物事を達成しやすくなるスキルの育て方
こんなツイートをしました。
「なるほど」を口癖にする…なるほど!
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年12月30日
私の開口一番の一言は「なるほど」「いい(です)ね」です。その方が話が広がったり建設的な展開になります。https://t.co/L8eMzuUyNl#Voicy
「なるほど」「いいね」の効能
この考え方はとても良いと思っています。手段にこだわらずに目的を達成しようとお互い自由に考えられるからです。
「なるほど」「いいね」ではなく否定から入ってしまうと、よくよく検討したら良い目的だったのに…という場合に後戻りできません。
端(はな)から否定せずに、その結論や目的について検討してみようという協力的な姿勢が、もしかしたらより良い結論や目的を生むかもしれません。
否定から入ると話はそこで終わってしまい何も生まない。否定しない「なるほど」「いいね」から入ると、話が進み、なんらかの成果につながりやすい。そう言えるのではないかと思います。
判決の考え方、実は「結論ありき」
裁判官の判決の考え方は、この方法を採っています。まずは直感的に結論を出します。そして、その結論にたどり着ける事実や推論が揃えられるかを考えるのです。揃えられなかったら、その結論は間違いです。
大事なのは、直感、つまり最初に出た結論をむげに否定しないことです。だから、裁判官の頭の中では、ひとまずの結論を出す自分に対して「なるほどね」「いいね」と言って話を展開させるのです。
裁判は期日までに必ず結論を下さなければなりません。「いろいろ考えたんだけど、分かりませんでした」という判決文なんて見たことないですよね(笑)
「結論ありき」思考スキル
そうなると、相手が言ってきたことに対して、その目的・結論を汲みとれるかが大前提となってきます。たとえば、「今日、会社の登記簿謄本取りにいけるかな?」と言われて、今日取りに行くのが難しかったとします。そこで「今日は無理」とだけ答えるのは簡単です。ここで「なんで必要なの?」と聞けるかどうかが、結論を知るスキルの有無を分けます。
そこで「明日までに都に提出しなきゃいけない助成金の申請書類の中に、登記簿謄本があるんだよね」と言われれば、目的は「明日までに都へ助成金申請書類を提出」だということが分かります。そこまで分かると、「だったら、明日の午前中なら取りに行けそうだけど、間に合う?」というやり取りができるようになります。
最終的に何をしたいのか。つまり、結論や目的は何かを意識することを習慣化すると、提示された手順はできなくても目的を達成する方法を考えることができます。これが「結論ありき思考スキル」です。
結論ありき思考スキルの育て方
このスキルは、まずとっかかりとして「なるほど」「いいね」と開口一番言えるようになるところから始まります。それができれば、その後に「この件の結論・目的は何だろうか」と常に考える癖をつけることができます。この癖が身につくと、結論ありき思考が勝手に育っていきます。
さらに言えば、結論・目的を毎度言語化、つまり書き出しておくようにしておけば、スキルは急速に成長します。
タスク管理メソッド"GTD"は、目的の明確化・言語化を必須としています。「なるほど」「いいね」の後に必要になる、結論・目的を意識するスキルがガンガンに育ちます。
こちらの拙著の中で紹介している「手順書作り」でもチャプター1の「タスクに名前を付ける」という箇所で実践できますので、よろしければご覧ください。
また、それも含めた一連のタスク管理の基本が習得できるツール「タスクペディア」なら、無料で使うことができますので、こちらもぜひ。