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GTDで仕事のイニシアチブをとる方法

先日開催した「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術@福岡」に参加いただいた方から、事後アンケートでこんなコメントをいただきました。

仕事を先送りしてしまうのは、イニシアチブを取るのが苦手だからという説明に納得しました。仕事のイニシアチブのとり方を教えてほしい。 

 

これには、GTDの5つのフローのうち「見極め」が大きく関わっています。

 

 

GTDの「見極め」とは

一言でいうと「それは何か」を決めることです。その仕事の目的と、それを達成するために必要な具体的な行動の手順を決めます。下の画像でいう「仕事の目的」と「手順1」「手順2」「手順3(完了)」を書き出し(入力し)ていくことです(画像はスマホで見たときの「タスクペディア」)。

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ここで大事なことは、仕事の目的を言語化すること。言語化する際に必要な要素はおおよそ次の5つです。

  1. いつまでに
  2. 何を
  3. どれくらい
  4. 誰に
  5. どうする

こんな感じで紙に書いて右側を埋めていくような感じでもいいです。

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例えば、取引先の田中商事の鈴木さんから「部材Aの見積もり欲しいのですが」と依頼があって、その提出が明後日の4月14日だったとします。こうなります。

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そうすると、目的を「田中商事の鈴木様へ、部材Aの見積もりを1部メールで提出する」と設定できます。見積書作成のルーチン(があったとして)に当てはめれば、すぐに「見極め」が完成します。

こんな感じです(画像はPCで見たときの「タスクペディア」)

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依頼を受けたらすぐに「いつですか?」「何をですか?」「どれくらいですか?」などと、5項目が書いてある紙を埋めていくわけです。繰り返しやると、だんだん短時間でできるようになっていきます。紙も必要なくなってきます(最初から紙を使わないでもよいですが)。

 

5項目が揃ったら、ポチポチとツールへ入れていくと「見極め」フローが完了します。

 

依頼を受けた仕事をいちはやくこちらで見極める

そして、この5項目を埋めることに慣れてくると、次第にこちらから各項目の内容を提案できるようになっていきます。特に「いつまでに」が大事です。いわゆる納期交渉というものですね。

 

5項目を埋めることに慣れてくれば、田中商事の鈴木さんに「見積書作って」と言われて「はい、じゃあ4月14日でいいですか?」と先に提案することが可能になってきます。相手に項目を埋められる前にこちらで埋めてしまうのです。

 

「いつまでに」だけではありません。「会議の資料作成・準備」であれば、何名出席かを確認して、「出席12名分とプラス2部の14部」とこちらから提案して「どれくらい」もこちらで先に埋めることができます。

 

先に埋めること、これが仕事のイニシアチブをとった感を持つために必要だと感じています。そのために、迅速な見極めが大事なんですね。

 

自分が決めたのだから、当然主導権は自分にある

「自分で」「先に」物事を決めれば、それは自分がイニシアチブをとったと言って良いと思います。自分が主導権を握る、自分に裁量権がある仕事は、気持ちよくできます。仕事に対する精神的負荷の軽重は、裁量権の有無が大きく関わっているといいます。

kokoro.mhlw.go.jp

裁量性は、「任せられる度合」と言い換えることができるだろうが、これは組織におけるワークモチベーションを支える極めて基本的な要素である。

裁量権があれば、モチベーションが高まり、進んで仕事に着手するようになる。結果、先延ばしせずに仕事を完了させることができる、というわけです。

 

つまり、仕事のイニシアチブのとり方とは、

 

素早く、自分で、「いつまでに」「何を」「どれくらい」「誰に」「どうする」を埋める

 

ということではないでしょうか。

 

それをやりやすくするのが、GTDの「見極め」フローであり、それを実現する「タスクペディア」というツールであると思います。