思っているほど「集中」して仕事はできていない
「はい集中!」
今を遡ること約20年前、私は今よりもっと何も知らない軽薄な大学生でした。渋谷あたりで飲んで騒いで、路上で周りの人に迷惑をかけている若者いるじゃないですか。あれです。大学1年生の時、センター街を抜けたあたりの居酒屋ビルの前で酔っ払って倒れ込んだ現場を今も時々通ります。その度に、あの時のことを思い出します。サークルの同期に両肩を貸してもらってやっと動けるような状態で、しかも肩を貸してもらった同期の片方は女の子でした。それから1~2ヶ月後、両肩の2人は付き合うようになり数年後には結婚します。私は2人のキューピッドだったのかもしれません。いや、そんな汚いキューピッドはいないですね。彼と彼女の間をつなぐハイフンに過ぎません。
なぜこんな思い出話をしているかと言うと、大学時代に入っていたそのサークルの飲み会でよく聞かれたコールが「はい集中!(発音は「ハイッ!シュウッ!チュウッ!」です)」というものだったなぁと思い出したからです。宴会で1年生が一発芸を先輩の前でする(これも時代ですねぇ……)時、雰囲気がワチャワチャして取り止めがなくなった時に場を引き締めて、みんなで1年生に注目しよう!という合図です。そう、集中は大事なんです。これを言いたいがために無駄話にこんな文字数を割いてしまいました。
限られた脳内リソース
殆どの人は集中しているようでできていない、という話です。
ほかのことに気をとられることなく、注意の対象がひとつにしぼられていれば、あなたは「水のように澄んだ心」の境地に至ることができる。
私たちは、「何の仕事をしなくちゃいけないんだっけ」ではなくて、仕事そのものに意識を向けるべきなのだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術」より)
「何の仕事をしなくちゃいけないんだっけ」と、実際に仕事に意識を向けることを同時にやっていやしませんか?ということなんですね。集中してます!と言ったそばから、たまたま目に入ったメールのチェックをし、資料の束の入っているトレイをチョコチョコ見て先週やるべきだった仕事の資料を見つけてゲーッとなったり、そんな経験はないでしょうか。私は大いにあります。
自分では集中しているつもりでも、大抵の場合はこんな状態であることが多いです。私たちの限られた脳内リソースはこのように不要な目的のために分断され、1つの仕事に集中すれば100使えるのに、別のことに気をとられて50しか使えないという状況に陥ります。
「目の前のことに集中する」ということは、意識的にトレーニングしたり、そうできる環境を作らなければいけません。トレーニングには手間も時間もかかります。頑張らなくても自分が自然に集中できる環境を作ることの方が手っ取り早いです。タスク管理はその環境を作る手段です。タスク管理で是非本当の「集中」ができるようにしていきましょう。よろしければご一緒に。