ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「詰めが甘い」発生のメカニズムと対策

詰めが甘いというのは、

 

ある仕事を完了させるのに必要な段取りの最後の1つか2つが欠けたまま「終わった」としてしまうこと

 

だと考えています。あくまで私の定義に過ぎないですが、豊富な私のツメアマ経験に裏打ちされております。


「段取りがあるのに、わざわざやらないで終わらせるなんて」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、詰めの甘さは現実に多発しているのです。


プリントアウトを渡さないメンバー

先日、ある部署の課長が、以下のような内容のメールを同じ部署のメンバーに出して指示していました。


「受注確率が高いランクの案件リストを見て、その案件所在地の地図を印刷して部長に提出する必要がある」

 

「リストにはメンバーの名前を担当者として入れて、スプレッドシートで共有した。このリストを参考に印刷して欲しい」

 

「印刷したら、スプレッドシートにチェックの上、印刷したものに案件名を書いて私まで渡してほしい」

 

結果、プリントアウトだけして渡さずにずっと持っていたメンバーが何人かいたそうです。

 

なぜ渡さないのか。

 

アハ体験状態

課長さんは別に嫌われてはいません。指示は口頭ではなくメールでしています。普通に考えたら、なぜだか分かりませんね。


私なりの答えは、メールを読んでいるようで読んでいなかったからだというものです。


視界に入っていても頭に入ってきていないことはよくありますね。画像の一部が徐々に変わっていても気が付かないという茂木健一郎さんのアハ体験などはその最たるものではないでしょうか。


それと同じで、メールの内容を読んだつもりになっていても「私まで渡してほしい」という部分が頭に入っていないのです。


「メールをちゃんと読んで」と言えば「申し訳ありませんでした。次から気を付けます」と返ってくると思います。本人にも悪気はないはずなので、気を付けてくれるはずですね。


ただ、次は同じような展開にならないという保証はありません。ここで課長は頭を抱えることになります。


仕事には目的と段取りがある

当たり前のようですが、仕事には目的(欲しい結果)と段取りがあります。メールの文章から、次のような構造を読み取ることができます。


目的:

地図のプリントアウトを課長に提出

 

段取り:

①該当案件を印刷

②リストにチェックを入れる

③課長へ提出

 

指示を受ける方にこの目的と段取りの構造があらかじめ入っているかどうかが、かなり重要なのではないかと思っています。

 

目的と段取りを把握していないと、詰めが甘くなりやすい

欲しい結果を「課長に提出」と認識していれば、せっかく作った印刷物を課長に渡すはずですね。

 

そこまで言語化せずに、リストにある案件の地図を印刷して満足して(誰にも渡さずに)終わらせてしまうのは、目的(欲しい結果)を認識せず、段取りの把握もされていないからではないかと思います。

 

タスク管理メソッド"GTD"の「見極め」ステップは、この目的と段取りの可視化・言語化に焦点を当てています。

 

多かれ少なかれ、仕事をする上では目的と段取りを明確にするものですが、無意識にされることが多いので、抜け落ちることがままあります。

 

そうならないよう、必要なステップとして意識的になっておくと、詰めが甘いミスをする確率は格段に減らせるのではないかと考えています。

 

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