自責と他責を行ったり来たりする振り子。
こんなツイートをしてみました。
これはなかなか分かってくれないのですが、自責傾向の強い人は、意図的に強く他責思考するのをお勧めします。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2019年5月13日
それでちょうどバランスが取れると思うんですが、殆どの人が渋い顔をします。
なので、これを読んだ自責強めの人は、心の中だけで「他責強めに」とそっと呟いて実行すると良いと思います。
自責と他責、どちらが良くてどちらが悪いのか。一般的には自責は善、他責は悪でしょう。しかし極端な自責は身をもち崩しかねません。評価は流動的だと私は考えます。
他責が過ぎると、自責の方向に修正するのが良いでしょうし、その逆もまたあります。どちらかに行き過ぎたら逆方向へ直したりと、振り子のように毎日自責と他責を揺れ動いてバランスをとっているような気がします。
自責したっきり戻ってこない人たち
ところが、このバランス感覚が圧倒的に足りない人たちがいます。自責側に振り切って戻らないのです。私もそうですが、そのような人たちは、かなり強く他責方向へ引っ張らないとニュートラルな位置に戻りません。つまり、自分を責めてばかりの毎日になってしまうのです。
なぜそうなるのでしょうか。私の経験から考えると、次のようなプロセスでした。
- (仕事などで)ミスを頻発する
- どんどん自信を失っていく
- 「自分が悪い」と常に考えるようになる
さらに、私はプライドだけは高かったので、ちょっとしたことでも「こんなはずはない!なんてことをしてしまったんだ!」と落ち込みの落差が激しかったのです。
そんなことも手伝ってか、怒られてばかりだと、なんでも自分が悪いとしておいた方が楽という思考になりました。ある種の思考停止ですね。また、「自分が悪いのですが…」と言っておけば、周囲からの怒られも少し和らぐので、逃避行為だったのかもしれません。
自責思考に留まり続ける理由、少なくとも私はこのようなものでした。
他責思考へ強く揺り戻す
その仕組みを知ってか知らずか、今私は安易に自責に持っていかれないための思考を自分に課すようになりました。と言っても大したことはしていません。役割分担と責任の所在を意識するだけのことです。しかしそれは自分にとっては大悪人になるのと同じくらいのことでした。
ここがあまり理解されないんですね。
- 自責が-100
- どちらでもないニュートラルな状態が+/-0
- 他責が+100
という数直線を思い浮かべてください。
「他責思考を取り入れよう」と言うと、+100の位置にいる完全な他責思考をイメージされることが多いかと思います。
しかし、私が伝えたいのは「-100の位置にいる人は、+100して0の位置になろう」ということです。+の方向に100の力を加えたとしても、もともと-100の位置にいた人は0になるだけです。
言い換えると、自責が過ぎる人は、少し無理して他責思考をするようにしてバランスを取ろうといったことでしょうか。
他責思考へ引っ張る方法
そこで、自分を他責の方向へ引っ張るにはどうしたら良いかという話になります。先に挙げた通り、役割分担と責任の所在を意識することです。これを頭の中だけでやろうとすると難しいので可視化します。
私の場合は、タスク管理支援ツールのボール持ちの概念がこの役割を果たしてくれました。
上は先日開催したイベントのスライドの一枚です。ツールの画面キャプチャの中でクリーム色の「当方」、赤色の「先方」というタグがあり、これが責任の所在の可視化です。
たったこれだけと思う人もいるかもしれませんが、私にとっては自責思考を脱する良いきっかけとなりました。
最後に
このやり方に慣れると、次第に他責領域に行きがちになってきます。これまた自責方向への揺り戻しが必要になります。そうやってあっちへ行ったり、こっちへ行ったりの繰り返しが健全な状態なのかもしれないと思っています。