戦(いくさ)とタスク管理
戦いに出る日々
「家をいずれば七人の敵あり」という言葉があります。戦国時代では、戦さ場に陣を張り、戦況を見極めて、次の一手を考えます。そして時機を見計らって討って出ます。その戦法が功を奏したり、もしくは奏しなかったりと何らかの結果が出れば、また新たな次の一手を考え実行します。ひるがえって考えると、我々も、仕事場という戦場で、常に仕事相手に丁々発止のやりとりをしているわけですね。
陣に戻るタイミング
例えば、そんな戦場で、孤軍奮闘しているが明らかに戦況に不利な動きをしている部隊がいたとしましょう。なんと声をかけますか。もちろん「退け!退け〜い!」ですよね。間違っても「前進あるのみ!」ではないですよね。あるいは、まず今指令している作戦を完遂したときには、一旦その後の指示を大将に仰ぐべく、伝令を飛ばしたり帰陣します。つまり、作戦が失敗か成功するか結果が出たら再度采配を振り直すわけです。
陣=タスク管理ツール
この場合、戦況を見極めたり、戦さ場の情報を収集する本陣は、いわばタスク管理ツールであると考えられます。タスク管理ツールには、自分が戦っているあちこちの小競り合いの現在の状況が反映されているはずで、それらを踏まえて、総大将である自分が「次はここをこう攻めよ!」などと指示を出すことになります。「申し上げます!東の山にて敵方と斬り合いになっております!」「申し上げます!北に敵勢が迫ってきております!」といった、時代劇や大河ドラマでよく観る光景が、タスク管理ツールであると考えられます。
GTDの「見直し」プロセス
時事刻々と変化する戦の状況をできるだけリアルタイムに把握することはとても大事ですね。我々の仕事で言えば、それぞれの仕事がどのように進捗してあるのか、あるいは進捗していないのかを把握することであり、それはGTDで言う「見直し」というプロセスに他なりません。大阪夏の陣で、真田・毛利隊に攻められ、もはやこれまでと切腹しようとした徳川家康が、豊臣秀吉の馬印「千成瓢箪(せんなりびょうたん)」が大阪城へ帰って行くのを豊臣方の兵士たちが見て自軍が退却していると勘違いし弱気になる、という動きを察知して形勢を逆転させたように、自分の戦場の情報を絶えずアップデートする「見直し」はとても大事なものになります。どのタスクも抜かりなく「見直し」をして実行したいものです。