ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

数秒感を面倒くさがるということ

タスク管理を阻む「数秒間」の壁
タスク管理を継続できない瞬間は、ツールに入力するわずか数秒~十数秒の間にあると考えています。「あーなんか入力めんどくさい」と思ってタスク管理ツールへの入力を後回ししてしまう。そして、そのタスクが終わったらもう入力する必要性をまったく感じられずになってしまう。結果、ツールにタスク情報を入力しないことが常態化してしまう、という流れです。

 

自分への過信
さらには「タスク管理ツールになんか入力して記録しておかなくても、自分は覚えていられる」「こんなタスク、たいしたことない。すぐにできる」と理由を付けては、入力することを避けるということも容易に想像できます。「自分は忘れない 」「こんな些末なタスクは自分にとっては小さいのですぐにできる」という自分への過信です。

 

1つ誤解が生じるのが、タスク管理メソッド”GTD”では「2分以内に終わるタスクは、ツールに入力せずすぐに実行して良い」というルールです。これと上記の話は一見矛盾します。何が「2分ルール」を適用して良いタスクか、何が適用してはいけないタスクか。これは難しい問題ですが、一つ言えることは、2分ルールを拡大適用してはいけないのに、我々は拡大適用しがちだ、ということです。例えば「1アクションで済む2分以内のタスクならOK」とか「電話対応はツールに記録しない」とか、自分ルールを作っておくと良いですね。ちなみに私は、会社の管理部門で働いているので、本業(?)の法務はほぼ全部タスクとして一旦ツールに記入してから取り組んでいます。法務ではない庶務(電話対応、お茶出し、宅配便受領など)は、2分以上かかるものがあってもツールには入力していません。ご参考までに。

 

過信への警告
「こんなの、ツールに頼らなくてもへいちゃらだ」と思っている方。GTDの開祖デビッド・アレンは著書で以下のように言っています。

 

(「タイヤ」というクライアントのメモを見せながら)私が「これは何ですか」と尋ねると、クライアントは「車のタイヤを替えないといけないのです」と答える。次に私は「具体的に、次にやる行動は何でしょう」と訊く。すると、クライアントは眉間にしわを寄せて考えはじめ、ほどなくこんな結論を述べる。「店に電話して値段を聞いておくことですね」
ほとんどのプロジェクトは、このようにすぐに次の行動を決めることができる。しかし、数秒間、頭を働かせれば済むことを、ほとんどの人はやっていないのだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術」より)
 ※カッコ内は書き手による補足
 
自分は違う、と思っている人ほどこのクライアントさんと同じなような気がします。 「タイヤ」というメモをした時点では「車のタイヤを替える」という目的があることを認識し、さらにはそれに至る行動をスムーズに行うことができると信じ込んでいるんですね。しかし、少し時間を置いて「タイヤ」というメモを見たら「あー、なんだっけ、、、そうそう車のタイヤを替えないといけないんだった。えーっと、そのためには何をしなきゃいけないんだっけ」と、思い出すために労力を必要とします。その労力は自分へのプレッシャーとなり、やりたくなくなります。結果、車のタイヤを替えるというタスクをやらずに放置してしまうわけです。

 

多かれ少なかれ、同じような経験をしたことある方は多いはずです。そして、それによって上司やお客様、家族などにこっぴどく叱られた経験も、もしかしたらあるのではないでしょうか。もうそんなことウンザリですよね。そこから抜け出すために「次にするべき行動」を明確にしておくことが必須になります。ちょっと考えて、紙やPCで記録を残しておく。ここが、数秒をめんどくさがって省いてしまい後で手痛いしっぺ返しを食らうかどうかの分かれ目です。

 

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」です。となれば、やらない手はないですよね?と私は思います。何をやるのか。タスク管理です。よろしければ是非ご一緒に。