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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

仕事のはやさの本質は「手の速さ」ではない

私の周りの仕事がはやい人

仕事が速いなって人、いますね。手が4本あるんじゃないかって思うくらいに、あっという間に片付けてしまう。私が以前勤めていた会社に、それこそ優秀・スマートを絵に描いたような人がいました。かなりの負荷が彼にはかかっていたはずなのに、本人は涼しい顔をして、毎日のように仕事後に呑んでいました。

 

曰く「いつもは、自分のキャパシティの7割くらいしか使っていない」とのこと。なおさらびっくりしました。7割しか使っていないのに、自分よりも遥かに速く仕事を片付けて、しかもそのアウトプットは正確で、上司の覚えも良いのです。魔法か何かを使っているとしか思えませんでした。

 

タスク管理で見えた「仕事のはやさ」

それから10年近く経ち、私は紆余曲折(艱難辛苦とも言いますが)ありタスク管理を実践するようになりました。すると「仕事がはやい」ことの本質が自分なりに分かるようになりました。

 

ズバリそれは「着手するのが早い」だけなのです。これだけです。実際、タスク管理を実践するようになって、どんくさい私でも仕事がはやいと言われるようになりました。その理由は、いきなりPCの入力が速くなったり、仕事の知識が膨大に増加したり、一度に2つ以上の仕事を処理できるような人間離れした能力を獲得したということではありません。ただ1つ、タスク管理で仕事にすぐ着手できるようになったからです。

 

着手を早めるメカニズム

逆に、着手できない状況はどうだったのか、以前の私を思い返してみました。

 

依頼された仕事を目の前に「さて、どうしたら良いものか……」と固まってしまうことが多々ありました。この後には決まって、「…うん、とりあえず後にしておこう」と先送りをします。

 

そうなると最後、もうその仕事には締切直前にならないと手を付けません。仕事の着手が遅く締切直前になってやっと始めるので、慌ててその仕事をやります。当然、やっつけ仕事になり、正確さも二の次にして締切に間に合わせることだけを考えなければいけないという、非常にストレスフルな状況で仕事を遂行するハメに陥るのです。

 

まずは、目の前の仕事にがっぷり四つに取り組んで固まるのではなく、分解して手を付けやすくなるまで小さくします。それだけで着手できるようになります。タスク管理界隈では当たり前の話ですが、なかなかこれを励行するのは難しいです。難しいですが、これを習慣にできると、とても楽になります。仕事がはやいと言われるようになります。

 

私なりの仕事が早い人像

タスク管理をするようになって、自分なりの「仕事が早い人」像を具体的にイメージできるようになりました。「すぐに着手して、細分化された自分のやるべきことが終わったらすばやく誰かに放り投げる人」です。

 

ちなみに、冒頭に書いた仕事がはやい人とは、以前勤めていたその会社を退職してからそれっきりなので、結局今でもその人の仕事が速い理由は分かりません。もしかしたら、本当に魔法使いだったのかもしれません。でも、私は魔法使いにはなれませんし、なろうとしてはいけないと思いますので、とにかく早く着手して、その仕事のボールをバンバン周囲へ投げつけていこうと思います。