「夜と霧」っていいですね、という話。
6年前に放送されていた100分de名著の「夜と霧」の回を観ました。
100分de名著、「夜と霧」の回を観ました。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年10月18日
伊集院さんのコメントの的確さは言わずもがな、解説の諸富さん、(4回目のみ)姜尚中さんの話も素晴らしい。この本は凄い、読まなければ!と思わせてくれました。
番組内での話から不安障害の森田療法やGTDとの接点も見え、とっても刺さりました。
「どんなに人生に絶望しようとも
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年10月18日
人生があなたに絶望することは決してない
何かや誰かのためにできることがきっとある」
仕事が続けられなくて悩みまくっていた10年強前の自分に伝えたい。
すごくよかったです(語彙)。
何がよかったのか。
それは、不安障害(不安神経症)への精神療法だある森田療法と、タスク管理手法GTDにも通底するものがあったからです。
番組内でのコメントを掲げつつ、お話しします。
「人間の尊厳は苦悩にこそある」
苦悩のない人間には価値がない、というか、苦悩のない人間などいないのが前提です。
森田療法では、不安の裏には必ず願望があるとしています。願望を叶えるために不安に突入して克服していこう、という考えです。不安があれば苦悩があります。
苦悩しつつ不安に突入して行動した分だけ実績が積み上がる。願望が叶わなかったときでも、真正面からまっとうに苦悩したことは、その人の中では後に誇らしい実績、つまり自己の尊厳につながります。
「苦悩には2つある」
とはいえ、ただ単に悩み苦しめばよいわけではない。意味のある苦悩と意味のない苦悩があるのだそうです。
- 意味のない苦悩→苦悩のための苦悩
- 意味のある苦悩(まっとうな苦悩)→何かのため、誰かのための苦悩
苦しんでいる自分が美しいというナルシシズムでしかないのが苦悩のための苦悩。悩むことが自己目的化していて、その先がないんですね。
「転職したいのに、ああ、次の会社が見つからなかったらどうしよう」と足踏みしているような状態です。「転職したらこんな風に自分はバラ色の仕事生活を送れるのに……」と妄想して夢焦がれているだけで、具体的に何も動き出さない人っていますよね。
では、「まっとう」に苦悩するとは。
「『まっとう』とは具体的な問いに、具体的に答えていくこと」
この言葉が私にはビビビッときました。
これは、夜と霧の作者フランクルの言葉ではなく、ゲスト解説者の姜尚中さんの言葉です。まさにタスク管理手法GTDの「見極め」で謳っていることです。
GTDの第2ステップ「見極め」では、自分のやるべきことの目的を明確(具体的)にして書き出し、その目的を達成するための自分なりのやり方(手順)を「次に取るべき具体的な行動」として書き出していきます。
タスク管理は、不安や苦悩の裏側にある願望を叶えるためのまっとうなアプローチなんだな、と胸を熱くしました。
どんなにあなたが人生に絶望しようとも、人生があなたに絶望することは決してない
この言葉の前には「人間は人生から問いかけられている」とあり、この言葉の後には「何か、あるいは誰かのためにできることがきっとある」と続きます。
なにせまだ本を読んでいないので、理解の浅いなりに。
自分の欲望のおもむくままに生きようとすると、その生き方には意味を見出すことはできず、絶望にいたってしまう。人生が自分に投げかけてくるもの(苦悩)にまっとうに取り組むプロセスこそが人生であり、自分が生きている意味を見出しやすいものだ。その意味とは「何かのため、誰かのためになること」。
成功か失敗か結果を気にするあまり苦悩から遠ざかってしまうのではなく、結果はさておき真正面から苦悩に取り組むことこそが大事。
こんなメッセージが、夜と霧には込められているのかなぁと考えています。
最後に
繰り返しますが、まだ本を読んでいないんです。見当違いのことを書いているかもしれません。ただ、100分de名著を観て無性に書きたくなってしまいました。
いずれ本は読みます。そのとき、自分のこの考えの答え合わせをするためにも、書き記しておこうと思います。