ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

タスクは成熟しないうちに投げろ!

「ああ!ボールがどんどんたまっていく!」
会社のとある営業部門長の叫びです。

 

とある取引先から、割と変則的な契約書作成の依頼を持ち帰ってきたようで「小鳥遊さんよろしく」とメールが送られてきました。一読して、これはあとあと面倒くさくなりそうだという勘が働きました。勘と言いますが、これには分かりやすい根拠がありまして、そのメールの宛先には上位職の方々や技術部門やら購買部門やら、とにかく他部門のいろんな人が入っていたからです。たくさんの人がヤンヤヤンヤと口を出してきて、まとめる人が大変になるパターンだ!と。

 

これは先手を打っておいた方が良いと思いまして、「メールの内容を参考に下記条件のもと契約書案を作成しました。これを叩きに、修正すべき事項がありましたらおっしゃって下さい」という内容で、ダダダッと契約書案を添付してメールを全員宛てに送りました。冒頭の営業部門長さんの叫びは、そのメールを受け取った時のものです。

 

投げないからボールはたまる
当たり前ですが、ためてしまう人はボールを投げません。手元であたため続けます。投げてしまえば自分の手を離れるのに、どうしたら良いか判断を先送りにしてしまい、投げないで持っていてしまうんですね。

 

これとは別に、投げたいけど大きすぎて投げられないという場合もあります。いずれにしても、投げない。投げないからたまる。

 

大きすぎるボールを投げられるようにする
投げるには大き過ぎるボールを持たされた場合、投げられる大きさまで分割するのが鉄則だと思います。

 

例えば、打合せでたくさんの課題をもらった場合、いくつかのポイントに分けますよね。その分け方を間違うと、投げられる小ささまでボールを分割できずに、そのいくつかに分けたポイントですら目の前にして、じっと腕組みをして考え込んで動けない状態になってしまいます。

 

投げられる小ささという比喩を理解するのは難しいですが、私にとっては、とにかく具体的な一動作レベルまで一旦分解するということになります。メールを出すにも「PCを開く」「PCを起動する」「メーラーを起動する」「メール新規作成ボタンを押す」「宛先の名前を書く」「『お疲れ様です。小鳥遊です。』という定型文を書く」といった感じです。

 

明らかにやり過ぎ、細かくし過ぎですが、これくらいやろう!という姿勢が大事です。このくらい分解しないと自分は動かないものだと思うことが重要なんじゃないかと思います。

 

投げたらとりあえずおしまい
そうやって投げたボールは、もう自分の手を離れます。そうしたらもうこっちのものです。いろいろ面倒臭い意見や条件などが加わってくる前に、先に誰かに振ってしまうのが良いと経験上思います。「とりあえずおしまい」タスクの割合をどれだけ多くできるかが、気持ち良く仕事ができるかではないかと考えています。

 

おしまいタスクばかりでストレスフリー
「いったんおしまい」タスクで埋め尽くされたリストを見ると、リスト自体は膨大ですが、実質自分が背負込んでいるタスクはわずかであることが分かります。それが分かると、スーッと胸のつかえがとれるような、そんな爽快感、解放感を味わうことができます。これが「ストレスフリー」でありGTDの目指す「水のように澄みきった心」であろうと思います。この感じ、一度味わったら病み付きになることうけあいです。どんどんボールを小さく分けて、ボンボン周囲に投げましょう!