本を「本」以外のものとして売る。
本を本として売るのはもう時代遅れだなどと申しますが、たしかに、昔に比べれば本を読む時間はテレビやスマホに取って代わられている感があります。
そんな中、この本をどう売ればよいのかを考えてみました。
この本の出版元、サンクチュアリ出版の編集長、橋本さんはこのようなnoteを書いています。
先日、電車で一人客がなにをしてるか、
かずを数えてみたら
90%スマホ、5%が目を閉じている、
残りの5%が「虚空を見つめる」「競馬新聞」「参考書」「マンガ雑誌」「本を読む」のどれかでした。
スマホが増えてるのは当然だと思ってたけど、
もう「本を読んでる人」は一車両に一人いるかいないかって状態になっていることには驚きました(地域差はあると思いますが)。
みんないったい、いつ、どこで本を読んでるんだろう?
そうですね。
私、電車内で本を読むことなんて年単位でも数えるくらいです。
とはいえ、売り方次第で本はたくさんの人に読んでもらえます。印象的なのは、SHOWROOMの社長前田裕二さんが書いた「メモの魔力」。100万部売ることを目標に、前田さんみずからSNSで読者とコンタクトをとり、販促にいそしんでいます。ただでさえ忙しいはずなのに、その努力たるや目を見張るものがあります。
また、キングコングの西野亮廣さんが出版した絵本「えんとつ町のプペル」。絵本の特性を生かして、売れる導線を見事に描いています。その特性とは以下のもの。
- ベストセラーになると長く売れ続ける
- 絵本は「読み聞かせ」需要がかなりある
- 読み聞かせ本を選ぶ際、ハズレはひきたくない(だから、ベストセラーばかり売れ続ける)
そこでえんとつ町のプペルを売るために採った方策は、絵本全文公開というもの。あらかじめ絵本の中身をネット上で立ち読みできるようにしています。絵本を買うのはほとんど親。自分が本を読むためにというよりは、子供に読み聞かせする時間のために買います。
こうなると、えんとつ町のプペルは絵本というだけでなく、子供に読み聞かせをするためのコミュニケーションツールにもなります。親としては、子供と一緒にいられて、しかも喜んでくれるものは欲しい。無理矢理押し付けてくる感じのない、良い売り方だと思います。
では、この本は読者さんのどのような行動を想定すれば良いのか。
私は、この本をぜひ「お守り」として考えて欲しいと思っています。
この「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」は、自分の経験から「こんな風に仕事をすすめるとラクですよ」という話をするイベントから端を発しています。読者さんはおそらく書いてある内容をそのまま実行したり、部分的に生かしたりすると思います。
そうしていくうちに、本が自信の源になっていくと嬉しいなと。
本の中身は、大別して「仕事の進め方の基本」と「個別の仕事術のヒント」に分かれています。本の内容を実践していけばいくほど、落ち着いて仕事に取り組めるようになるように書きました。だから、最終的には「中身は全部知っていて読むことはないけど、持っていることで自信が湧く」という存在になったら、私にとっては最高です。
ということで、本という体裁をとっていますが、ゆくゆくはお守りとしてお持ちいただきたいと思います。