忙しい風な人になってはいけない
忙しくしてます!
社会人の「オトナ語」のような使い方をされる「おかげさまで忙しくさせていただいております」。忙しいことは今の時代完全に良いこととされていますね。忙しいのは仕事がある証で、仕事は「させていただく」もの。だから、忙しいのは幸せな証拠。だから、さぁ働こう!ということなんでしょう。確かに、働きたくても働けない人たちからすれば幸せな環境です。働いて価値を生み出し社会へ還元するのは良いことだと本当に思います。
私たちの年代が就職活動をしているころに流行った言い回しに「自己実現のために仕事をする」というものがあります。当時の私はその意味がきちんと分かって使っていたかというと全く自信がありません。当時の新卒世代もほぼ皆そうだったのではないでしょうか。
自己実現とは?
自己実現を辞書で引くとこのような説明がされています。
K.マルクスの概念。人間の合目的な生産活動の過程で,ある対象に働きかけ,それを獲得しながら,人間としての豊かな自己の能力や個性を実現させていこうとするもの。
自分の個性や特徴を活かしましょうという部分が大事でして、言ってしまえば自分の強みが分かってこそ自己実現をする・しないの岐路にやっと立てるわけです。自分の強みを活かして何かができるのは大変な喜びなので、私は自己実現はとても良いことだと思います。
兵隊さん
今の会社、特に大きな会社は、従業員を兵隊として扱い、自己の強みや弱みを把握して自分なりの業務改善をしようとしても理解されないことがあります。
先日、このようなツイートが流れてきて、かなり表現は強いもののとても理解できるなと思いました。
知的労働をしている人が働き方改革で一番困るのが「効率的に働け」の意味合い。アホな経営や人事、上司にかかると、ひたすら手を動かしていないと効率的とは認められない。一番付加価値の高い仕事をしている時とは考え事をしている時だが、それを「遊んでいる」「非効率」と見なされる恐れあり。
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2017年4月16日
もしこのような環境にいるのであれば、自分が何者か、どんな強みを持っていて、どんな特徴を持っているかを理解する暇もなく、「忙しく」時を過ごしてしまう恐れがあると考えています。
脱・兵隊さん
上記のツイートで「遊んでいる」「非効率」とみなされるところにこそ、自分の強みを把握したり発揮できるチャンスがあるのではないかと思います。つまり「忙しくしていると、目先の作業に追われてひたすら手を動かし、自分なりの創意工夫を活かす暇がなくなる」ということになります。
作業に没頭して勤め上げるのもありですが、自己実現のために効率を上げて生産性を向上させる方が、生きていてより楽しいのではないかと思います。
兵隊として手を動かし続ける環境から脱出するには、生産性の向上が必要ということになります。生産性の向上は、具体的に言うと、毎日の仕事で無駄に忙しくしている時間をできるだけなくすことです。
無駄がどのように発生しているかを把握したり、そもそも無駄の発生しにくい自分なりのパターンを習得する、いわゆる生産性向上にはタスク管理手法GTDはうってつけのフレームワーク(仕事への取り組み方)だと改めて思います。
そうして生まれた余裕から、自分の個性や特徴を見いだし、自分なりにできることを見つけることができたら、相当毎日面白くなると思います。