その仕事は誰の役に立っているのか。
引き続き、まだまだこちらの本で、自分自身のタスク管理をアップデートしています。
さすが、実際に修羅場を体験して血肉とした方の話だけあって、学びが多いです。
それは本当に「必要な」仕事なのか?
惰性で続けている仕事は、身の回りに少なくとも1つはあると思います。また、仕事それ自体は必要でも、「それ、人力でやるべきことなの?」というのもありますね。
とある企業に提出する請求書は、その企業のフォーマットに手書きで記入してファックスで送り、かつ郵送する必要があります。
一方で、うちの会社の経理システムに売り上げを入力すると、自動的に自社フォームの請求書が作成されてしまいます。
つまり、その企業への請求書は、1案件に対して2つ作成されてしまうのです。
ああ、なんと無駄なことを……。
幸いに、と言って良いのか分かりませんが、自社フォームの請求書は、窓付封筒に同封され、宛名表示用の紙として使われています。
紙を印刷して、請求書に必要事項を記入して角印を押し、1枚ごとに違う宛先へファクスし、三つ折りにして封筒に入れて郵送する。
さらに、ファクスしたかどうか、郵送したかどうかを社内共有のスプレッドシートに手入力していく。
「手書き」「郵送とファクス」「印刷」「手入力」と、相手方と相談すればもっと楽にできる作業のオンパレードではないでしょうか。それ、本当に必要な仕事なのでしょうか。
そういった作業を時間をかけて行うことで「生活残業」をしている人がいたりしるので、一刀両断に語ることはできませんが……。
ビジネスの目的は「依頼された仕事をすること」ではなく「貢献すること」
本書には、仕事の本質は依頼どおりに作業をすることではなく貢献することだと書いてあり、頷きつつ読みました。
(「シンプルTODOリスト仕事術」P.207)
もちろん、依頼されたとおり作業することで対価をもらう働き方もあります。それも含めて、仕事と名の付くものはすべて巡り巡って他者や社会に貢献することになると考えています。
本書で提起しているのは、疑問を持たずに言われたとおりにやる、いわゆる思考停止状態で仕事をすることへの危機感を持とうということです。言われたとおりにやることが絶対ではなく、「より貢献できるかどうか」を判断基準に、言われたことをやらない選択もするということです。
「貢献」を基準に判断するために
では、貢献を基準に仕事の取捨選択の判断をするためには、何があれば良いか。
私は、仕事の目的を明確にすると、貢献する仕事かどうかが分かりやすくなる気がしています。
逆に、それが分かりづらい状況に陥っているのはどんなときか。それは、目の前の作業手順のことや、まだ終わっていない仕事への不安に頭を占拠されてしまっている状況です。
GTDでいえば、「把握」フローができていれば「まだ終わっていない仕事への不安」は軽減でき、「見極め」フローができていれば「目の前の作業手順で頭がいっぱい」という状態を回避できます。
貢献を基準にできるかどうかは、自分の業務を「把握」して「見極め」ることができるかどうかにかかっていると言って良いと思います。
最後に
「貢献」という言葉だと、一気にスケールの大きな話になってしまう気がします。これを「誰かのためになる」「同じ会社の営業部の田中さんの役に立てる」と落とし込んで考えるようにすると良いかと思います。
などと偉そうに書いていますが、タスク管理をやっていると、「依頼されたものをツールに登録して、それを完了させることの繰り返し」で満足してしまいがちでした。
「その仕事は誰の役に立っているのか」という視点を持ちながら、やっていこうと思います。