ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

気遣いの作り方

こんなツイートをしました。



当たり前だと思うかもしれませんが、改めて考えると、「あの人」のことを思って自分の予定を調整するという点で、気遣いにあたると思うんですね。

 

後工程はお客様」という言葉があります。これは、たとえ社内や身内であっても、自分のした仕事を受け取ってその続きをする人がいたら、その人はお客様だと思いましょうということです。皆がそうすることで、仕事がスムーズに流れるわけですね。後工程はお客様だと考える根底には、他人への気遣いがあると思います。

 

逆に、後工程はお客様と考えない、つまり気遣いがないのはどんなときか考えてみます。

 

パッと思いつくのは、締切ギリギリになっていきなり仕事を渡してきて、「これ、なる早で」と言ってきたりする輩(やから)ですね(笑)

 

その仕事全体のスケジュールが劇的にタイトならしょうがないですが、自分のところで暖めまくったあげく「なる早で」と言ってくるのは、もうちょっと気遣いがあって然るべきだと個人的には思います。

 

では、気遣いができない人にならないためには、どうしたら良いか。

 

その仕事にどんな人たちが関わっていて、その人たちがどんな順番で行動していくのかを把握した上で、自分の行動に費やせる時間を考える

 

これが具体的な対策だと思います。

 

自分のところに仕事が回ってきた時点で、これから先、誰がどんな風に仕事に関わっていくかをイメージする癖をつけるといいかもしれません。

 

自分の事情だけで仕事を進めていると、もしかしたら「もっと早く進めて欲しかった」と言われたり、逆に「そこまで早くしなくてもいいよ」と言われたりすることがあるかもしれません。

 

「気遣いや配慮を持って仕事をしよう」という言葉は、まるで標語のように語られがちです。より具体的な行動に落とし込むと、例えばこんな感じになるのではないでしょうか。

 

経験から言って、後工程を意識して自分の仕事の締切を考えることは、後工程を担当するあの人のためになるだけでなく、自分も落ち着いて仕事ができる結果もついてくるような気がします。

 

対応待ちタスクをリストに表示させる必要性?

こんなご質問をいただきました。

 

タスク管理マニアとして垂涎モノのご質問。ありがとうございます!

 

たしかに、TODOリストにはTODO、つまりやることがリスト化されて並びます。やらないことは並ばないということですね。

 

では、なぜタスクリストに対応待ちのタスクを入れるのか。いったんはこのようにお答えしました。

 

タスク管理でいう「リスト」には、「オープンリスト」と「クローズリスト」があります。例えば、たくさんのおでんダネが入った鍋がオープンリスト、鍋からさしあたって食べる用に取り分ける取り皿がクローズリストです。

 

私は、ここでいう「タスクリスト」をオープンリストとしてお話ししています。全部入っているから、相手対応待ちであろうとなかろうと、自分が関わるタスクはあるわけです。

 

というのがまずはお答えになりますね。

 

さらに、自分が関わるタスクは、ゆくゆくは自分の行動が必要になるタスクになるのです。だから、今のうちからその動向を見ておいた方が安心であるというのも、対応待ちタスクをタスクリストに入れる理由になります。

 

また、そもそもTODOリストは「これをやる」が列挙されているものですが、そこに「これは(さしあたって)やらなくていい」という情報も乗っかっていた方がより安心しませんか?

 

そんな感じで、対応待ちタスクも目に入るようにしていたいなと思っています。

 

もちろん、そのことで目に入るタスクリストの項目数はかなりの数になることがあり、その膨大なタスク数に嫌だなと思うことはあるかもしれません。そこらへんは完全に好みですね。

 

いずれにしても、より自分が安心できるタスクリスト作りをしていきたいものです。

 

増えていくTODOへの対抗策

仕事タスクを管理する上でのあるあるに、

 

TODOリストが膨大で見る気がしなくなる

 

というのがあります。

 

この状況への対抗策について、ちょっとお伝えしたいと思います。

 

