GTDの「コンテキスト」を理解する
GTDを調べはじめますと「コンテキスト」なる言葉がでてきます。私はこれがなかなか理解できませんでした。以前にこんな記事で自分なりの考えを書いています。
これを書いた当時と今とではちょっと考え方が変わっています。コンテキストに対する理解が深まり、「これって実はコンテキストだった」と気が付いたり、ツールが進化してコンテキストを有効に表示できるようになったりしたからです。
実はこれもコンテキストだった!?
私が自作したGTDタスク管理ツールでは、状態という欄を設けています(赤枠)。誰がボールを持っているのか、それとも、誰もボールを持たないものなのかが表示される欄です。この状態欄がコンテキストだということに、最近気が付きました。
上記当ブログエントリーでもご紹介したGTD情報発信の先駆者nomicoさんのブログエントリーには、このように書いてあります。正鵠を射た内容に、思わず襟を正しました。
そもそも「コンテキスト」は、NextActionリストを分類するためのものである。
NextActionリストの項目が10個やそこそこの項目だったらいいのであるが、これが20個30個となるとどこから手がつけていいのやらと悩んでしまう。
これを、人間が選ぶのに最適な個数に絞り込み、更に実行するためのヒントを与え、なおかつ同じ動作のものを連続して実行しやすい状況に落とし込んでいるのが、「コンテキスト」の効果である。
この考え方にもとづくと、「自分ボール持ち」「他人ボール持ち」「スケジュール」「いつかしたいこと」という分類をしている我がタスク管理ツールの状態欄は、エクセルのフィルタリング機能で絞り込むことができるのでコンテキストに他ならないということになります。
コンテキストとは「絞り込む」こと
この話の展開から、絞り込りワードがコンテキストである、と言っても差し支えないように思います。それが例えば上記のようなボール持ちの概念であったり、「会社でできること」「プライベートでできること」という分け方であったり、「本業」「副業」「生活」「趣味」という分け方であったりします。あるいは、それらの複合という考え方もありますね。
私たちは、世の中に存在するネット情報から、自分が取り出したい情報を検索ワードを使ってググって絞り込みます。この時の絞り込みに使う検索ワードがコンテキストだと考えていただければ、イメージしやすいかなと思います。
なぜコンテキストを使って絞り込むのか?
上記にあるnomicoさんのブログからの引用部分「NextActionリストを分類するため」は大きなヒントだと思います。
自分が抱えているタスクのすべてを把握し、それらについての具体的なNextActionも明確になっているものの、じゃあどれからやったらいいの?という「優先順位がつけられない」問題というのが存在します。
私が定期的に開催している「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」というイベントでも、優先順位が付けられないという声はよくいただきます。私見ですが、コンテキストで絞り込むのは優先順位をつけやすくするためにあると考えます。
コンテキストごとに分ける機能の例
タスク管理ツールの中には、タスクに「@会社」や「@生活」「@趣味」といったタグを付けて絞り込みを可能にするものもあると思います。
自作のエクセルタスク管理ツールでは、状態欄や業務分野ごとにシート分けする機能によるものはありますが、「@生活」「@趣味」といった形でカスタマイズできるコンテキスト機能はありません。そもそも「@会社」のみの想定で自作していたので当たり前といえば当たり前です。
それに対し、私のエクセルタスク管理ツールを元に開発しているクラウド版タスク管理ツール「タスクペディア」では、タスクの属するカテゴリを選んでフィルタリングした結果別にブックマーク(お気に入り)して保存することで、下の画像のようにコンテキストごとにアイコンを作成することができます。
これもまたコンテキストを活用している実例です。クラウドなだけあって、データベース(All)とそれぞれのコンテキスト毎にまとめたもの(生活関係、TP&JYY、会社)は裏でつながっています。仕事場以外のタスク群を「生活関係」「TP&JYY」というコンテキストにまとめていますが、「生活関係」でタスクをいじったら「All」にも反映される仕組みになっています。
会社から出たら「生活関係」のアイコンをタップすれば良く、簡単ながら大事な優先順位付けができています。コンテキストをうまく活用している例です。
まとめ
ということで、まとめるとこんな感じになるかと。
- コンテキストは絞り込みワードのようなもの
- コンテキストによる絞り込みは優先順位をつけるため
皆さんお使いのタスク管理ツールでもコンテキストでうまく絞り込みをして、優先順位付けをしやすくしていただければと思います。