ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「灯台もと暮らし」の記事から興味をお持ちになった皆様へ、あらためて自己紹介。

灯台もと暮らしをご覧になって、こちらのブログをご覧の方もいらっしゃると思います。

motokurashi.com

 

そういえば、ちゃんと自己紹介やなぜここまでタスク管理推しなのか、ご説明をしていなかったなぁと思います。良い機会ですのでやってみます。

 

自己紹介

主にツイッターに生息しております。ツイッターを始めたときに遊び半分で付けた名前がひとり歩きしておりそのまま「小鳥遊」名義で活動しています。本名は高梨健太郎と申します。1976年生まれのナナロク世代。東京都多摩地区在住。

twitter.com

 

ADHDです

10年ちょっと前に、発達障害の診断を受けています。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の不注意(注意欠陥)優勢型という括りになります。抜け・漏れ・忘れが多く、段取り下手、先送り多発。それによるミス等にくよくよし過ぎる傾向があり、自ら二次障害(抑うつ等)を誘発させてしまいがちでした。

 

ADHDと気が付く前もしくじりの連続

大学卒業後、20代のほぼすべてを司法書士試験の受験に割くも合格せず。上位10%に入るようになったので、司法書士事務所で働きながら勉強しようとするも、なぜか仕事がうまくいかず、事務所の鍵を取り上げられ、最終的にはクビに。さらに不動産屋でアルバイトをするも、内見先の不動産を見つけられずお客様と2時間以上も迷子になる等かなりしくじってしまい、居づらくなり退職

 

ADHDの診断を受ける

不動産屋でのアルバイト中、頑張っているのになぜか間違ったり忘れたりを連発してしまい、自分に完全に失望。自分は何かおかしいのではないかと、「仕事 うまくいかない」「仕事 忘れる」と検索をかけたところ発達障害の文字が。自分はこの「ハッタツショウガイ」というものではないか?と考え始める。

 

多摩地方でそういった相談を受け付けてくれる機関として、東京都立多摩総合精神保健福祉センターというところがあると知り、「こころの電話相談」で相談。実際に面談を受けました。

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こころの問題についてのご相談(精神保健福祉相談) 東京都福祉保健局

 

「どうやらADHDっぽいですねぇ」と言われ、より専門的な相談機関である東京都発達障害者支援センター(TOSCA:トスカ)を紹介され面談を受ける。ここでも「どうやらADHDっぽいですねぇ」と言われ、明神下診療所という精神科を紹介され受診。ADHDの診断を受ける。

www.tosca-net.com

myoujinshita.jp

 

今まで、どんなに気を付けても仕事でしくじってばかりだった私にとっては、「だからうまくいかなかったのか!」と光明が見えた気に。

 

その反面、「そんな自分に『働く』なんて大それたことができるのか?」と、自信を完全に喪失していました。

 

障害者雇用で就職

そんなとき、明神下診療所のソーシャルワーカーさんから、「障害者手帳を取得して障害者雇用で働けば障害への配慮を受けられるので、安心して働き始めるのではないか」という提案を受けました。自分の特性を受け入れて働かせてくれる!自分でも働けるかもしれない!とわらをもつかむ思いで、障害者雇用の求人票を検索し就職活動。半年ほどで、ある企業の管理部門の総務スタッフとして内定をいただきました。

 

ありがたいことに同僚や上司の方々に恵まれ、自分の障害特性が理由で異なる扱いを受けることもなく仕事をすることができました。とても仲の良い同世代アラサー同僚のグループで毎日お昼ご飯を食べ、旅行にも行きました。このまま仕事もプライベートも充実していくものだと思っていました。しかし、だからこそ落とし穴がありました。

 

頑張り過ぎて休職、そして退職。

周囲に理解して配慮してもらっており、何より社会で働くことができないかもしれなかった(と思い込んでいた)自分を救ってくれた会社への恩義は、全力でお返ししなければいけないと強く考えていました。その結果、少しのミスでも自分を責めるようになり、自信を失くしていきました。

 

その結果、仕事を続けることができなくなり休職。突然「飛んだ」形になるので、周囲への迷惑は大きかっただろうと考え、もう復職はできないと思いそのまま退職しました。

 

約1年のブランク

休職してから退職、次の就職が決まるまで約1年。その間、障害者雇用専門の人材紹介会社の登録会で知り合った友人と共に今後の立て直しについてよく話し合いました。お互いの家に近い国分寺サイゼリヤで、昼の12時に待ち合わせてそのまま話し続けて、夜の10時くらいまでいたこともあります。将来への不安は尽きませんでした。

 

障害者雇用と一般雇用の両方の可能性を考えて書類を作っては出す日々が続きます。退職してから約半年の間でお祈りされた会社は約250社。やっとのことで一般雇用で内定をいただき、就職をすることができました。

 

一般雇用で就職

当時、結婚を約束していた彼女がいたことを考慮していただいたのか、一般的な役職でいう係長レベルとして管理部門の総務で働き始めました。そこでの上司は非常に仕事ができ、部下育成にも熱心に取り組む、まさにスーパー人材。会社員の鑑のようなタイプ。ただ、その方法や考え方に私はついていくことができませんでした。

