ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

やりかけの仕事を頭の中に残してはいけない

頭をからっぽにして…は空になっていない
「頭をからっぽにして羽を伸ばしましょう!」という、リゾート地への旅行を呼びかける観光パンフレットにありがちなフレーズ、「本当に頭空っぽにできているの?」と思ってしまいます。頭が空っぽになる、もっと厳密にいうと頭が空っぽになったと感じるには、かなり良好に環境を整える必要があると思っています。

 

私は、やり残して不安な仕事がある場合は、どんなにゆっくりのんびりできる環境にいても、頭空っぽにして楽しめた経験がありません。性格もあると思いますが、「ああどうしよう」という状態のまま職場にその気がかりな仕事を置いてきているからだと思われます。

 

「気がかりな仕事」は頭にとどまり続ける
「ああどうしよう」状態の仕事は、どんなことをしていても常に頭を占拠し続けます。「ああどうしよう」状態とは何か。その仕事が今どこまで進捗して、今後どのような段取りを辿っていけば完了できるか(もしくは、さしあたって次の行動が具体的で明確になっているか)が分かっていない状態のことだと私は考えます。つまり、全ての仕事について進捗状況が分かり、段取り(次にとるべき具体的な行動)が明らかであれば良いわけですね。

 

タスク管理メソッド”GTD"の開祖デビッド・アレンは、この「気がかりな仕事が頭にとどまり続ける問題」についてこのように書いています。

あなたが意識していなくても、あなたの頭はある一定のエネルギーを消費し続ける。この仕事はなんだっけ?何をしなくちゃいけないんだっけ?次にすべきことは?あと他に考えることはなんだっけ?
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

要らない荷物を載せていると動きが悪くなる車のように、今考えるべきでない仕事を脳内に置いておくと、私たちの思考は鈍くなるようです。そんな荷物は下して軽快にドライブしたいものですよね。私は運転免許を持っていないので「ですよね」と言える資格はありませんが。

 

人間の秘技「忘れる」

私たち人間はコンピューターと違って「自然と忘れていく、しかも必ず」という秘技というか特徴というか弱点を持っています。倉庫業者が「なんでもいくらでも在庫管理しますよ!」と言ってホイホイ荷物を倉庫内に運び込み、1年後に預けた物の取り出しを依頼しても「あ、、、、無いッス」となってしまう。私たちの頭は、情報を保管する機能としてはお世辞にも高いとは言えません。

 

タスク管理以前の私は、メモ等を取らずに「頭に入っています」なんて言ってドンドン仕事を引き受けていまして、まさに上記のような状態でした。そんな当時の私に聞かせたら頭が痛いと苦笑するような内容がこちらです。

新しいプロジェクトを引き受けるのは、かならずしも前向きの変化だとは言えない。それは、完成させることに対して無責任だというだけかもしれない。やりかけの仕事をすべて拾い上げ、完成させることこそが、前向きの変化である。__ジョン・ロジャー
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

周囲に一人はいないでしょうか。机の上に書類が山積みになって、たくさん仕事を抱え、かつ忘れてしまっている人。見かけは忙しそうなのですが、実際は大量の未完了タスクを抱えているので業務の進捗にあまり寄与できていない。

 

GTDのフローに落とし込めば相当楽になるはずなのに、ああもったいない、と思ってしまいます。その組織の構成員全員がGTDのフローに忠実に仕事をこなしていったら、もしかしたらスーパーハイパフォーマー勢揃いの組織になるかもしれませんね。

 

その第一歩としてまず自分からパフォーマンスを高めるため、タスク管理を是非ご一緒に。