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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

衝動からの自由

タスク管理の巨人によるトーク番組

タスク管理界隈の巨頭、佐々木正悟さんと倉下忠憲さんによるトーク番組「のきばトーク」第28回を聴きました。お題は「自由について」でした。

 

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自由は1つじゃない

私の断片的な理解で話してしまうのですが、自由には「自分が自由だと認識している自由」「世間で一般的に自由と定義されている状態」は違うという話がありました。パートナーから「自分以外の異性と食事に行かないで!」と言われている人は、恋愛中はそれを不自由と捉えずにいるが、第三者から見たら不自由ではないか、といった類の話です。本人は自由だと思っているのに、一般的な定義に照らすと不自由と言わざるを得ないという状態です。

 

タスク管理は不自由か?

管理という言葉から連想されるのは「自由」よりは「不自由」ですよね。第三者からすると不自由感は否めません。タスク管理の本質は、仕事の内容を定義して、その具体的な行動を明らかにすることであり、「何をやってもいい」から「これをすべき」に変えることなので、不自由感は増しますね。

 

衝動からの自由

発達障害の特徴に衝動性というものがあります。目に入る仕事に全て反応してしまい、どれも手付かずになってしまったりします。

 

この衝動に従って行動すると、非常に困ったことになります。元の仕事を完遂する前に他の仕事に着手してしまい、元の仕事のことがおろそかになり、抜け漏れ発生の温床になってしまうからです。

 

タスク管理で、今やるべきことを明確にすれば、この衝動性はかなり抑えられます。私の経験からだと、それでも衝動的に突然他の仕事に手を付けてしまうことはありますが、「いや、これは今やるべき仕事ではない」と引き返したり、他の仕事をやり終えてから安全に元の仕事に戻ることができたりしています。

 

これは、タスク管理は、私から「衝動的に他の仕事をやる自由」を奪っている、ということにならないか?という疑問が湧きました。タスク管理による不自由感ですね。

 

これに対して私は、この衝動というものは決して自分の自由意思ではなく、例えば向こう岸に渡ろうとしているのに川の流れに引きずられて流されていってしまうといった自分の自由意思を邪魔するものだと思うことにしました。

 

発達障害の特徴としての衝動性の話でなくても、一般にタスク管理に対する不自由感はこのようなものが根源にあるんじゃないかと思っています。宿題をしなきゃいけないのにテレビを見たい、ゲームをしたいというのは自由意思とも言えますが、自分の目的達成の壁とも言えます。

 

この目的達成の壁を取り払ってくれる仕組みがタスク管理だと考えると、タスク管理の不自由感はなくなるのではないでしょうか。

 

私にとってタスク管理は、衝動性からの自由、本当にやりたいことをするという自由を実現してくれる強力な存在だと考えています。