TODOリストにあるタスクを一挙に終わらせるといったものではありません。それができたら苦労はしないですよね。見た目を工夫します。

 

それぞれのタスクが、今自分が止めているか、誰かの対応待ちなのかを明確にするというのをぜひお試しいただければなと。

 

今自分が止めているタスクの横にマルでも付けると良いかと思います。

 

マルが付いているタスクとそうでないタスクに分かれたと思います。そこで、マルのついたタスクだけ意識するようにします。実質、気に留めなければいけないタスクはマルのついたタスクだけ。

 

どうでしょうか。割と減ったんじゃないでしょうか。

 

会社等の組織で働いていると、あの人からこの人、またあの人に、という具合に、パス回しのようにして仕事が進むことが多いと思います。そうであれば、自分のところで持っていない仕事も相当数あることに。

 

TODOリストは、自分が抱えている仕事を一覧できる点では便利なんですが、いかんせん、そのリストの長さを見て嫌になることも多いかと。

 

だからといって、一気に仕事を減らす魔法は無いわけです。そうなると、見た目少なめにすることで、精神的負担を減らすのが有効になってきます。

 

とりあえずはマルの付いたタスクだけ気に留めておくことで、「うわぁ、こんなにある」感を少し減らすことができるんじゃないでしょうか。

 

ところで、こんな人がいます。

 

「全部のタスクにマルが付いちゃうんですが!」

 

真面目で責任感がある方によくこの傾向が見られます。

 

全部マルが付いたまま粛々と仕事をするしかないという環境もたまにありますが、仕事のしかたを見直す良い機会かもしれません。せっかく組織やチームで仕事をしているのに、他人に適切に仕事を振れていない可能性があります。

 

「この部分は誰々に任せよう」

 

「このチェックは上司に手伝ってもらおう」

 

といった具合に、人を巻き込んで仕事を進めていくことができるようになるかもしれません。

 

そんな可能性も秘めている、タスクの横のマル付け。ささいな工夫かもしれませんが、仕事の効率化、ひいてはストレスフリー化に貢献してくれます。

 

なお、「止めているのが自分から相手に移った」「相手が対応してくれて自分がやるステータスになった」といったことがあれば、きちんとマルを消したり、マルを付けたりすることをお忘れなく。

タスク情報は完全でなくてもいい

タスク管理(習得支援)ツールまで作っておいてなんですが、タスク管理ツールへのタスクの登録は不完全でもいいと思っています。

 

BACKLOG(バックログ)という手法があります。すでに発生しているタスクはさておき、これから発生するタスクのみを書き留めていく(ツールに入力していく)というものです。

 

この場合、過去発生したタスクは捨てています。それでもいいんです。あまり言い切ってしまうと抵抗がありますが、これから発生するタスクのみ入力していけば、いつかは「抱えている全タスク」をツールに入れられるという考え方に基づきます。

 

また、個々のタスクの情報も、不完全でいいのでとにかくツールに何かを残すことをお勧めします。私のタスク管理手法でいえば、①タスク名を付けて②手順を書き出しますが、まずはタスク名を入力するだけでもまずは上出来だと考えるようにしています。

 

では、そのままで良いのかというと、そうではありません。そのタスクを実行していくうちに、一手先二手先の手順が次第に分かっていきます。そうなったら手順を書き入れれば良いのです。「分かる範囲で書く」という姿勢は、タスク管理のハードルをずいぶん下げてくれるのではないでしょうか。

 

巷には、とても機能が充実しているタスク管理ツールが多くあります。それらの機能を使いこなせれば、相当効率的でストレスフリーに仕事が進められるでしょう。

 

ただ、これからタスク管理を始めようとする人は、その高機能さが逆に壁となって立ちはだかることがあるようです。「こんなこともできます!」「あんなこともできます!」というアピールポイントに惹かれるも、その機能を使うまでにたどり着かないという塩梅です。

