ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

デスクに砦を築いてしまう人

周囲を寄せ付けない仕事の砦
あまりに大量の仕事は、それ以上自分に降りかかってくる仕事たちを蹴散らしてくれるときがあります。さながら、大阪城に攻め入る徳川勢を寄せ付けない、あの出城のようです。

 

「城の名は、なんとします?」

 

「決まっているだろう、真田丸よ!」

 

(ここで鳴り響く「真田丸」オープニングテーマ!!)

 

あ、すいません。大河ドラマ真田丸」が大好きだったもので、つい……。

 

堺雅人演じる真田幸村よろしく、自分のデスク上に築かれた仕事の書類の山を指して「真田丸よ!」とか職場でひとりごちる人がいたら、それは早々に戦から撤退した方がよろしいかと。

 

その砦は守ってくれるのか?

仕事の山は、その人の「忙しさ」を演出してくれます。多少のミスや取りこぼしがあっても「あの人は忙しいから、多少の抜け漏れがあってもしょうがないよね」「その分、他の人がフォローしてあげればいいよね」という雰囲気になります。実際、それでへっちゃらな人、すでに周囲にフォローしてくれる人を配置できている人はそれで良いでしょう。

 

問題は、抜け漏れやミスを気に病んでしまう真面目な人、周囲にフォローしてくれる体制が無い中でやらなければいけない人です。

 

タスク管理メソッド”GTD"の開祖デビッド・アレンは、仕事の山を積み上げる人についてこんなことを書いています。

たいていの薬は、一時的に現実の厳しさを和らげてくれる。侵入してくる異物への反応を鈍らせてくれるからだ。

 

やりかけの仕事の山を自分の周りに砦のように積み上げていると、外界からの情報への反応を鈍らせてしまう。

 

そしてこの状況がさらにひどくなると、自分にとって都合の悪いことや、なにやら難しそうなことを先のばしにしたり、さらにひどいことには無視したりするようになる。

 

しかも、職場においてはそうすることはかならずしも恥ずかしいことではない。「ひどく忙しい」とは、つまり職場で「重要視されている」とみなされることもあるからだ。
(ストレスフリーの仕事術「仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

「重要視されているとみなされている」と思うだけで居場所ができたと安心できる人は良いですが、普通の神経をしていれば、押し寄せてくる大量の仕事をさばき切れず、そのプレッシャーに耐えられないで倒れてしまうのではないかと思います。

 

それでも敵兵を倒し続けなければいけない

戦国時代の戦と違って、攻めてくる敵兵(仕事)は、倒さずに城にこもっていればいるほど増えます。しかも、時間が経って締切が過ぎてしまうと敵兵は百発百中のガトリング砲をぶっ放してきます。

 

もちろん、押し寄せてくる敵兵がどんなもので、どれくらいいるのかは把握すべきで、それを元に戦術を練る必要があります。しかし、一度戦場に降り立てば、短期決戦で敵兵が攻めてくるたびにバッタバッタと斬り倒していくのが正攻法です。たまに自滅する敵兵もいますが、籠城して敵が引き上げるのを待つという策は、仕事にはありません。

 

職場という戦場での日本一の兵(ひのもといちのつわもの)は、砦は作らずに、ひたすら敵兵を倒し続けるものなのかもしれません。「でも、仕事が溜まっちゃってー」と言い訳する人には「黙れ小童(こわっぱ)!」と雷を落としてやりましょう。