ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

相手に「ちょっとした違和感」を覚えさせないために。

別にあからさまに反抗していないのに、言葉の端々から拒否の印象を与える人がいますね。

 

仕事を受ける瞬間の言葉の端々から出てくる「引き受けたくない」雰囲気。意図的にやってるならともかく、意図せず出てしまっているときは損していると言えます。

 

何年も前、医療機関で仕事をしていた私の友人から、こんな話を聞いたことがある。その医療機関では、未処理の請求書や書類を片付け、業務フローを効率化したあとには、かならず患者の数が急増するのだそうだ。友人の意見はこうだ。仕事が溜まっていると窓口の事務員は新しい患者が増えることをストレスだと感じてしまう(それがビジネスの拡大を意味していてもだ!)。すると、無意識に新規の患者を遠ざけてしまうのだという。(中略)労働環境がすでに限界に達していたとしたら、「お客様第一のサービス」も「笑顔」も、肝心なときにあらわれてくれないのである。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

仕事が頭の中で整理されず精神的に負担がかかっていると、ちょっとした言葉の端々から、「嫌だ」「面倒臭いことを押し付けるな」という気持ちが出てきてしまう。たとえそれがごくわずかなものであっても、隠し通すことができずにスルッと出てきてしまう。

 

現場の人たちが仕事に追われているときには、新しい顧客や機会を追いやっていないか気をつけよう。ジャンジャンかかってくる電話に、一気にストレスレベルが上がると、口では「お世話になっております。ご用件を承ります」と言っていたとしても、心の中では「あっちへ行ってくれ!あなたたちには関わっていられないんだよ!」と伝えているようなものなのだ。

(引用について同上)

 

ストレスレベルを下げるにはどうすれば良いか。リラクゼーションのためマッサージルームを社内に作ってもらうのが良いのでしょうか。2時間に1回おやつタイムを設けてもらうのが効果的なのでしょうか。

 

マッサージルームもお菓子タイムも、発生してしまったストレスをどうやって軽くしていくかの方策です。効果はあるかもしれませんが、根本的な解決法ではありません。そもそもストレスが溜まりにくい仕組みを作るのが、抜本的でより効果的です。それは何だろうかと再び考えてみます。

 

仕事上のストレスは、やりかけの仕事を頭の中にいれたままにしておくことによる不安がその源です。そんな頭の中のやりかけの仕事を全部出して「あなたの仕事はここにあるだけ」「やりかけのこの仕事は、次にこうすれば必ず進んで完了に向かいますよ」という安心感をタスク管理手法"GTD"は与えてくれます

 

不安を解消し安心して仕事に取り組める環境が整えば、相手ににこやかに対応できて受け入れやすくなり嫌な印象は与えなくなります

 

にこやかな対応かどうかはともかく、GTDをするようになってからは「これはホント急ぎでお願い!」と信じられないくらいのスピード感を要求されるような仕事にも、むしろそういう要求があるからこそ燃えて、他の仕事を後回しにして取り組んで応えることができるようになりました。これはGTDが作り出す環境による精神的な余裕のなせるわざであると思っています。

 

過去、私の周囲で、わざと嫌な印象を与えて無駄な仕事が発生するのを遠ざけるのが自分の流儀だという人がいました。そのようなやり方もあるのかもしれませんが、私はそれには与しません。これもまた抜本的な解決にはなっていないからというのがその理由ですが、それはまた別の話。