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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

社内GTD実践プロジェクト進捗

会社で進めている「GTD実践プロジェクト」、粛々かつふつふつと進捗しております。目的は「社内にGTDを広め浸透させる」

 

そもそもはQCサークルとして始まりました。活動が認められ、メンバーはそのままに正式に社内プロジェクトへと昇格し、5ヶ月が過ぎようとしています。

 

メンバーは、プロジェクトリーダーが私。紙でタスク管理ツールを作ってGTDマスターへめきめきと成長したSさん。超速の理解力と本質を見抜いて議事進行を助けてくれる(別の)Sさん。タスク管理初心者ならではの視点で意見を言ってくれる、タスク管理勉強中のOさん。

 

この3人の方は部署は同じではありませんが営業事務をしています。営業事務といっても、他の中小企業の例に漏れず、ルーチン業務だけでなく、営業担当から投げられる無茶振りにも対応したりすることもままあります。

 

さらに、営業事務を束ね、実は裏のプロジェクトリーダー的な活躍を見せてくれているWさん。この方がいなければとっくのとうにプロジェクトは頓挫しておりました。

 

今、このプロジェクトの活動内容は「GTD説明パワーポイント資料を作る」です。誰に対する説明か。中途も新卒も含めた新入社員に対するものです。 

hochebirne.hatenablog.com

 

まずはWさんの提案による社内へのGTDの浸透戦略が鮮やかでした。タスク管理の猛者から私が聞いた「社内でタスク管理への理解を広めようとしても、正攻法ではまず難しい」という話をしました。それに対し「会社のやり方に染まる前に我々で染めてしまおう!」という案を出してくれました。新入社員研修に入れるという提案を経営層の会議に諮り、承認してもらいました。

 

さらに、どのようにGTDを伝えるか、という問題が立ちはだかります。ここでもWさんのアイディアが冴えます。我々プロジェクトメンバーだけがやっていくものではなく、他の人も説明する側に巻き込めるようにすることで、より一層の浸透を図るというものでした。そのため、パワーポイントの説明資料と説明用の台詞をセットにしたものを用意することにしました。誰が説明側に立っても、少なくともこの通り読み上げれば研修が成り立つものを作ろうということです。

 

GTDを広めようとしても、結局言い出しっぺの情熱に頼らざるを得ず、属人化してしまうのが、タスク管理を社内に浸透させる上での失敗パターンです。そこを仕組み化して属人性をなくし、失敗を回避するという狙いです。

 

先日の定例ミーティングで、その叩き台をベースにブレインストーミングを行いました。各自が建設的に意見を出してくれ、確実に「アンチョコ付GTD説明パワポが出来上がりつつあります。

 

新入社員には、シレッと「これがうちの会社の仕事に対する基本的な姿勢だから」と説明し、GTD理解への土壌を作る。既存社員にも「自ら説明する」場を持ってもらい、説明するからには理解してもらう必要があるので結果的に浸透の一助となる。

 

私は「おー!いいねー!」「へー」「やるねぇ」とか言ってるだけなのですが、着々と目的に向かいつつあります。

 

1つ誤算だったのが、会議後にこっそり聞かれた、Oさんからの質問。

 

「アンチョコって何ですか?」

 

……死語なのでしょうか……

タスク管理を身近に感じてもらう講座をしました。

光明が見えてきております。

 

「タスク管理」って、マニアックっぽくて、訳分からなくて忌避されがちなんですよね。「タスクって何?」「管理って、何かに縛られるの?」といった感じで。

 

実際、私が自身の就業環境への適応という問題を解決した、エクセルのタスク管理ツールは、他の人たちに広く受け入れられるとは限らないのです。就業場所や就業形態が原因でエクセルが使えない、そもそもエクセルを使うスキルが無い、といった理由で、タスク管理の恩恵を受けられない人が少なからずいます。非常に残念です。

 

それと、そもそもタスク管理自体を避ける人もいます。当たり前だと思います。私も以前は「面倒くさい」「難しい」と思っていましたので、その気持ちは分かります。

 

しかし、タスク管理、特にGTDの根底にあるものは、決して一部のマニアだけが楽しむようなものではない、すべての人に役に立つ知恵の源泉が流れているのは否定できません。

 

それを実感してもらえるような説明を、私が週一で講座を受け待たせていただいている障害者就労以降支援事業所EXP立川で試みてみました。

 

私はかねがねGTDと料理のレシピとの共通性を感じていました。そこで、女性スタッフと共に「夕食の献立を立てて、そのレシピを作る」というワークをしました。具体的には、カレーとサラダを作るということを決め、それぞれの自分なりのレシピを作って発表してもらうという内容です。

 

「タスク管理」という枠から外れて、各自のカレーの作り方の工夫などに「おお〜!」「そんなやり方があったのか!」と声が出たり、「ちなみに肉は豚?鶏?牛?」とその場でアンケートをとりだす利用者さんがいたり、とても和やかに進めることができました。

