GTDで仕事の舵を握り、ストレスを減らす
「過労死」という言葉が"karoshi"として世界公用語になってしまっているというニュースは目にして久しいです。
過労の原因とは何でしょうか。すぐ思い浮かぶのは仕事量や時間です。しかし、それだけじゃないという意見もあるようです。
はたから見たらキツそうな仕事なのに、楽しそうにしている人、周りに1人や2人はいると思いませんか?
厳しい環境で嬉々と仕事する人がいる
過労死レベルと言われる月80時間より多い時間外労働を苦もなくやっている人がいます。
しかし、彼らとて同じ人間です。程度の差こそあれ、過労すれば倒れるはずです。それなのに、仕事に割く時間・労力が大きいときでも前向きに取り組める。一体彼らへのストレスはどこに消えたのか。
ストレスの鍵は仕事量ではなくコントロール感
好きなことを仕事にできている人は抜きにして、我々が一般にそこはかとなく感じている仕事の主なストレス源は、仕事を掌握して管理できているかどうかではないかと考えます。
GTDの創始者デビッド・アレンは、仕事とストレスについて次のように語っています。
仕事の引き受け過ぎ__これは、ストレスの原因のように思われがちだが、こういう環境で「あらゆる困難をものともせず」仕事をすることによって生き生きとしてくる場合は実際には多いのではないか。これをストレスに感じる原因は別にある。それはあなたが舵を握っていないときだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)
自分の仕事の舵を握っていれば良い。そうすればストレスは感じないということです。
「感じない」は言い過ぎとしても、身に覚えがある人は多いのではないでしょうか。
コントロール感を得るためには
では、仕事をコントロールしている実感を持つにはどうしたら良いか。それは、日々発生する業務タスクの目的決定に積極的にコミットし、その目的達成のプロセスを考え、その実行の進捗を把握し続けることではないかと思います。
仕事の依頼主と自分で「遂行されるべき目的」を決め、それをやるぞと自分と約束する。自分で決めたのでイメージはしやすいはずですね。
また、目的達成までの手順、少なくとも次の一手をイメージできるようにしておくと、自らが舵を握っている感は味わえます。
文字で書くとしかめつらしいですが、結局はこういうことなんです。
この画面に「仕事の目的」と「手順」を入力する。この一文のために「目的決定にコミット」「プロセスを考えてその進捗を把握」と説明をしてきました。
これ(あるいは似たリストを紙に書いたものでも良し)を繰り返し続けていれば、いつのまにか仕事の舵を握っている実感を持てるようになると思います。
そんなんじゃ仕事は終わらない!という方。確かにそうです。このリストは仕事を終わらせてくれるものではありません。
大事なのは「終わってないけどここまでできている」という状態を把握できているということだと思います。
なお、その上で、処理し切れないほどのタスクが目の前に並んだら、それは別の方法で対処すべきであって、この方法を採らない理由にはならないと考えます。その「別の方法」というのがまた難しいんですけどね……。