ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

GTDで読み解く「ここは学校じゃないんだ!」

「ここは学校じゃないんだ」と上司や先輩から怒られた経験が私には何度もあります。そのときは、学校での勉強と会社での仕事は何が違うのかが分かっていないので、「そんなこと言われても……」と思っていました。

 

GTDを実践しはじめて、やっとその違いが理解できた気がします。

 

 

GTDの5つのフローのおさらい

学校と会社の違いを理解するためには、GTDの5つのフローについて理解していただく必要があります。簡単にまとめると次のようになります。

  1. やるべきタスクを全て「把握
  2. 把握したタスクの目的とその実現のための手順を明らかにする「見極め
  3. 自分がすぐやるべきか、待ちのタスクか等タスクを適切な置き場に分ける「整理
  4. どのタスクを実行するかを決定する「選択
  5. 実行した結果をツールに反映させる「更新


仕事では

会社などの仕事場では、上司やお客様からの依頼があった場合は、その依頼が「把握」です。そして、その依頼に応えるために何をすれば良いか「見極め」を行います。例えばその依頼がAという得意先からのメールであれば、送信元別にフォルダ分けされているメーラーのA様フォルダに「整理」され、対応すべき状態であることを分かりやすくするために未読にしておきます。そして、その依頼に対応(他のタスクも含めた中から「選択」して実行)したら、実行完了であることを分かりやすくするために未読を既読に(「更新」)します。

 

「是非この方法でやってくれ」といった条件があれば「見極め」は上司やお客様等が肩代わりしてくれますが、原則的には仕事はすべてのフローを自分が判断して行います。


学校では

おそらく、殆どの人は先生から宿題や課題を「来週の月曜日までに教科書10ページまでの問題を解いてノートに書いて提出すること」といった形で指示され(把握と見極め)、教科書やノートをしまう棚やロッカーも準備して指定され(整理)、これから何をすべきか時間割もちゃんと前に貼ってあり(選択)、カリキュラムの進捗は先生が管理して今後の授業の進め方を決めてくれる(更新)、という環境だったと思います。

 

どうでしょうか。ほぼ学校側が肩代わりしてくれていると思いませんか。

 

GTDは、現代の企業に何より求められているもののひとつである。企業だけでなく、学校でも導入するべきだ。現状では、子供たちは情報を処理する方法も、求められている結果やそれに必要な行動を考えることの大切さも教えられていない。GTDは個人の生産性を高める手法として、極めて有用である。これを実践すれば、あらゆるチャンスを無駄にすることなく、持続可能なかたちで自立的に社会に貢献していくことができる。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術」より)

 

会社と学校の違い

私は、上記のようにGTDのフローに当てはめてみたら「なるほど全然違う!」と深く納得しました。まだGTDを知らないときは、「そんなこと言われても……」がきっと表情に出ていたことと思います。しかし、学校がやってくれていたことを会社に求めていたら、一体あなたの役割は何なのかと言われてもしょうがないですね。

 

周囲を見ていて、無意識にこれらのフローを会社や他の社員に頼り過ぎてしまうことがあるように思います。GTDの5つのフローを意識的に実践すれば、持続可能なかたちで自立することができ、その結果「やらされている感」も少なくなって精神的負荷も減らすことができると考えています。