ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

細かいタスクまで落とし込む実例

契約書の文章を吟味する仕事があります。

私の日常業務です。

依頼者から「もうちょっと相手方に対しては強く出たい。守秘義務をキツくしたい。」といった要望があります。

法務職としては、これを具体的な文章として、紙に落とし込む必要があります。

要望を言われた時点で「ああ、はい、分かりました」と言ってしまうのはちょっと早い。

私は「具体的にはどうしましょうね?」と返すことにしています。理由は2つ。

1つめの理由は、すでに加筆したり修正する必要が無い場合があるからです。

不正競争防止法についての禁止事項を明確にしたい」と言われた時は「守秘義務の条項に⚫︎⚫︎⚫︎と具体的に書いてあります。」と説明しました。
さらに「でも、それに対して損害賠償を請求できるように書き足して欲しい」と言ってきたので「損害賠償条項でそれはカバーできるので大丈夫ですよ。」と説明。

修正が嫌なのではなく、相手方との無駄なやりとりを減らすために、このようなやり取りをします。

もう1つの理由は「次に取るべき行動」という細かいタスクまで落とし込むためです。

「では、この守秘義務の条項に、相手方の従業員が退職後に秘密を漏らした時の罰則も入れましょうか」

「この製品については、うちの会社からのみ買うようにする条項を入れましょうか」

「代金の全額を支払ってはじめてうちの売り物の所有権が相手方に移転するようにしますか」

等々。

最後に、上記を「〜〜ということでよろしいですか?」と、ダメ押しで確認します。

あとは、自分のタスク管理表に上記作業を入力し、その通りに条文を修正するだけです。

「もっとキツめでお願い」「はい分かりました」で終わったら、色々わからない部分がある中、条文を修正しなければならなくなり、とても不安になることと思います。
さらには「考えていた内容と違う」と言われてやり直しという無駄な時間と労力も発生することも。

行動可能なレベルまで細分化して、「次に取るべき行動」を決める。
このGTDの基本中の基本をやるかどうかで、業務効率が変わるという実例でした。