ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

企業勤めのイチ法務マンが、個人的にやっている活動を会社に持ち込み半日で事業化した話

好きでやっていた社外活動を、会社の業務として行うことになりました。

 

2種類の社外活動とは

ここで言う「社外活動」とは、ツイートでも書いているようにいわば副業的なものです。大別して今のところ2種類です。①個人事業主の方や他の法人に勤めている方と共に、発達障害当事者(と思しき方)向けのイベントを開催し、②障害者就労移行支援事業所で講師をしています。

 

社外活動を行う理由

私の散々しくじってきた経験を他の方のこれからに役立てて欲しいというのがその理由です。

 

私は、発達障害という特性を持っています。それゆえ、仕事を進める上で要領が悪かったり、不器用さが裏目に出たりします。気にせずノホホンとできれば良いのですが、さにあらず。「なんて自分はだめなんだ」「こんな自分は周りに迷惑ばかりかけている」「自分なんて必要とされていない」と、勝手に落ち込んで仕事ができなくなってしまう、の繰り返しでした。

 

発達障害のうちADHDの不注意優勢という診断を受けた私が持つ特徴は、ケアレスミスを連発する、抜け漏れを発生させる、段取りをつけることが苦手というものです。特性を克服すべく頑張りましたが、無理だと悟りました。

 

30代半ばで、すでに結婚もしていた私にとっては、これからの社会人生活の道が閉ざされたような絶望に襲われました。ひとしきり落ち込んだあと、自分が足りない部分を何かに頼るしかないと諦めました。

 

しかし、それが良い意味での開き直りになりました。結果、仕事のやり方を見直して自分独自の方法__それが一般にも通じる「タスク管理」という手法そのものだったのですが__を編み出し、会社員としての仕事がまともにできるようになりました。

 

ざっと書きましたが、発達障害特性を持つ私が過去どんなしくじりをして、それをどうやって乗り越えて、現在どんなタスク管理で仕事をしているか/するようになったかを、同じような悩みを持っている人たちにお話ししたいと思い、社外活動でイベントを開催し、講師をしています。

 

上司との面談で今後のことを考えた

先日、今後の私のキャリアについて上司と面談をしました。社外活動のことを知っている上司は、事業化できればいいねと言ってくれました。

 

事業所の理事さんへ相談

素直な(あるいは、空気が読めない)私としては「なるほど、それはいいかも」と思い、私が月一で講師をしている事業所の理事さんへ相談。月一ではなく週一で、会社の仕事の業務として請け負うという提案をしました。結果、良い返事をいただくことができました。これがある日の昼休み終わり頃の話。

 

上司、そのまた上司へ相談

早速上司へ相談。「いいんじゃない?」とすんなり了解。そのまた上司の執行役員も「いいと思う」との返答。理解ある方々で助かります。午後の業務も半ばくらいの時間でした。

 

社長に相談

忙しい会議の合間を見つけて社長に話しかけました。障害者就労移行支援事業所での週1講師活動を会社の業務として認めてほしいと相談。社長も興味を示してくれました。私が発達障害の診断を受けていることも知っているので、熱意をもって私が社外活動をしていることも理解してくれていました。

 

ただ、ここまで読んできて皆さんもきっとうすうす勘付いていることでしょうが、「今までの業務の量は同じなのに、5日分を4日でやれるのか問題」を指摘されました。

 

私には奥の手がありました。私を立ち直らせるきっかけとなった「タスク管理」は、業務の無駄な時間を排して生産性を上げてくれます。おかげで私はほぼ毎日定時退社をしています。5月から7月にかけての累計残業時間が5分であること、緊急時には電話等で対応することを説明しました。

 

結果、社長も快諾。夕方の会議が始まる直前のことでした。半日で社外活動を業務にすることができました。できるだけ淡々と書いていますが、気持ちは数日間飛び上がって喜び続けている(!)状態です。

 

私なりの働き方改革

サイボウズ社が提起した「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」に対する私なりの答えが出せたような気がします。社外でやっていた「楽しいこと」を社内に持ち込んでみてはいかがですかというものです。

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ただし、かなり限定的な条件のもとでのみ可能なものです。私と同じような失敗体験をしないと再現は難しい。あくまで、こんな形の働き方もあるのかな、くらいに思っていただければと思います。

 

口頭でオーケーをもらったので、上司や社長の気が変わらないうちに契約を締結し一刻も早く当該業務を開始するべく、急ピッチで社内事務処理を進めております。

 

弊社はごく普通の中小企業です

私の所属する会社は、業務の多様性を積極的に認めるとか、リモートワークを推進するとか、そういった志向性はありません。ごく普通の中小企業です。ある程度自分の業務の管理はしっかりした上での話ですが、そんな会社でも、割と思い切った働き方改革をやっている人間がいるということを是非知ってほしいです。

 

さらに、よく理解してくれる上司や社長がいるなら、部下や従業員はきっと会社が好きになるということも合わせてお伝えしたいと思います。