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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

タスク管理でメンタルヘルスを安定させる

メンタルヘルスの経済学
「オイコノミア」というNHKのテレビ番組があります。経済学「エコノミクス」の語源の古代ギリシア語がそのタイトルになっています。毎回観ているのではなく、この回の「みんなで考えよう メンタルヘルスの経済学」というテーマにひかれて観ました。

 

メンタルヘルスに影響を与える三大要素
番組では特に会社での働き方とメンタルヘルスについて語られていました。精神的な健康を保つためには、次の3つが大事なのだそうです。

 

・労働時間
裁量権
・コミュニケーション

 

労働時間は言わずもがなですね。裁量権というのは私にとっては目新しいです。

 

裁量権が無い状態
仕事をしていて裁量権が与えられないと、その人はメンタルを病んでいくのだそうです。「これを、こういうやり方で、このくらいやって欲しい」と指示されるだけなら、逆に楽ではないかと思います。でも、違うんですね。

 

仕事上の裁量権として、大きく分けて2つ説明されました。仕事の進め方の裁量権と時間の裁量権です。仕事の進め方の裁量権の話を聞いていたときに「これ、まんまタスク管理だな」と思いました。

 

仕事上の裁量権
仕事の進め方の裁量権とは、目標を設定し、その手順を決めて仕事を進めることだと番組では説明されていました。私が実践しているタスク管理手法"GTD"の第2プロセス「見極め」と同じことです。

 

「目的を明確にして」「目的達成までの具体的な手順、少なくとも次に行うべき具体的な手順を明らかにする」というのがGTDの見極めプロセスです。上司や外部からの指示に過ぎないことに、自ら裁量権を作り出しているわけですね。

 

タスク管理をやり始めて解放感・安心感を実感しているのは、このお陰だったのだなと改めて思いました。

 

コミュニケーションについて
裁量権をつくりだしていることで、コミュニケーションにも良い影響を与えていると考えます。「メンタルヘルスにはコミュニケーションが大事だ」と聞くと、社員同士仲良くするのが目的だと思う人が大半だと思います。実際、番組では社員同士の飲み会への補助金や、月に一回オフィスで社員が集まってパーティーをするという制度が紹介されました。

 

仲良きことは……
仲が良くなるのは大事ですが手段に過ぎないのではないかと思います。間違っても仲良くすることが目的ではないと思います。

 

以前、タバコを吸いに外階段に集まる人たちだけで仕事の話が進むという環境にいたことがありました。そこだけで通じる言語、言い回し、考えもあり、タバコを吸わない私は、仲良しタバコ仲間から外れているという蚊帳の外感が正直否めませんでした。

 

会社での、仕事上のコミュニケーションの目的は「必要なことを過不足なく正確に伝える、受け取ること」につきるのではないかと思います。退社後に仲良くパンケーキを食べに行ったり、「飲み会こそが本番の会議」などと言ってパワハラまがいの「指導」を行ったりするのが目的ではない。

 

人間関係を良くするのを否定しているのではないです。むしろ、飲み会は好きな方です。仲良くなるのは手段であって、目的と取り違えてはいけないと思います。

 

必要とされる「コミュニケーション」とは?
それをふまえると「必要なことを過不足なく正確に伝える、受け取ること」を、無駄な気を使わずにできるのが「コミュニケーション」の最終形ではないかと考えられます。

 

タスク管理"GTD"で必要とされている「タスクの目的」「タスクを達成する具体的な手順」を明らかにして、何らかのツールに記録し、必要なときに必要なだけその情報を取り出せるようにしておくことは、コミュニケーションをうまくやっていくのにとても重要なものだと感じます。極端な話、取り出した情報を読み上げるだけで簡潔にやるべきことや現状を説明できるからです。

 

タスク管理で裁量権をつくりだすオマケみたいなものですが、これにも大いに助けられていると感じています。

 

やっぱりタスク管理はメンタルヘルスに効果的
「やっぱり」とつけたのは、私が大いに実感しているからです。ただ単に仕事のリストを紙に書きつけるだけの小手先のテクニックと言うなかれ、実践すれば精神にも深く影響を及ぼすものだと、この番組を観て改めて思った次第です。