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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

発達障害者支援"Teacch Program"をタスク管理で実践!⑥

まとめ

Teacch Programについて書いてきた一連の記事もこれでラストです。まとめます。

 

①では、私が診断を受けたADHDも含めた「発達障害者」支援のためのTeacch Programの紹介とその理念、そして「構造化された教育」を行うことが発達障害者が社会で安心して生活していくためには必要だということを書きました。さらに、構造化された教育は4つの要素があり、タスク管理そのものだという話を書きました。

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②では「構造化された教育」の要素の1つ「物理的構造化」について書きました。物理的構造化とは気が散らないための環境をつくることであり、つまるところタスク管理"GTD"の「頭の中の気になることを全て書き出して一箇所に集める」に他ならないと説明。そして、自作タスク管理ツールでは「ここに全部ある」感で実現していると紹介しました。

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③では「構造化された教育」の要素の1つ「作業手順の構造化」について書きました。作業手順の構造化とは仕事の手順を把握し完了までの見通しをつけることであり、タスクの分解を必ず書き出すフォーマットの自作タスク管理ツールでそれを実践するような形になっているのを説明しました。

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④では「構造化された教育」の要素の1つ「視覚的の構造化」について書きました。視覚的構造化とは、色や形、文字の太さなどで目に見える異差をつくって分かりやすくすることです。自作タスク管理ツールでは、誰がボールを持っているのかなどを色分けしてそのタスクがいまどんなステータスになっているのか見てすぐに分かりやすくするなどで実現。

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⑤では「構造化された教育」の要素の1つ「時間の構造化」について書きました。自作タスク管理ツールの「日単位」の管理方法、一日にやるべき予定とやった実績を時系列に並べる、いわゆる「タスクシュート式」を紹介しました。

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調べれば調べるほど、タスク管理とTeacch Programとのの共通点が浮き彫りになりました。その共通点には発達障害の特性を持つ私が普通の事務職として働いていくためのエッセンスが集約されていると感じています。そして、発達障害と診断されていないがその特性を多少なりとも持っている人にもそれは有効だと思います。バランス良く優秀に教育された健常者を除くかなりの人数の人が、生きづらさをより感じずにやっていくコツでもあると考えています。

 

Teacch Programへの批判

Teacch Programには「環境に頼りすぎる」とか「自らが変わる努力を放棄している」という批判があるようです。

 

「これは、子供はそのままでいいのかというTEACCH批判の一つの理由でもあります。TEACCH に対してLow Expectation 、子どもに対して期待度が低すぎるという批判があります。がんばれば自閉症の子どもはもっと変わるものだというわけです」

(よこはま発達クリニック 内山登紀夫:「TEACCH の今日的課題」4ページ)

http://www.ritsumeihuman.com/uploads/publications/102/14_3.pdf

 

確かに「私は発達障害だからこれができない」を連発されてはかなわん、と思うのは理解できます。自分もこの特性を逃げ場にしてはいけないといさめています。

 

ただし、風邪などの病気のように根本的に完治できるものではないので、(-)特性を(+)特性に変えるようなことは効果的ではないとも思います。頑張って発達障害の特性を除去しようというのは極端な話、眼鏡を使っている人に裸眼で100メートル先を見えるようにしましょうと言っているようなものだと思います。

 

そのような考えがTeacch Programにはあり「弱点を受け入れ認めた上で、それを補う」という理念があるわけですね。

 

「タスク管理」と「発達障害」と「働く」ということ

私が定期的に開催している「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」というイベントに参加いただいた方の中には「実は私、発達障害なんです」「(診断は受けていなくても)自分は発達障害だと思っているんです」という方が少なからずいらっしゃいます。「おお!同志よ!」と私は勝手に親近感を持っています。

 

イベントを開催するまでになったからといって私から発達障害の特性が無くなったわけではありません。私が仕事で使っているタスク管理ツールのデータが今消え去ってしまったら、オロオロして目も当てられない状態になると思います。発達障害の特性を持ちつつ働いている私は今もタスク管理を手放すことができないという状態なんですね。

 

そんな私はこれからもタスク管理に頼り続けます。TeacchProgramのお陰でますますタスク管理への信頼感が増しました。

 

よろしければ、自分の特性と付き合いつつ、タスク管理を是非ご一緒に。