ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

セーフティネットとしてのGTD

ビジネス本、自己啓発書の類はたくさん出版されてきており、今もなお新たなものが出版されています。ニーズがあるから出版されるわけですが、ビジネス本のターゲットはどの層なのか。そして、私が届けたいのはその層ではないという話をします。

 

ビジネス本の類のターゲット層

ビジネスや自己啓発書を手に取るのは、もうその時点で自分を高めたいという意欲に満ちた人です。ちょっと後押しすれば、仕事でより多くの成果をあげたり、より快適な暮らしを送れるようになれる人たちです。

 

そのような、いい意味で意識の高い人たちは、自分で書店に行き、または電子書籍を検索して、自分の目的に合う本を見つけようとしている時点で、すでに大きな壁を乗り越えています。自分をより高めるには何かが足りないという危機感があり、それに対して行動を起こせているからです。

 

私がGTDを伝えたい層

私が是非GTDを実践して欲しい層は、上のような意識高い人たちではありません。何らかの理由で自分の能力に限界を感じて社会生活を半ば諦めている人たちが、私がGTDを伝えたい人たちです。私の中では、数年前の私をいつも頭に置いています。

 

簡単な仕事が満足にこなせず、社会人失格だと自分を責めて、人並みの生活をしたいという意欲や自信すら失っていく失意の中では、とても自己啓発どころではありません。発達障害の診断を受けたこともあり、障害者雇用の求人票に書かれている低賃金を見ては、家族を持つことや趣味を楽しむことも許されないのではないかと思い悩んだものです。

 

セーフティネット

ハンディキャップを持った人にも等しく社会で生活を送れるようにする仕組みをセーフティネットと言いますが、発達障害、しかも軽度の人に対しては、安心して暮らせる仕組みが無いというのが私の印象です。それなのに、障害者雇用は簡単な作業の低賃金労働の案件ばかりなので、私のような者は「頑張って一般雇用で健常者と戦う」か「障害者雇用で経済的にカツカツの状態で生きていく」の選択を迫られるわけです。

 

頑張る

一般雇用で頑張るを選択した私は、当たり前と言えば当たり前ですが、自分の能力の限界の壁にぶち当たり、2回ほど倒れこみました。そこで、自分の能力の限界を思い知り、能力自体を強化するのではなく、なにか補助的なもので拡張しようと思い、エクセルで仕事管理表を作り始めたわけです。

 

タスク管理がセーフティネット

ということで、このエクセルの仕事管理表がタスク管理「GTD」の方法論と似通っていたこともあり、自分にとってのセーフティネットとしての役割を果たしてくれました。今では当たり前のように毎日会社に通勤していますが、このタスク管理ツールが無いと何もできません。

 

自分にとってのセーフティネット

この経緯から、自分の能力の限界を否定して虚しい努力を続けるよりも、適切な補助的な何かを利用して、私の場合はタスク管理であり_私と同じような人の大部分にとってもタスク管理は助けになると思いますが_公的な援助を受けられない分、自分で作り出さなきゃいけないのではないかと思います。

 

ということで、頑張れば社会人としてまっとうにやっていけそうなのに限界を感じて諦めかけている方には、タスク管理「GTD」をお勧めしています。