ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

健全なタスク管理は健全な精神に宿る

こんなツイートをしました。

「昨日のworktalk」とは、8/9に参加したこちらのイベントです。

hochebirne.hatenablog.com

 

ボール持ちの健全性

私が原作者となっている、タスク管理ツールタスクペディアには、ボール持ちの概念があります。当方、先方と書いてある赤や黄色、緑のタグです。

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この概念の話をするときに、どうしてもボールの投げ合い、仕事の押し付け合いが連想されます。私も当初はそう考えていました。いかに自分ボール持ちのタスクを他人に押し付けて責任を逃れるかと。

 

美しくないですよね。もちろん、周り全員がボールを誰かに投げつけて責任逃れしたいという感覚の持ち主であれば、自分の身を守るためにも、同じようにボールを持たない戦略を採らざるを得ません。

 

そんな全方位敵同士な関係は淋しいなと思いました。

 

ボールは、投げつけるものではなく、引き受けるもの

GIVE AND TAKE 「与える人」こそ成功する時代 という本があります。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

 

この本の根底にあるのは、要求だけする人より与える人が最終的には報われるという考え方です。相手に有益なことをしてあげたら、相手はそれと同等かそれ以上のお返しをしたくなる「返報性の原理」がベースにあります。

 

先に挙げたサイボウズの掲げる理念「公明正大」は、GIVEする人が揃った返報性の原理で回る健全な精神性が土台となって実現されるものです。

 

「あ、ボール引き受けてくれたのね。うん、じゃあよろしく。それからこれもお願い。あ、これもね。あれもお願いしちゃおうかな。だって、なんでも引き受けてくれるお人好しだものね。はい頑張って。自分はラクします」

 

みたいなのは、おそらく典型的なTakerです。自戒を込めて言うのですが、これでは人望は集まりません。信頼を失っていきます。不健全な関係になってしまいます。

 

仕事のボールは、投げつけ合うのではなく、動けずにうずくまっている人から引き受けるものと考えたら、とても健全でいい世界じゃないかと思うのです。

 

ただし、関わる人にTakerがいると話は変わる

とはいえ、先に挙げた「自分を守るためにボールを持たない戦略を採らざるを得ない」例もまた現実にあります。

 

先に挙げた本「GIVE AND TAKE」によれば、最も成功するのはGiverであり、最も失敗するのもまたGiverなのだそうです。自己犠牲的に与え続けるとTakerに搾取され尽くしてしまいます。

 

そうなると、今の自分の状態がGiverかTakerかを知るとともに、相手もGiverかTakerかを慎重に見る必要がどうしてもでてきます。出し抜いて得をしようと考えるTaker相手に与え続けてしまわないように。

 

そのためにもボール持ちの概念は必須

自分と相手のgive、takeの関係性を見極めつつ、いずれにしてもボールのやりとりは発生します。そのために必要なことは何か。自分のタスクを把握しそれぞれボールは誰持ちなのかを明確にすることです。

 

成功する与える人でいるためにも、当方、先方のボール持ちの概念は、タスク管理上大事だなと思うのです。