ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

障害者の就労支援の秘策「タスク管理」を粛々と実行中!

発達障害、特にADHD不注意優勢の方は、タスク管理を覚えるととても良い、と常々思っております。

 

そのためのプログラムを、就労支援事業所(※)であるEXP立川で毎週金曜日に行っております。講師です。名刺を作っていただいたところ「リワークトレーナー」という名称をいただきました。

※正確には「障害者就労移行支援事業所」

 

 

仕事の基本はタスク管理にあり!

全員必須というわけではありませんが、EXPのプログラムにはタスク管理をベースとした「仕事を遂行する能力」をトレーニングするものが多いです。毎週水曜日には、「仕事をこなそう」という名前のプログラムがあり、やっていることはタスク管理の原理原則に基づいた仕事のロールプレイを行ったりしています。私はおらず、EXPのスタッフさんがタスク管理を勉強し、それを生かして利用者さんに教えています。その姿勢、頭が下がります……。

 

というのも、障害者就労支援だけではなく、広く仕事をこなすのに必要なノウハウがタスク管理には詰まっているから、重視していただいているんですね。仕事の基本はタスク管理にあり!です。

 

私の理想は、タスク管理を習得した利用者さんが就職し、職場でタスク管理を使ってメキメキ頭角を現して「え、なんでそんなに仕事できるの?!」と羨望の眼差しを受けることです。それぐらいの破壊力が、タスク管理にはあると思っています。

 

タスク管理ツール「タスクペディア」を活用!

とはいっても、タスク管理というと皆さん「面倒臭い」という印象ですよね。分かります。私も、学んで習得する対象としてタスク管理にもし接していたら、「めんどくさっ!」と投げ出していたことと思います。

 

その面倒臭さの理由は、方法論が多岐に渡っていることです。つまり、どの道具を使って、どのように作業をすれば実践できるのかが分からないのです。だから目移りしてしまって、理解を深めることができないのです。

 

とりあえず定評あるツールを使ってやってみるのが、タスク管理習得への一番の近道だと私は考えています。特にADHD不注意優勢型の診断を受けた私が自作し、落ち着いて仕事がこなせるようになったツールを元にして作った「タスクペディア」であれば、私と同じ体験を再現できるのではないか、という仮説(あくまで仮説ですが)を立てています。

 

しかも、タスクペディアは、必要な作業ができるだけ少なくなるように設計してあります。タスク管理を始めるハードルはムチャクチャ低いと思います。

 

すぐにタスク管理ができる!

それを証明するかのように、冒頭でご紹介した「料理をタスクと見立ててこなす」というプログラムでは、タスク管理もタスクペディアに触るのも初めてという利用者さんに、難なくお使いいただけました。

 

午前中にタスクの入力方法を1回ご説明しただけで、「カルボナーラを作るタスク」「唐揚げを作るタスク」をこんな感じで入力いただけました。

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 ツールの活用で「仕事がしやすく」

 これって地味にすごいことじゃないですか?そもそも、仕事をするための適正な情報処理に多少なりともやり辛さを感じて通ってくるのが、この事業所です。それなのに、ツールを使うだけで、自分のやるべきことについての情報を整然と処理して可視化することができているわけです。

 

もちろん、そのための自分の精神状態を落ち着かせるための自己理解や、医者からの薬の処方を守ることも必要です。EXP立川では相当な時間と労力を割いて自己理解を深めるプログラムをおこなっています。 また、利用者さんがどのような薬を服用していて、どんな治療を受けているのかも共有しています。

 

その上にドーンと仕事をこなす技術を乗っけてくれるのって、すごくないですか?就労支援のみならず、企業研修でもこんな内容は無いと思います。発達障害の診断を受けた約10年前、ちゃんと就労できるか恐れおののいていた自分が通うべき場だったなあと強く思います。

 

もし現在、同じように恐れおののいている人がいたら、タスク管理で仕事をこなしやすくなること、心強い味方としてタスク管理ツールがあることを是非伝えたいと考えています。