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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「締切」について考える

「締切」と二人の人物

ネット上で見た二人の人物の話をします。

まずは、田口一成さんのTEDの講演。とても良かったのでご紹介します。

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思い込み
なぜ仕事をするかという問いに答えが出せずモヤモヤしている人は多い。あるいは、答えは出ているのに、それを実行に移せないという人もいますね。「今さらそんなこと考えても」という考えが大勢を占めていると思います。個々人の思い込みではなく、ほぼ常識とまで流布しています。

 

田口さんの想い
そんな考えに真っ向から対峙するのが田口さんです。「ソーシャルビジネス、社会問題を持続可能な経済活動を通じて解決しようとする事業は儲からないという考え」が蔓延している世の中に「それは思い込み」だと怪気炎を上げました。

 

実際に、貧困にあえぐ葉巻タバコ生産農家にハーブを生産してもらい、流通も一から考えて、2014年には年商8.4億円という規模にまで成長させました。

 

年に2回牛を捧げるというイスラム教の教えから、牛皮の製品を作ることを、アジアの最貧国で、その人口の9割をイスラム教徒が占めるバングラデシュで展開し、2年間で300人の雇用を創出。

 

「ソーシャルビジネスは儲からない」を跳ね返して、収益を上げています。最初から駄目だと決めつけずに、やりたいと思ったら、その目的に向かってまずは取り組んでみる。実績を伴ったその話は、我々が「常識」を疑うには十分なインパクトを持っていると思います。

 

田口さんのポリシー
さらに、田口さんのポリシーで強烈に共感したのは、「皆んなに等しく降りかかってくる寿命。時間が進むごとに確実に死へ向かっていっている」ということ。

 

その一方で、「何かを成し遂げた人」としてTEDで講演する違和感も語っていました。「自分は特別なことは何もしていない。問題を見つけて解決する、当たり前のことをしているだけ。だからTEDで講演するようなところまで達成していない」ということを、TEDのスタッフからの講演要請がしつこかったという冗談を織り交ぜながら話しておられました。

 

問題を見つけて解決するという当たり前のことをするだけ。その繰り返しである。私から見れば素晴らしい業績をあげている方も、ご本人の実感としては、分解したらある意味大したことない現実的な一手一手の行動を続けているだけ。そんな大したことない(ように見える)行動を常に続けていられるのは、自分の残り時間を強烈に意識しているからなんだと、深く考えさせられました。

 

最後まで「当たり前のことをするだけ」
この記事を書く前に、AbemaTVの「土曜theNIGHT」の「生きる事を考える」に出演されていた末期がん患者さんの広林依子さんが亡くなられたことを知りました。1か月前に番組で元気そうに話していたのに、と複雑な気持ちになりました。この記事でご紹介したい、ネット上で見た二人の人物の二人目です。

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 その広林さんが言っていた「人生の締切が宣告されたことで、自分のやりたいことの優先順位がはっきりつけられるようになり、どんどん着手できるようになった」という言葉が思い出されます。

 

着手できないのは着手できる粒度までタスクを細分化していないから、というタスク管理の公式があります。しかし、現実的でそう遠くない先の日付に締切が設定されれば、多少粒度が荒くても否応なしに着手するんですよね。そして、締切のないタスクは無いはずで、そこを意識したらものすごい勢いで物事を進められるようになるはずなんだよな、と思いました。

 

「締切」「やるべきこと・やりたいこと(タスク)」「優先順位」「現実的な次の行動」。タスク管理でもお馴染みの言葉ですが、より身に染みて考えさせられました。