として私がしなければならず、とても大変な思いをしました。ある時、先輩にレイアウト変更について説明してもらったところ「最初にここが動いて、そうするとここにスペースが空くでしょ?そしたらそのスペースにこのキャビネットを持ってきてー…」と、仕事の流れをそらんじて立て板に水のごとく喋りだすんですね。「ちょ、ちょっと待ってください!!」と途中でその暗誦を止めてもらって、あらためて最初から丁寧に教えてもらわなければいけなかったことが多々あります。

 

レイアウト変更のみならず、その他の複雑な手順を踏んで完了させる必要のある仕事をするときには、最初に何をして、次に何をして、という手順を1つ1つ書き出して、それらをゆっくりチェックしていきながら進めなければ到底遂行することができませんでした。先輩のように全部の流れが1つの映画のように頭の中で再生されなければ総務にあらずなのか!?と落ち込む日々でした。

 

また、段取りがうまくできないと、その仕事をどのくらいやれば終わるのかという、完了までの見通しをつけることが困難です。社内外関係なく四六時中、先が見えないという不安に私はさいなまれていました。

 

そんな苦手意識をもっていたこの「段取り力」をサポートするものとして、Teacch Programの「作業手順の構造化」はとても頼りになりました。

 

作業手順の構造化

「ワークシステム」とも言われるこの「作業手順の構造化」を説明するとこのようになります。

 

 何を,どれだけするのか,いつまでやるのか,どうなったら終わりになるのか,終わったら次はどうすればよいかを分かりやすく提示すること

 

これが実現すれば、先輩のように暗誦できなくても仕事の手順を把握することができ、完了までの見通しをつけることができます。

 

タスク管理での実現

私のタスク管理ツールでは、以下の画像の赤枠内のように手順を書き出します。タスク管理の分野ではこれを「タスクの分解」や「タスクの細分化」といいます。まず最初に何をすれば良いか、次に何をすれば良いかということを具体的に実行可能な行動レベルまで分解して書き出します。

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Teacch Programでは詳細まで論じられていませんが、タスク管理ではこの「具体的に実行可能な行動レベルまで細かく分解」することに大きな意味があるとしています。それは、着手のしやすさです。「そこまで細かく手順を分けるのか!?」とお思いになる方もいるかもしれません。しかし、そこまでして初めて「じゃ、手を付けてみようかな」と思えるものです。「奮起すれば実行できる!」「成せば成る!」ではなく、自分の特性を認めつつ、それをどう環境でサポートしていくかがTeacch Programの真意です。私は、このタスク管理ツールの情報に完璧に頼っています。そのことで「自分の段取り力の無さ」からくる不安を避けることができています。

 

そして、このツールを使うことでタスクの分解に慣れてくると、ある発達障害特性が顔を出し、ますますタスクの分解に拍車をかけ段取り力をアップしてくれました。

 

それは「曖昧な表現が理解しづらい」という特性でした。理解しづらいからこそ、1つ1つの段取りへと具体的に分解させることができ、必要な作業手順を漏らさず書き出せるようになりました。

 

これが、私が実践している「タスク管理による作業手順の構造化」です。

 

次回は、構造化4要素の3つ目「視覚的構造化」について書きます。