人生100年時代の働き方 WORK TALK #1 「 ”複業”〜わたしたちの複業のカタチ 」参加レポート
こちらのイベントに参加してきました。
申込み
価値観やライフステージの変化に合わせ、
自分らしく働き、100年時代を楽しく、面白く生き抜くために、
わたしたちは何を考え、どうアクションを起こせばよいのか?
(中略)
様々な角度からそれぞれの働きかたを紐解きながら、
”複業のはじめかた、複業のたのしみかた”について考えたいと思います。
(告知ページより)
灯台もと暮らしの鳥井さん、サイボウズ式編集長の藤村さんが参加され、私にとってもホットな話題”複業”(”副業”のタイプミスではありません)ということもあり、「これは行かねば!」と。
そこで、イベント告知ページを読んでみると……
\ こんなひとにオススメです! /
- ”複業”に興味があるけれど、どうやって始めてよいかわからない
- ”複業”を実際に始めている
- ”複業”を会社の制度として導入したいと思っている
- 新しい働き方、暮らし方について色々と妄想している
特に、最後の「 新しい働き方、暮らし方」について興味があり、申込みました。
開始前にカフェで
あまりに早く到着しそうだったので、現地民の友人に良いカフェを紹介してもらいゆっくりと。
定時で上がって、池尻大橋駅から中目黒へ向かいつつ、途中のカフェでゆっくり。#worktalk https://t.co/X1FR4Sb9aV
— 小鳥遊@8/25ワークショップ (@nasiken) August 9, 2018
ちなみに、こんなこともあって、とても優しい気持ちで行くことができました。
このカフェを教えてくれた友人が、子供のお迎えついでに寄ってくれた。
— 小鳥遊@8/25ワークショップ (@nasiken) 2018年8月9日
さらに「荷物になっちゃうかもだけど…」と気遣ってくれつつプレゼントもくれた。
目黒には女神(友人は女性)がいる。。。神々しすぎて、自転車に子供を乗せた後ろ姿を拝み倒しました。 https://t.co/cBrNsn9u5b
そしてイベント本編
イベント自体はとても充実した内容で大満足でした。登壇された皆様、「なかなか(話が)整っていなくて……」と言いつつまとめてしまうのは、いかに常に自分の仕事、生き方やあり方を考えているかをうかがうことができました。
なお、登壇者の皆さんのプロフィールは、上のPeatixの告知ページでご覧ください。
複業を始めたきっかけは?
藤村さん
積極的にやろうと思ったわけではない。なんとなくやろうとは思っていたけど、たまたま声をかけてもらっただけ。社外でいけるかどうか自分の市場価値は正直分からなかった。
ここで、おもむろにタオルを取り出して汗を拭く
「あっ!ちょうどいいタイミングで、IKEUCHI ORGANICのタオルが!!」
8月から新しい複業としてIKEUCH I ORGANICとの仕事を始める。
藤村さん、小道具の用意が完璧に整っていました。
大宮さん
ご主人の独立。ある期間は自分が一家の大黒柱になる必要があった。「私の出番!」とアクセルを一気に踏み込み、ソーシャル×マーケティングとの複業を始めた。
それと、毎年同じことをTable for twoでやっているねと言われたこと。社員4名でやっているので、思考がパターン化しがち。多様な考え方を吸収して楽しんでもらえる仕掛けを作らなければと思った。
社内での新規事業も立ち上げたり、複業それぞれフルスロットルで頑張り、さらに母親としての役割も。かなりハードだった。時間と量を把握して、上限や期限を設けたからやり通せた。
中神さん
刺激をもらって切磋琢磨したいという気持ち。地域の活動に関わりつつ、新しいこともやりたかった。
ただ、地域での活動はマネタイズに時間がかかってしまう。無形のものならなおさら。しかも、あまり改善のためになる意見が聞かれず。成長がないかもという危機感、ワクワクがない。結果、スマイルズへ。
鳥井さんから質問「なぜ東京を選んだのでしょうか?」
本物があるから。地方都市でも3〜5年は遅れてしまう。東京は、情報なり人なり、全てにおいて最先端だった。
複業をやってみてわかったこと
藤村さん
