すべてのタスクが最優先と思ったら、やらない勇気を。
仕事の山に埋もれてニッチもサッチもいかなくなってしまう人には、2つのタイプがあると思います。
1つは、仕事のすすめ方に無駄が多く、結果的に自分のところで多くの仕事を止めてしまう人。もう1つは、仕事が集まりすぎてキャパオーバーになっている人。
前者は、一般に「仕事ができない」と言われてしまうことが多いですね。逆に後者は「仕事ができる人」であることが多いです。でも結果は同じなんです。
話は少し外れますが、「仕事ができない人」と一刀両断に評価するのは良くないと思っています。もちろん、得手不得手は個人により差があります。だからといって「仕事ができない」「ダメなやつだ」などと決めつけたくはありません。それは、その人の能力の問題というよりは、やり方の問題であることもあるからです。この本の「おわりに」では、このように書いています。
「仕事の要領」の実体はノウハウでしかなく、天賦の才ではないということです。練習すれば身につきます。実際、ADHD 特性のある私でも要領を「つくる」ことができました。
話を戻します。
前者(仕事ができないと言われがちな人)は、自分でも変えなければいけないと思うことが多いです。これに対して後者(仕事が集まりすぎてキャパオーバーになっている人)は、多少その状況に満足感を覚えている傾向があると思います。だから、実は前者より後者の方が変わりづらいのです。
本の中でも、「優先順位がつけられない」というCHAPTERで「すべてのタスクが最優先になってしまう」という悩みを取り上げ、やらないこと・できないことを決めようという話をしています。
たくさんの仕事をバンバンこなす自分を想像するのは気持ち良いものです。しかし、現実には時間や体力といった制約があるので、やりたくてもできないことだらけです。その中には、おそらく自分がかかわる必要のない仕事も含まれているはず。仕事が集まりすぎてキャパオーバーにならないためには、それらを手放す勇気が必要になります。
そこで、次のように話を締めくくりました。
つらいですが、自分が関わらなくてもいいタスクを「やらない」という選択をする。その結果、自分の仕事がスムーズになります。
自分軸を保ちつつ周囲と協力していくには、このスタンスがとても重要だと思っています。