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発達障害者支援"Teacch Program"をタスク管理で実践!④

発達障害者支援プログラム"Teacch Program"が実はタスク管理で実践できる!という連載記事の4回目です。

 

3回目の記事はこちらです。構造化の4つの要素の2つ目「作業手順の構造化」について書いています。

hochebirne.hatenablog.com

4回目の今回は、Teacch Programで行う「構造化された教育」の要素の1つ「視覚的構造化」について書きます。

 

あちらこちらへの目移り
保護者によるコントロール下にあれば、やるべきこと(タスク。仕事や課題)の数はそんなに多くない量で済みます。しかし、ひとたび就職すれば「自分は5個までしか処理できません」と言うことはできないですね。TODOリストで管理しようにも、未処理案件の数が日増しに膨れ上がっていくのをただ茫然と見るだけだったような気がします。

 

たくさんのやりかけのタスクが目に入りあれもこれもと目移りしてしまい、結果的にすべて中途半端で締切がきてしまったり、うんざりしてしまってタスクを実行するのを放棄したり、という経験は無いでしょうか。私はあります。

 

仕事がなかなか効率よくこなせないとなった場合は決まって「TODOリストに書き出して上からやっていくんだ!」とか言われてやるものの必ず挫折していました。

 

視覚的構造化
Teacch Proramにおける構造化による教育の1つ「視覚的構造化」は、目で見える形にして分かりやすくすることです。組立完成後の製品の写真を見えるようにしておき組み立てやすくする、注目すべき情報を色や文字の太さで強調してその他の情報と区別したりすること等がこれにあたります。

 

タスク管理での実現

 冒頭に書いたような失敗をなくすために、下記の画像(1)(2)の赤枠の中に以下の工夫をしています。
完了したタスクは下記画像の「状態」行を灰色にする。
未完了のタスクのうち自分がボールを持っているタスクは「状態」行を赤色にする。
未完了のタスクのうち自分以外がボールを持っているタスクは「状態」行をクリーム色にする。
未完了のタスクのうちいつかやりたい程度のタスクは「状態」行をピンク色にする。
未完了のタスクのうち期日が来れば当然に発生する会議や打ち合わせは「状態」行を緑色にする。
⑥「状態」行の右横の行の○印の有無でフィルタリングをかけて完了タスクを見えなくする(見えなくなったら画像(2)になります)
⑦画像(1)の下の赤枠の中で、強調したいタスク数の項目の文字を大きくしたり太字にして見やすくする。

【画像(1)】

f:id:hochebirne:20170511141118j:plain

・完了の有無、ボール持ち等のステータスの表示を色で表現。
・各タスクの項目の文字の大きさ、線の太さで表現。

 

 

【画像(2)】 

f:id:hochebirne:20170511110606j:plain

・未完了のタスクには一番右の行に○印が付くように関数を設定し、フィルタ機能を使って未完了タスクのみ可視化

 

ここでは色にもこだわっていまして、自分がボールを持っているタスクは、警告の意味合いも込めて赤系統の色を使っています。でも、真っ赤ではありません。真っ赤だと刺激が強すぎるからです。そして、自分があまり注意を払わなくても良いその他のタスクは、クリーム色、緑色、ピンク色と、あまりどぎつくない色を使っています。

 

これはもうTeacch Programの「視覚的構造化」に他ならないわけで、発達障害特性を持つ私にうってつけのカスタマイズをしていたことが裏付けされたことになります。タスク管理はこの「視覚的構造化」を実現できるものだということがお分かりでしょうか。

 

次回は、構造化4要素の4つ目「時間の構造化」について書きます。