 

それでも食らい付いていくガッツがあれば…とも思いますが、自分の間違いやミスを指摘されると、それが悪いことだと拡大解釈して自分の全人格を否定してしまう私の悪い癖がふんだんに発揮されてしまいました。情けない話、親に退勤途中の駅まで来てもらって、帰りながら話を聞いてもらったりしました。また、会社の最寄駅に着いたものの、会社に行くのが怖くて足がすくんで行くことができないこともありました。

 

その結果、また休職を申し出ることに。

 

復職後、自分に逆ギレ

これまで、自分のADHD特性「抜け漏れ」「忘れ」「段取り苦手」さらに、それによって起こるミス等にくよくよ考え込んで自分を責める癖が、自らを生きにくくしていました。ここでやっと、自分の特性を受け入れ、自分が何者かになれるという幻想を諦めました。

 

復職をして、自分に半ば逆切れ状態で「忘れるんだったら、忘れてもいいように全部仕事の記録をしてやる!」「焦って段取りがうまく組めないなら、最初にゆっくり落ち着いて組むようにすればいいんだろう!?」と考えて、エクセルに全部の仕事の情報を入れ始めました。これが後にタスク管理として認識することになる方法論ですが、はじまりは自分への逆ギレでした。

 

自分の欠点をカバーするエクセルを作る

「もう後がない」と思っていたこともあり、自分の欠点を認めてカバーするような仕組みをエクセルで作っていきました。そしてそこに全部(本当に全部!)の仕事の記録を入れていきました。幸いにも復職後は、やりかけの仕事があるわけではないので、ゼロスタートで入力することができました。そうして作ったタスク管理ツールがこれです。

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ひたすらこのエクセルに入力しては実行を繰り返していくと、不思議なことに仕事に対する不安がどんどん解消されていきました。やるべきことが明確になり、どのような手順を踏めば達成でき、それがどこまで進んでいるのか、自分が止めているのか誰か他の人が止めているのか。ツールを見るとこれらが一目で分かります。ふと心配な仕事を思い出して妄想が妄想を呼んで頭を抱えることがなくなりました。

 

さらに、「ここ(エクセル)に全部ある」という安心感から、会社を出た瞬間に全てを忘れても良いと思えるようになり、帰りがけや帰宅後に仕事についての不安なことを思いだすのもなくなりました。圧倒的な解放感を味わうようになりました。

 

GTD」を知る

あまりの衝撃的な体験に、同じようなことを考えている人はいないのだろうかと検索。ディープな仕事術を披露する猛者たちのブログや記事を読むうちに"Getting Things Done(GTD)"という言葉に出会います。まさに私がエクセルツールでやっていることだと、異様な興奮を覚えました。

 

自分なりのタスク管理を実践して、確実に業務をこなす快感を味わうのもつかの間、希望しない異動の辞令が出たのと、知り合いが勤めている会社にちょうど1人空きが出たとのことで、2社目を退職し、現在勤めている3社目へ。そこでも、タスク管理を実践し続けました。

 

「タスク管理界隈」を知り、情報発信を開始

そのうち、自分のやり方は再現性があり、自分と同じ悩みを抱える人に広めたいと考えるようになりました。より良いタスク管理の方法を知るためにタスク管理が好きな人たちの集まりに顔を出し、情報発信をするようになりました。

 

その後は……

それからについては、こちらをご覧くださいませ!

motokurashi.com

 

もとくらの記事以外の活動について

現在、会社での勤務の他に、上記のイベントと関連イベントを開催しています。関連イベントも含めて、こちらのページにまとめていただいていますので、ご覧ください。

fta7.net

 

さらに、私と同じく発達障害の当事者の方や、その他の精神障害によってそのままでは働くことが難しいとされている方々への就労支援サービスを行う就労移行支援事業所EXP立川にて、自分の経験談を話す講座、就労後確実に自分を助けてくれるであろうタスク管理を教える講座を担当しています。

exp.or.jp


そして、EXP立川を運営している社会福祉法人SHIP、その他タスク管理や福祉に明るい方々と組んで、タスク管理ツール「タスクペディア」をリリースしています。

www.taskpedia.club

 

これらの活動すべてに、ADHD診断前の自分、その後も仕事がこなせずに悩んでいた自分のような人に、何か役に立つのではないかという考えがあります。ご共感いただいた方がいらっしゃいましたら、是非何か一緒にやりましょう!
 

最後に

この記事、実はずっと前に「たかなしさんの今までを知りたいです」というご要望があり、ずっと書きたかったものです。もとくらの記事の公開を機に、エイヤッと書くことができました。

 

もっと書きたいエピソード等もありますが、まずはこのくらいで締めておきます。より生々しく突っ込んだお話は、直接お話ができるところでしたいと考えております。とにかく人に会うのが好きですので、遠慮なくご連絡ください。