嘘をつかない仕組み
こんな記事を読みました。
記事中、何とも身につまされる内容がありました。
あるとき、上司から「船会社への早出料、滞船料の精算は終わっているな?」と聞かれました。
本当は数カ月もほったらかしで手をつけていなかったのですが、叱られたくなかったので、とっさに「終わっています」といってしまった。
いった瞬間、「しまった」と思ったのですが、後の祭りです。
ところが、何日も徹夜で慌ててつくった請求書を送った後、船会社のうち、何社かが倒産しそうだという噂が聞こえてきました。
請求した金が振り込まれなければ、会社にとっては大損害です。本当に金が振り込まれるのか、気が気でなりませんでした。
いつも暗澹とした気分となり、酒を飲んでも美味しくない。幸いにも、倒産の噂があった会社は別の会社に吸収合併され、請求金額も無事振り込まれました。
とっても分かります。上司からの確認に対して、つい咄嗟に嘘をついてしまう。見栄なんでしょうか、それとも本当のことをいって上司から「なぜやらなかったんだ」と詰められることへの恐怖からでしょうか。私もこういったことはよくやってしまっていました。そして、上の文章でいうところの「暗澹とした気分」になったことは数知れず。そのことを思い出してヒヤッとしました。
なぜ嘘をつくのか。「その場で答えたい」という気持ちから、進捗を確実に把握していないのに「やりました」と言ってしまうことが多かったと思います。また、「今『やった」と嘘をついても、後でやって挽回しておけば結果オーライだ」と思って嘘をつき、結局できないパターンもありました。
自分の黒歴史を書いて、なんで嘘をついてしまうのかその原因を探りました。おそらく「業務タスクの進捗を把握していないこと」「仕掛かっている業務タスクの完了までの見通しがついていないこと」です。なぜその原因に行き着いたのか。それは、今はそれらの原因がタスク管理手法”GTD"によって改善されていると実感しているからです。
GTDを始めると、特に業務に対しての自己肯定感が上がる気がしています。それは、日々の業務を完了しているという記録が積もるのと、やったこと、これからやるべきことが明確に記されており、業務の進捗の把握と仕掛り案件の完了までに見通しが一目で分かるからです。「ここ(タスク管理ツール)」に自分の仕事の全部の情報があるという確信があると、余計な背伸びをしようという気が失せ、半ば開き直りのような精神状態で堂々と「ここまでできています」「これはやっていません」と言えるようになりました。さらには、ツールに明確に表示されていることを基に話を進めることで、「~~だったと思います」という曖昧な言い方を避けた方が良い場面では「~~です」と断言できるということもできるようになりました。
嘘をついたり隠し事をして暗澹となる気持ちは、本当に精神状態に悪い影響を与えると経験上大いに実感しています。ただ、何かにすがれないと隠し事をしないでいることは困難です。私にとってタスク管理は信頼できる、すがるべき「何か」です。