 

私は決して高機能なタスク管理ツールを否定しようとしているのではありません。ただ、タスク管理初心者には、例えば手帳とペン、Excelやspreadsheet、あるいは機能を絞ったタスク管理ツールをお勧めしています。まずはハードル低く、簡単にできそう!というところから始めることが大事だと思っています。タスク管理の最大の敵は「面倒くさい」「分からない」という感情です。そこをできるだけ刺激しないように軌道に乗ることができれば、あとはどんなに高機能なタスク管理ツールでも比較的抵抗なく使えるようになるものではないでしょうか。

 

そのためには、タスクを完全な形でツール等に入力しなければ!という完璧主義をなくして、「タスク名だけでもいい」「手順も分かる範囲でいい」というレベルで良しとすることが、タスク管理をマスターする近道になるのではないかと考えています。

相手都合で締切が変わるタスクへの対処

こんなツイートをしました。

 

私はこの手法を重宝しております。が、使いようによっては悪手になりかねないので、よく気を付けてお読みいただければと思います。

 

バリバリの管理職ではないという制限がかかってしまうのですが、誰かへパスした仕事がパスしたそのままでも許されるときが割とあります。

 

例えば「資料作って」と言われて「はいっ」と資料の原案を作って返したとします。それっきりなしのつぶてで、「あの資料、結局どうなった?」と聞くと「ああごめん、あれ結局使わなかった」みたいなこともあるわけです。

 

それならそうと一言いってよ!とは思いますが、このタスクは相手が止めている状態で放置しても良かったのですね。

 

そんな感じで、進捗させる責任が完全に相手にあるタスクは、いったん相手に仕事の主導権を渡しさえすれば、あとは投げたボールが帰ってくるのを待っているだけでいいということになりますまいか。

 

これは一歩間違えば「あとは野となれ山となれ」的な無責任な行動につながりかねないので、進捗させる責任が本当に完全に相手にあるのかは慎重に判断しなければいけないと考えています。相手が動かないでいるうちに多方面に大きな迷惑がかかるのが明白であれば、相手の尻叩きをしなければなりません。

 

冒頭で「バリバリの管理職ではないという制限がかかってしまう」と書いたのは、結局そのタスクの進捗責任を自分が(部分的にでも)負っていることが多いためです。

 

そもそもこの考え方は、自分が止めている仕事タスクを少しでも進めるための工夫に過ぎません。会社全体から見れば、タスクが誰かのところで滞留するという、あまり歓迎できない状況につながりかねません。

 

自分の役割を意識しつつ、時に応じて(タスクを止めている)相手にリマインドしながら、上記の手法を駆使して、より効率的・快適に仕事が進められるようにすると良いと思います。

タスク管理ユーチューバーやってます。

何気にユーチューバーやってます。

 

「タスク管理大全」というサイトのYouTubeチャンネルがあり、そこで毎週喋っています(よろしければチャンネル登録をお願いします!)

www.youtube.com

 

おかげさまで登録者も800名を超えております。毎日のように登録者が増えており、その増えていく様子を見るのが楽しいです。

 

そもそもタスク管理というニッチな分野に特化したYouTubeチャンネルがあること自体がかなり奇特な状況だと思いますが、私たちはかなり真面目に情報発信をしております。なぜなら、タスク管理は誰にでも必要なスキルであり、習得した人を助けてくれるものだと思っているからです。

 

私が「タスク管理」と言っているもののベースは「GTD(=Getting Things Done)」という考え方です。このブログ名のもとでもあります。2001年にデビッド=アレンという人が考え出した「成し遂げる技術」です。

 

そのデビッド=アレンが言うに「GTDは教育の1つとして全員が習得すべき」とのこと。これはもう本当にその通り!と声を大にして言いたいです。

 