いっぱいある。自分の市場価値が分かった。認めてくれる人が社外にいることがわかった。必要とされることが分かった。
鳥井さんから質問「社内では自分の市場価値は感じられないのでしょうか?」
人事評価はあるが、どうしても会社の価値判断基準がついて回る。複業はそれを引っぺがしてくれる。同じメディア運営でもやることが違い、思わぬ自分の面が役に立った。複業先を増やすと、知らない自分を知ることになった。
キャリアプランは思い通りにいかない。他のコミュニティに所属すると知らない自分がわかる。
大宮さん
「私、使える!」
マーケティングの知識と実践をやっている強みが活かせることを実感。
同じ会社の中だと、上司からの評価がメインで忖度が大事になってしまう。社会に出ると、本当に価値あるものを生み出せるかが問われる。
Table for twoはマーケティング予算ゼロだったけど、おにぎりアクションは4億円の経済効果があった。潤沢な予算ある大きな会社だったら逆にできなかったかもしれない。
中神さん
フリーランスから会社組織に入ったことで、視座が上がった。フリーだとどうしても冒険できず、取れるボールしか取らなくなる。会社にいると資金繰りの心配をしないで働ける。会社の給料をベーシックインカムと考えたら、安心して長期的なチャレンジができる脳みそを作ることができた。
フリー(一人会社)と会社の両方に属していることで、組織の良さも個人の仕事の良さも分かった。
会社で働くようになって、故郷の良さを再発見し、フリーで働いているとチームで働くことの楽しさも味わえる。結果、心に余裕が生まれる。
今感じている複業の課題
大宮さん
休む時間を作ること。フルタイムで働いて、土日の半日か一日を使って複業して、なおかつ子供がいるので育児もすることになる。日々の生活がやらねばならないで埋まるのはアンハッピー。何も考えない時間が欲しかった。
鳥井さんから質問「休みが取れない原因は何だったのでしょうか?」
育児は予想ができないことの連続だった。その上、前のめりに全ての仕事をやったのでまとまった休みはなかなか取れなくなってしまった。
藤村さん
優先順位付けが大事。日毎に、時間ごとに変わってくる。サブの副業ではなくマルチの複業の優先順位はとても難しい。当初は全部頑張ってしまった。
優先順位は常に変わる。それを嘘をつかずに全て伝え、信頼関係を構築する。信頼関係を構築していけば、理解してくれる。完全じゃない自分でも認めてくれてやってくれて、とてもありがたい。
また、特に複業はリアルでのつながりが薄くなりやすいので、だからこそ実際に会う機会を大事にしたい。
鳥井さんのコメント「今藤村さんは大好きなサウナに入っているんだな、と分かるからSNSは大事ですね」
ここで、藤村さんと鳥井さんが盛んにタスクタスク言っていて、タスク管理好きには至高のひとときでした。
中神さん
会社に対して複業があることを申し訳ないと思ってしまう。スマイルズでは、働き方改革ではなく働き方開拓と呼んでいる。
少し気分が落ち込んだとき、故郷の北海道でリモートワークをしてみた。会社は寛容だと思い、その分頑張って返さなくてはと思った。囲い込むよりお互いギブしあう、スマイルズと自分との関係はとてもいいと思っている。
また、リモートワークを活用するようになり、オンラインだからこそ丁寧にコミュニケーションを心がけるようになった。
これからの働き方
大宮さん
家族というチーム全員がやりたいことをやれるようになりたい。夫が独立起業するなら自分が働けばいいと、背中を押すことができた。自分も子供も含めて全員やりたいようにやるための複業だと考えている。
鳥井さんからの質問「独立してご主人と一緒に会社を経営しないのですか?」
今は夫を応援する立場でいたい。価値観を広くするために。
藤村さん
生き方を見直すことから働き方を考えたい。どんな生き方がいいのか。自分は安定志向がとても強いことが分かった。ただ、安定というのは1つのところにとどまるものではなく、やりたいことに飛び込み続けることではないか。自分本位の行動が価値につながり、結果的に安定状態となる。常に変化し続けられることが安定。
