ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「生産性の向上」の本質

「生産性を上げる」という言葉の餌食になっている人は多いんじゃないかと思います。とにかく始業から終業のスパンを狭くすれば良いという乱暴な考え方によって、意図しない先送りを余儀なくさせられたり、もっと悲しいのはサービス残業をさせられたりしていたりします。

 

生産性を上げるというのはより素早く手を動かすことなのか。違うと思います。

 

では、やるべきことを「それ、自分の仕事じゃないです」と他の誰かに余計に押し付けることなのか。それも違うと思います。

 

ところで、何かやり残したこと、不完全な理解しかできておらず気になっていることがあった場合、そのつもりはないのに悩みがグルグル頭の中を回ること、ありますよね。結論は出せないのに「ああ、どうしよう」という考えだけが脳内を駆け巡ります。そんな時、思考と共に仕事の手も止まりますね。これです。これが、生産性の向上を阻む要因です。

プロジェクト(=タスクの集合)とそれに伴う行動やスケジュールを毎週見直していくと、あなたの意識からあいまいな部分が少なくなり、本来あるべき状態に最適化されていく感覚を覚えることだろう。この状態を達成できれば、高度な判断力をもって直感的に意思決定を行なっていくことができるようにもなる。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)
※カッコ内は小鳥遊

 

タイピング速度を速めたりサービス残業をしたり、あるいは仕事をとにかく他人へ丸投げする、そういったことは短期的には問題を解決するにしても、生産性向上の本質ではないと思います。

 

生産性向上の本質とは何か。頭に残るあいまいなことについて自動的に思考を始めてしまうことをやめるのが、生産性向上の本質の1つだと思います(「一週間に十日来い」的な明らかに過負荷な状態でない限りという条件は付きますが)。

 

そのためには、脳内に残る「あいまいなこと」をなくす必要があります。とは言っても「今からなくすぞー!ジョジョーッ!」と叫んだところで変われる人は稀です。自分の内部を変えるのではなく、外部環境、つまりやり方を変えるのが近道です。その手段としてのタスク管理"GTD"です。

 

仮に過負荷な状態であったとしても、できるだけその負荷を和らげるのにも効果的です。仕事上のストレスのかなりの部分は、「やるべきことをやっていない不安」からきます。その部分を解消します。

 

生産性の向上に大事なのは手段であると思います。今社会をあげて推進しているプレミアムフライデーやその他の残業抑制は結果そうなるべきであって、手段と結果を混同してしまっている気がしてなりません。働き方改革としての生産性向上というテーマに対して、なかなか改善が見られない、反発があるのは、ここに原因があるように思います。