ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

タスク管理と楽器の演奏の共通点、理系と文系を行きつ戻りつ。

突然ですが、楽器をやる人は文系であるとともに理系の素質が大事だと思います。少なくとも、感性を大事にしつつ、論理的・分析的であった方が良いと思います。そして、実はタスク管理にも同じことが言えると思っています。

 

発想と論理を行きつ戻りつ

楽器を演奏する場合、特にクラシックであれば必ず楽譜を見てやります。そこに書いてあるオタマジャクシを読み取って、指定されている高さ・長さ・強さで音を出します。紙に書かれたプログラムのようなものです。

 

そして、いったん音に出したり、音感のある人は楽譜を頭の中で鳴らして、そのフレーズを解釈します。ここがプログラムと違うところです。

 

楽譜に書いてある情報は、実は演奏に必要なレベルの50%も無いのではないかと思っています。それは楽譜が不完全なものということではなく、そういうものなんですね。

 

例えば、「f(フォルテ:強く)」と書いてあっても、どのくらいの強さで音を出せば良いかは奏者側の解釈に委ねられています(たまに「オーケストラを吹き消してしまうくらいに!」とか細かく楽譜上に指示してくる作曲家もいますが)。

 

つまり、次の手順で演奏は行われるものだと言えます。

  1. 楽譜という記号を読み取る
  2. フレーズを解釈する
  3. 解釈した結果を演奏に反映させる

 

このうち、1.と3.が理系的な思考、2.が文系的な思考が必要だと思うのです。前者は論理的に考える。後者は自分の感性を頼りに発想する。演奏は理系と文系を行きつ戻りつしてやっていくものなんじゃないかと考えています。

 

タスク管理も同じ感覚で進めています

GTDも、発想と論理的思考を使っているなぁと思っています。「把握」「見極め」「整理」「選択」「更新」という5つのフローに従って考えます。

 

把握

これは私の中では論理的な作業ではないことが多いです。「これお願いします」と言われたものはべつですが、頭の中にあるモヤモヤしたものを書き出すという作業は、ある種創造的なものという気がしています。

 

見極め

見極めにも「①目的の明確化」「②具体的な手順の明確化」という2つがあると考えています。

 

①は、頭の中のモヤモヤを捕まえて把握したタスクを、具体的な言葉に表現します。「おいしいパン」と把握されたものを「駅前の神戸屋でクロワッサンを買う」と明確化します。

 

②は、神戸屋でクロワッサンを買うための具体的な手順を書き出します。駅を降りて、神戸屋に寄って、クロワッサンを買って、家に持ち帰る。そんな具合です。

 

①では「自分は何がしたいのか?」という自問になり、発想を言語化する文系的な思考をしていると思います。

 

②では、①で明確になったテーマを達成するのに必要な手順を洗い出す、どちらかというと論理的・分析的な思考をしていると思います。

 

選択

出揃ったタスクからどれを実行するか、がこの「選択」です。優先順位付けのロジックがあればそれに従うのですが、どのロジックを使うかは、実は割とそのときの気持ちで決めているときもあります。

 

あらかじめ一直線で実行順にタスクが並んでいるときはさほど頭は使いませんが、その場で優先順位を慎重に選ばざるを得ないときは、もしかしたら感覚的な脳の使い方をしているのではないかと考えています。

 

更新

タスクが実行された後の状態をツールの内容に反映させる「更新」は、文系的・理系的というよりは、頭自体をさほど使わずにする作業という印象があります。

 

最後に

こうしてそれぞれのフローをしていくと、文系的な思考と理系的な思考を相互に繰り返しながらタスクの管理を進めていっていることが分かります。

 

私は楽器の演奏を人に教えるときがたまにあります。そのときには必ず両方の表現を伝えるようにしています。「ここはもっと盛り上がる感じで。具体的に言うと、この小節の3拍目から4拍目まで少しずつ大きく」といった言い方です。

 

演奏もタスク管理も、理系と文系の両方の思考があるといいなと実感しています。