 

その和やかな進行に一役買っていたのが、女性スタッフさんの細やかな演出。エプロンを着て説明してもらったり、キューピー3分間クッキングの音楽をかけたりしたこと。完全に遊びですが、その女性スタッフさんはとても人柄が良く利用者さんからも信頼されているので、ウケは良かったです。

 

利用者さんは、料理となると大した苦労もせず手順を書き出すことができていたのも印象的でした。さらに、鍋で煮込んでいる間にサラダ作りを進める、といった、GTDでいう「マルチタスク類似のシングルタスクの連続」を当然のように行なっていることも、改めて分かりました。

 

ひとしきり終わり、午後に「料理もタスク管理も根っこは同じ」ということをお話ししました。講座後の利用者さんのアンケートには、私の意図が伝わっているようなコメントが書かれていて大変嬉しかったです。タスク管理GTDの理解への光明が見えてきました。

 

一気に理解してもらうのは難しいと思いますが、分かってもらって、より前向きに取り組んでもらえるように工夫をしていきたいと思います。

「優先順位はどうしたら付けられるようになりますか?」への答え

また優先順位について考えてみました。なぜこんなにこだわるのか。それは、私がやっているイベントでよくある質問が「優先順位がつけられないのですが、どうすれば良いですか?」というものだからです。そして、それに対する、タスク管理手法"GTD"の開祖デビッド・アレンの最も端的な答えが「それは直感だ」という分かりにくいものだからです。

 

そりゃないぜ、デビッド!

HAHAHAHA!!

 

もうちょっとマシなことをデビッド・アレンは言っているのではないかと思っておりまして、彼の著作を読んでいてちょうど今見つけたのでお知らせします。  

たとえば、タイヤを交換する、というプロジェクトがあったとしよう。この一見、「重要だけど緊急ではない」プロジェクトはある時点を越えると、「重要かつ緊急な」プロジェクトに変貌する。(中略)次に取るべき行動が、昨日までは「カー用品店に電話してタイヤの値段を調べる」だったのだが、今日は「修理店に電話してパンクを直す(そして値段なんかはどうでもいい!)」になってしまう。優先順位はこうして破綻していき、その結果多大なる被害を選択の余地なくこうむってしまう場合が往々にしてある。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

「直感だ」に近いことを言っているようですが、私には納得感があります。

 

大原則は「いついかなる時でも不変の優先順位を決めてくれる公式は無い」ということだと思います。私が優先順位をつけられずに困っていたら、まずそういった公式のようなものを教えてくれることを期待します。残念ながら、そのような公式は無い、というのが私の意見です。

 

もちろん、ある条件下で有効な公式はあります。「重要度が高い」「緊急度が高い」という考え方に基づき、「締め切りが早い順」「依頼してきた人が偉い順」「手間がかかりそうな順」「やりたい順」「やりたくない順」などの公式があります。でも場合によって適用すべき公式は変わります。このことが抜けていることが多いです。抜けていると、「重要だけど緊急ではない」が「重要かつ緊急」に変わるとどうしたら良いか分からず立ちすくんだりするのです。

 

一番避けなければいけないのが、このどうすれば良いか分からずに放置しタスクを地雷化させてしまうことです。その場に応じて適用させる優先順位決めの公式を変えることへの覚悟がつけば50%は避けられる可能性が上がります。

 

残りの50%は何か。それは、「この公式でいく!」と決めたら即着手できるようにしておくことです。そのためには、タスクを具体的な行動に細かく分解して目の前に並べておくことです。これで、デビッド・アレンの考える「直感による優先順位付け」をすることが可能になります。

 

終わりまでの見通しがつくとストレスが激減する

仕事が嫌だという理由はいくつかあると思います。自分の意思とは別の作業を強いられるのが嫌だ、人間関係が悪い、通勤が辛い、などなど。

 

私が仕事というものに感じてきた辛さの本質は何かと考えました。それは「見通しが立たないのに締め切りだけ設定される」ことに対して強いストレスや焦りを感じていました。

 

仕事自体はそんなに嫌いじゃない、という人は案外多いです。私もそうです。自分の行動によって誰かの役に立つのは嬉しいものです。しかし、簡単に人のお役に立てるわけではなく、決められた期限の中で煩雑な事務処理をこなしたり、アイディアを捻り出したりしなければ誰かの役に立つようなものにはならないというのが「仕事」の残念なところです。

しかし2001年にGTDと出会い、その「うまくいく考え方」を身につけることができてからは、以前はストレスだと感じられていたものも自分に対するチャレンジだと受け取れるようになった。(中略)そもそも楽観主義である、という個人的な性格によるところも多いだろうが、すべてのやるべきことをつねに把握し、今何をすべきかを意識的に選択していればこそ達することができる境地だと確信している。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」監訳者あとがき  より)

 