価値観を変化させることとして、若い人の価値観を取り入れることが挙げられる。例えば、お金。節約し貯金が正義だった以前からの価値観とは違い、今はクラウドファンディングをバンバンしている。自分も、ノールックで支援できるようになった。
鳥井さんからのコメント「今の時代、安定の定義が分かりにくくなってきていますよね」
複数のコミュニティに属すると社会資本(小鳥遊注:おそらく信頼の類のことかと)を構築でき、それが安定につながる。
中神さんから質問「生き方を見直すとは、具体的にどういうことでしょうか?」
「好き」の追求と思われがちだが、自分は「嫌い」を避けることだと思っている。
中神さん
(働き方の)バリエーションが増えてくるのではないか。休職してクリーニング屋になって数年後戻ってきてスマイルズと一緒にやりたい、という人がいる。複業だけではなく色んなパターンが今後でてくると思う。
だから、自分のこらからのキャリアは考えていない。固定化させず、そのときの直感を信じて飛び込むようにしたい。
質疑応答
会社員たるもの会社にフルコミットすべきという思想を持つ世代との折り合いの付け方を教えて欲しい。
複業はまだ新しい考え方。新しいものは形にならないと価値が認められない。複業で価値を作り出し、それにより本業にも価値をもたらすと良いと思っている。つまり、社外の価値観を社内にもたらす人の方が、より複業をやりやすくなる。(藤村さん)
複数の業務先と良い関係を保つためには?
オープンに話す。リソースが限られていることを理解してもらって仕事をいただく。(中神さん)
複業はどういう価値観で見つけるのか?また、見つけてもらえるには?
見つけてもらうのは難しいかもしれない。やりたいと言わないとなかなか分かってもらえないことが多い。(大宮さん)
見つけてもらえるよう事あるごとに複業にチャレンジしたいとSNSで言っていた。(藤村さん)
全く関係ない人から連絡があって複業に発展するのはなかなかないと思う。自分も知り合いからのが8割くらいを占める。SNS経由で、知らない人からの仕事の依頼が年一回程度ある。望まれての仕事なので、最初からやりやすい形で仕事ができる。
ただ、本当に取りたい仕事は足繁く数ヶ月通って取った。忍耐は大事。
感想
大宮さん
複業であれ何であれ、完璧を目指してはいけない。何か面白そうだなと思ったらやってみよう。やったことで無駄なことない。
藤村さん
毎日楽しく生きよう。変化に貪欲に。
中神さん
これいいなと思うこと、自分なりにできることを小さく小さくやっていくといい。地域イベントの受付から、ご縁があって地域おこしの会社を作ることができるようになった。
鳥井さん
自分は会社を経営しているので、雇用者側の意見を。会社のことも考えてくれた上で複業を考えてくれているかを経営者は考えるもの。自分の利益のことだけを考えず相手のことも考えて行動すれば、対会社であっても複業の話をしがらみなくできるのではないか。
懇親会にて
以上の本編が終わり、同じ会場で懇親会が行われました。
大宮さんに育児と複業の話を伺い、アドバイスをいただきました。母親となる妻の立場に立ちながらも、複業をしたい側の話も理解してもらえた上での話でしたので、大変有益なアドバイスでした。
また、藤村さんとは私の大好きなタスク管理、GTDの話ができてとても嬉しかったです。「タスク管理の人」として藤村さんに認識いただき感無量でした(笑)。藤村さんご自身のタスク管理は、かなりシンプルにタスクを仕分けて、scrapboxを使っていらっしゃいました。やはりscrapboxは人気なんですね。
ところで、サイボウズ社員の方々は皆さん複業バリバリなのかという話になりました。藤村さん曰く、本業がキチンとできているからこそ複業もできる。まだ経験が浅いなどの理由で本業で手一杯の方は、複業をする余裕もないようです、とのこと。まさしく。
最後に
ご活躍されている皆さんの複業に至るまでの経緯と複業をするにあたっての生の声が聞けたのが良かったです。みんな結構悩み抱えていたり、頑張ってやってるんだな、と共感を覚えつつ安心をしました。
自分も複業をしていて、悩みもあったりします。それらを乗り越えたり乗り越えなかったりしながら、今日のようなイベントへ登壇する側に立てるようになりたいなと思いました。