「この話を通すにはシステム部の部長に下話をしておかないといけない」みたいな、とある業界の、とある会社でしか通用しないスキルばかり身に付けても、もし転職すればそのスキルは役に立ちません。「ポータブルスキルを身に付けよう」とはよく言ったもので、どの業界のどの会社や職場に行っても通用するスキルをどれだけ身に付けられているか。それが今後は特に大事になっていくのではないかと思います。

 

とはいえ、タスク管理習得の方法にこれといった王道は無いといって良いのではないでしょうか。誰しもが認める「タスク管理の教科書」のようなものは無い(はず)です。そもそも、「タスク管理」という言葉が、誰しもが知る言葉ではなく、その知識を定着させるための体系化もされていないのです。

 

だからこそ、私も含む一部のタスク管理に魅せられた人たちが情報発信をせっせとしているわけです。

 

まさに草の根レベルの運動ですが、それだけに余白は十分にあると考えております。

 

応援(チャンネル登録、閲覧)のほど、よろしくお願いいたします!

2021/9/18開催!「自分は要領がよくない、と思い込んでいる人のための仕事術」オンライン講座

来る9月18日に下記のオンライン講座を行います。

store.jmatsuzaki.com

 

こちらは、30回以上開催した講座「自分は要領がよくない、と思い込んでいる人のための仕事術」の流れをくむものです。過去の講座情報についてはこちらにまとめてあります(ちょっと情報が古いですが)。

fta7.net

 

以前と同じく、「ひらめきメモ」のF太さんと一緒に講座を行います。共同執筆した「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」をベースに、書籍内で紹介した「手順書」の作り方が身に付くよう、ワーク多めの内容の講座となっています。

 

ピアノの弾き方を本でいくら読んでも、手を動かさなければ弾けるようにはならないように、「技術」をいくら読み込んでも、実際に手を動かさなければ身につきません。

しかし「仕事術」といわれるようなもののほとんどは、本で読めばすぐに役に立つ、と思われがちです。しかし実際には仕事術やタスク管理もスポーツや音楽と同じで、手を動かしてはじめて身につくものです。

そこでこの講座では、たっぷりとワークの時間を設け、講座の中で実際に手順書をつくっていただきます。

この講座に参加していただければ、「あとでやってみよう」でやらずじまいになることなく、実際に手を動かすことで手順書づくりの感覚まで、身につけていただくことができます。

ごちゃっとした頭の中がスッキリして、やるべきことがクリアになり、そしてなにより、仕事の手順書が手元に残ります。

 

世に「仕事術」と言われるものはたくさんありますが、実際どこまで実践にできるかという問題が残ります。上記で書いてあるように、ある仕事術を紹介された文章だけ読み、それで満足してしまう、ということはないでしょうか。

 

もちろん、それを知っているだけでも大きなメリットにつながります。ただし、私たちが書籍でご紹介した「手順書」は、ぜひ手を動かしてつくってみて欲しいのです。体で実感して欲しいのです。

 

というのも、この仕事術、言い換えれば「タスク管理」は、ある程度手間がかかるものだからです。私個人の考えですが、仕事を無理なく進められるようになるには、自分のある程度の手間との引き換えが必要になります。

 

「タスク管理というものがある」と知っただけの状態と、実際に手順書を作ってタスク管理を肌で経験した状態では、おそらく違うのではないかと思います。「ああ、これくらいの手間はかかるよね」と、自分の心の準備ができる、と言いますか。

 

そういった意味で、ワークで手順書をつくっていただく機会を設けて、いろんな意味で「手順書を作るのってこういうことなんだ」と腹落ちしていただく。そのことが、手順書づくり=タスク管理を継続できるカギではないかと思っております。

 

参加対象人数が10名様と、以前開催していた80名規模の講座から規模は小さくなっております。その理由は、手順書を作り、そしてその後にたっぷり時間をとって分からない点などをご質問いただくというのを想定しているからです。

 

こちらのブログを書いている時点でまだ席に空きはある(はず)ですので、よろしければお申込みいただければと思います。

store.jmatsuzaki.com