ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

どうやったら定時で帰れるの?

「帰ればいいじゃないですか」

最近、お手軽に聞ける個人発信のラジオ「Voicy」をよく聴いています。「声のブログ」という言い方もされていますね。気が向いた時に、はあちゅうさんとイケハヤさんを特に聴いています。

 

「副業で月20万円稼ぐには?」という回で「定時に帰るにはどうしたらよいのか?」という質問にイケハヤさんが答えていました。

voicy.jp

(「定時に帰るなんて不可能」という言葉に対して)

そうですか。

そうなんですか?

本当ですか?

帰ればいいじゃないですか。

帰りましょうよ普通に。

僕は普通に帰ってましたね。

帰ると決めたら帰ればいいんじゃないでしょうかね?

 これがイケハヤ節というものなのでしょうか。この言い方に抵抗感を覚える人もいるかもしれません。私はこの一刀両断っぷりは気持ち良いです。

 

「帰るキャラ」になる

「定時に帰れない」に対して「帰ればいい」という返答のあとに、「強いて言えば」と続けます。

 

「強いて言えば、『帰るキャラ』になればいい」

 

おそらく、これに対して「そんなの無理だ」と思う人とイケハヤさんとは、平行線をたどる一方だと思われます。意識的にも無意識的にも、帰らないという選択をしている。帰らない選択をしているので、帰れない。当たり前の話ですね。今日やると決めたことを積み上げて、積み上げた結果が定時ラインを超えると「あー、今日も定時に上がれなかった」となるわけです。

 

今日やると決めたことに対して、今一度「『やらない』という選択は無いか」「自分以外の適任者にまわせないか」「翌日以降に締切を延ばせないか」と考えても良いと私は思います。「そんなことを考えている暇があったら仕事すれば良いのではないか」と思う人には、下記のブログエントリーをご紹介します。 

hochebirne.hatenablog.com

 

東京電力の見積方式を思い出す

不意に東電の見積のやり方を思い出しました。調べてみたら「総括原価方式」というものでした。

selectra.jp

総括原価方式は、すべての費用を「総括原価」とし、さらにその上に一定の報酬を上乗せした金額が電気の販売収入に等しくなるような方法です。
総括原価方式の問題点は、無駄な設備投資が増えてしまうということや、利益が保証されているためにコストカットの努力を行いにくくなる事です。

コスト削減でヒーコラ言わされている管理部門の人間にとっては、少々違和感を覚えます。コスト意識を強烈に持たざるを得ない我々にとっては、ちょっと理解しづらい方法です。やりようによっては、ただ単に言い値の費用をドンドン上乗せするのが理論上可能になってしまう、というのがその理由でしょう。

 

他の見積方法としては「価格上限方式」というものがあるようです。私にとっては、比較的こちらの方が「あるべき見積方法」だと感じます。

価格上限方式 - Wikipedia

価格上限方式(かかくじょうげんほうしき)とは、特定のサービスに対して予め決められた金額以下の範囲内で料金を設定する方式である。 

 

実際、電力会社はギリギリまで費用を抑えようと頑張っているのかもしれません。実際はどうなのかではなく、これらの方式の持つ形式的な特徴に注目して話を進めます。

 

タスクも価格上限方式でいこう

業務タスクの話でした。定時で上がれないタイプは、総括原価方式でタスクを積み上げているのではないかと私は考えています。逆に、定時で上がるには、価格上限方式で定時までの時間を上限と考えて、そこに今日やるべきことを押し込めるように算段するという考え方をします。その違いは、各タスクにかかる時間をどれだけ圧縮できるかを考えるか考えないかです。

 

圧縮には、大別して次の4つになると思われます。「①無駄を省いて時間短縮」「②明日以降へ先送る」「③他人へ回す」「④やらない(断る)」です。①から④へいくに従って波風が立ってきます。

 

以前の私は、①②だけで何とかしようとしていました。しかし、上手くいきませんでした。今は③④も厭(いと)いません。結果、ほぼ定時で上がることができています。③④を選択肢に入れると「帰るキャラ」を確立しやすくなる気がします。

  

「必要なのは?」

イケハヤさんはVoicyで「必要なのは勇気です」と最後に結んでいました。確かにそうかもしれないと思いました。波風が立つと言いましたが、それでも構わないと考えるかそうでないかで結構決まるように気がします。

 

ここまで「定時上がり」を是として書きました。しかし、定時で帰ることが絶対ではないと私は考えています。上記①②③④を全部完璧に実践すると、おそらく職場の人間関係は悪くなるでしょう。現実には、All or Nothingで考えるのではなく、自分の抱えるタスクを正確に把握した上で、「今日は総括原価方式でいく」「今日は価格上限方式でいく」と都度決めるのが良いと思います。

 

結果的に、毎日総括原価方式を採らざるを得ず定時上がりなんて夢のまた夢……という方もいるでしょうが、それでも選択肢として価格上限方式があるという意識は持っておきたいものです。

 

価格上限方式を採る勇気を支えるタスク管理

価格上限方式でいくとしたら、他人へその仕事を回す根拠として「タスクの分解」によるボール持ち概念を明確にして「自分はここまでやるから、あとは頼んだ!」と言えるようにしたり、自分の抱えているタスクを全て把握して「今これだけの仕事を抱えているので、この仕事はできません」と言えるようにならなければなりません。それを言うのは勇気が必要ですが、その勇気を後押ししてくれるのがタスク管理だと感じています。