それでもタスク管理をやった方がいい理由。
タスク管理実践者でも好不調はある
タスク管理マニア、タスク管理の猛者だからといって仕事などのタスクをうまくこなせるようになるとは限りません。
タスク管理支援ツール「タスクペディア」を通してタスク管理を普及する活動をしている「チーム・タスクペディア」は、いずれも引けをとらぬタスク管理実践者ですが、それでも好不調の波があります。
タスク管理は「うまくいく魔法」ではない
「それでも」ではなく「だからこそ」かもしれません。というのも、タスク管理は仕事が必ずうまくいく魔法ではないからです。
厳密にいうと「タスクを実行するにあたり無駄を省いてくれて、結果的に仕事がうまくいくことはあるかもしれないが、仕事を進めていく上での全ての問題を解決するものではない」と考えられます。
例えば、明らかに自分のキャパシティを超える質や量の仕事を抱えたとします。ある程度はタスク管理でどうにかなりますが、絶対的に質や量が過多だった場合はそうはいきません。
その場合、タスク管理の問題ではなく、そもそも引き受ける仕事の量を調整したり、「これは自分には難しい」と別の提案をした方が良い場合があります。
いずれにしても、タスク管理に万能の魔法のような効力を期待するとうまくいきません。
タスク管理不調のその先
タスク管理をやってもうまくいかないときには「際限なく仕事を引き受けてしまう自分の価値観」だったり「この人から頼まれると断れないという人間関係」があったりします。そうなると、仕事の進め方ではなく考え方・生き方をどうするか、という話になりますね。
そうなると、例えば「残業モリモリ派だったけど、少しずつ少なくしていこう」と考えたり「もっと他人に振れるようにしよう」としたり、考え方や価値観を変えて働き方を考え直すようになります。タスク管理という仕事の進め方のような実務レベルの問題ではなく、もっと上のレベルの問題としてメスを入れることになります。
それでもタスク管理をやった方がいい理由
「タスク管理」は、「抱えているタスクの"現状"を視覚的に把握する」ために行う。単にそれだけであって、タスクが急に進むようになるとか、魔法が掛かったようにやる気が出る、訳ではない。
— ひばち (@Evaccaneer) 2019年8月6日
現状を正しく把握し続けることで、「今自分がやるべきは、これ」という決断に、確信を得るために行うもの。
タスク管理の得意とする実務レベルよりも上の次元で解決しなければいけないことがあるからといって、タスク管理をやらない方がいいという理由にはならないと私は思います。むしろ、だからこそやった方がいいと考えています。
仕事がうまくいかなくなるときは、経験上じわじわとその悪影響が進行していきます。一気にうまくいかなくなるのではありません。症状が分かりづらいのです。「あっ」と思ったときにはもう身体がいうことを聞かなくなってしまった……。私の経験上、そんな感じで仕事が行き詰まっていき休職に至りました。
タスク管理をしていると、その症状に気が付きやすくなります。
- 明らかにタスクの量が多い
- 締切を過ぎても手がつけられていないタスクがある
- 自分で抱え込んでばかりいる
そんな状況は、書き出して向き合ってみないとなかなか把握できないものです。逆に、把握できるからこそ好不調に敏感になり、問題が小さいうちに手を打つことができるわけです。
だから、タスク管理実践者にも好不調はあって当然だと私は考えています。一番避けなければいけないのは、不調なのにそれに気が付かない状態です。そうならないために、タスク管理を。