指示待ち症候群をGTDで直す
こんなツイートを読みました。
日本の教育はいいところも悪いところもあるけど、悪いところをひとつあげるとすると「問題を明確に定義したタスクを与え続けること」だと思う。
— Shin@Outward Matrix (@Speedque01) 2018年5月8日
四則演算や読解力等、基礎的な問題解決力の底上げはできるものの、「そもそも何が問題なの?」と自ら問いかけ、根本原因を発掘することができない。
「問題を明確にしたタスクを与え続けること」には弊害が確かにあります。このツイートに大いに共感します。
学校教育では、「こう解くんですよ」という、あらかじめ正解の用意されている問題が目の前に提供され、その解き方に従って手を動かしていくだけ、そんな気がします。
模範の解法に従って手を動かすことそれ自体は悪くないです。むしろ積極的に繰り返して、そのスピードを上げていくのは大事だと思います。150円のりんご4つと50円のみかん7つを買う場合いくらお金を用意するか。パパパッと計算できるスキルですね。
私の感覚だと、この方式で訓練を重ねていると、お膳立てされた問題だけが目の前に現れるものだと思い込んでしまうおそれがあるな、と思います。
それに対して現実の問題は、それ以前から始まります。
- 冷蔵庫がさびしいな
- 特にフルーツが足りない
- 何を買おうか
- うちの上の子はりんごが好きだ
- とりあえず4つぐらい買っておこう
- 妻がみかんを食べたがっていた
- 毎日1つずつ1週間で食べるよう7つ買おう
- スーパーへ行ってみよう
こんな感じに、自ら問いを立てて解決法を考え出してはじめて、150円のりんご4つと50円のみかん7つを買うという段階にたどり着くわけですね。
指示待ち症候群は、上の1〜8を誰かがやってくれるのを待つ人ではないかと考えています。解かれるのを待っている問題だけが配られるだけの教育を施された人は、この指示待ち症候群に陥ります。
GTDは、この指示待ち症候群の考え方の癖を直せると考えています。上の1〜8のプロセスを含めて一連の問題解決のフレームワークとしているからです。
1〜8のプロセスには以下の要素が含まれています。
- 問題(課題)を把握する
- 目的を明確にする
- 目的達成の具体的な手段を明確にする
ここでの1はGTDの決めるフローのうち「把握」であり、2と3は「見極め」にあたります。そして、おそらく「りんご4つ、みかん7つ」と書いたメモを持っていくことでしょう。メモに書くことはGTDでは「整理」フローにあたります。
自ら問いを立て、その解決手段を考える。このことが足りていないのであれば、GTDの5つのフローを意識することは大変有効です。
これにより、日常の買い物に限らず、仕事全般において指示待ちを脱することができるので、問題解決の作法としてはかなり汎用性が高いものだと感じます。