人間関係のお悩み相談に、タスク管理思考で返した話。
会社で管理部門の仕事をしていながら、週一回、障害者就労移行支援事業所EXP立川というところで講師をしています。
HPはこちら↓
ツイッターアカウントはこちら↓
先日、こんな講座を行いました。
本日は、障害者就労移行支援事業所EXP立川@exp_ship で「しくじり先輩&ガチトーーク!」講座を行います。
— 小鳥遊@5/19イベント (@nasiken) 2019年4月4日
・小鳥遊のしくじり経験
・タスク管理に救われた経験
・たっぷり質疑応答
タスク管理は発達障害に役立つ「構造化」に酷似しているんです!
紹介記事はこちら↓https://t.co/VIaNVr22aq
午後の「ガチトーーク」で、こんな質問がきました。
相手に非があるのにそれを認めない時の諭し方を教えてください。
人間関係のガチなお悩み相談です。一見タスク管理とは違う世界の話に思えるかもしれません。
しかし、タスク管理、特にGTDは設定された課題を成し遂げるための技術です。人間関係であっても、社内のレイアウト変更であっても、課題であることには変わりありません。
そして、私はこのようにお答えしました。
- 自分と相手の間で非がある・ないの話はいったん脇に置く
- その話の先にある目的をいったん考えてみる
- その目的を達成するための手段を別に考えてみる
アウフヘーベンの考え方を説明
アウフヘーベン
《名・ス他》あるものを、そのものとしては否定しながら、更に高い段階で生かすこと。矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること。止揚。揚棄。
▷ ドイツ Aufheben
例えば、会社が製造した物の保証書を出すのに、お客様の住所を知る必要があったとします。担当者が知っているはずだということで、保証書作成者である自分は担当者に「お客様の住所を教えてください」と連絡します。
担当者が「いや、それはすでにメールで伝えたはずだ」と言ってきたとします。そのメールが見つからず、「いや、無いんですが…」と答えても、「いやいや、ちゃんと調べてよ!」と言われるばかり。
「メールを送った」「受け取ってない」という問題にとどまっていますが、本来の目的はメールを送ったかどうかの白黒をはっきりつけることではなく「お客様に保証書を発行する」ということですね。
そこで、「では、顧客データベースを調べます」と自分が伝えれば、メールを送ったかどうかについてやりとりを続けることなく、保証書がお客様へ発行できるわけです。
現実にこういったやりとりになるかどうかはともかく、卑近な話ですがアウフヘーベンはできているんじゃないかと思います。
タスク管理の考え方で説明
さらに話を進めて、「これをタスク管理の考え方で説明すると……」と続けました。タスクの目的を「お客様に保証書をお送りする」と設定すると、「住所の情報を担当から受領」というのはサブタスク候補の1つでしかありません。
そのサブタスクが実行不可能な(住所を担当から教えてもらえない)のであれば、別のサブタスク「顧客データベースを確認する」を設定すればいいですね。
タスク管理の枠組みで考えれば、難しそうな概念も簡単に理解できる印象を受けませんか?
最後に
アウフヘーベンは、ヘーゲル弁証法の根本概念なのだそうです。そこまで勉強していなくても、タスク管理の考え方を利用すれば、なにも難しい概念を持ち出すまでもなく、「サブタスクが実行不可能なら、別のサブタスクでタスクの目的を達成する」と考えることができます。
ガチトーークで出た、おそらく人間関係に関する質問に、タスク管理をベースにした思考法で答えた一例でした。