いわゆる「GTD本」の監訳者田口元さんはあとがきでこのように書かれています。私も同感です。GTDにより、やるべき仕事の「見極め」をすることで終わりまでの見通しが立つので前向きに取り組めるようになりました。

 

見極めは「求めるべき結果(目的)を明確にする」ことと「達成までの手順を細かく分解する(少なくとも一手先の手順を明らかにする)」という2つのことからできています。見極めができることにより、例えばドライブであれば、目的地がどこなのか、どういう道順で行けばよいのかという「見通し」がつき、あとはその通りに車を運転するだけで済みます。見通しがつかないことによる不安・ストレスが解消されます。

 

仕事のストレスのうち、私が大きく感じていたものは、「いついつまでにあそこらへんに行け」としか言われないことで生じる「見通しのつかなさ」でした。タスク管理は見通しをつけられる勝ちパターンを手に入れることが可能です。このストレスが解消できるだけでも、相当変わるものだと実感しています。

人生の醍醐味をGTDがお膳立て

自分のやりたいこと、人生の目標、夢のようなものが見つかった人は幸せです。そんな人は、夢に向かって脇目も振らず一直線に進んでいくのでしょうか。いや、そういう人も、かなり特別な状況ではない限り、日常的に発生するタスクからは逃れられないと考えます。

 

例えば、難民を救済したいという夢があったとします。素晴らしいことです。NPO法人を作って救済活動をしていこう、という話になりますね。そのための法人設立の手続、書類作成、有志の募集、資金集め、夢の実現にはそういった実務的なタスクをしなければなりません。

 

そして、夢が胸中にあっても、書類作成などの煩雑なタスクに埋もれて、いつしか夢の実現が面倒くさくなったりします。

 

さて、だ。本当に我々はトップダウンで考えるべきだろうか。もっと優先順位の高そうな目標や価値観、戦略などから始めた方がいいのだろうか?(中略)

ごもっとも、ではある。しかし、私たちはそういう取り組みをしない。なぜなら、頭の中の「やりかけの仕事」に心のエネルギーがほとんど吸いとられている状態では、広い視野に立つことなど不可能だからである。時々刻々と変化する現実に即して考えるための想像力を効果的に引き出し、利用しやすくするためには、まずは心のメモリの空き容量を増やしてやらなくてはならないのだ。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

夢の実現、少なくとも月単位でやるべきことがある場合、頭の中に雑務を溜め込まず心のメモリを空けなければいけない。

 

やりたいことの実現に向かって進んでいるときはとても楽しく充実するものです。人生の醍醐味かもしれません。それを味わうためにも、GTDは一役買っていると言えます。

 

GTDを維持する「努力」

タスク管理手法"GTD"の開祖デビッド・アレンは、GTDを実践するにはどうしたら良いか」というインタビューに対してこのように答える、と自らの著作で書いています。

「5段階の行動をすべてきちんと実践することです」と、私は答える。「まず、頭の中にあるものを洗いざらい書き出す。緊急事態になってからでは遅いのです。アイディアが出てくるたびに、それを実現するための次の行動を決め、やろうと思うプロジェクトとそれぞれを達成するためにとるべき行動を適切なカテゴリーに整理するのです。そして、どんなときでもシステムをつねに更新して、十分に見直しておくことです。そうすれば、日々の生活の中で自分の決断に自信が持てるようになります

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

この一節にすべての要素が含まれていると言ってよいと思います。

 

この流れを心地よく実践できるために、さまざまなツールが作られてきたと言っても過言ではないと思います。

 

タスク管理に慣れてくると、「5段階の行動をすべてきちんと実践」という基本中の基本がおろそかになりがちです。GTDは、実践しさえすれば自分の生活に多大な良い影響を与えてくれますが、それだけに、GTDの5段階の行動に抜かりがあると、あっという間に元の木阿弥になります。

 

GTDの効果を体感するようになると、ツールに書き込んだり、更新したりする作業そのものに充実感を覚えるようになります。逆に、それまでは「5段階の行動を『すべて』『きちんと』実践」する努力が必要になります。「タスク管理」という言葉に「軽々と仕事をこなしてデキる人になる」といったフワフワしたイメージがあるのだとしたら、それは考え直す必要があると思います。

 

どんな道でも、真摯に努力することは必要です。ただ、努力の方向性を間違えると結果につながらないこと、正しい努力をしても結果に結びつかないことは多々あります。しかし、ことGTDを実践することに関しては、その5つの行動を維持継続していこうという努力は嘘をつかないというのが、私の実感です。

どうやって優先順位をつけるのか?

タスク管理手法"GTD"の考案者デビッド・アレンは、どうやって優先順位を決めたらよいかという質問には決まって「あなたの仕事はなんですか?」と答えるそうです。

 

質問に質問で答えられたらイラっとしますが、それは置いておきましょうか。

 

デビッド・アレンは、至極当たり前のことを言っているだけのように思います。優先順位をつけるには、その対象となるものが全部目の前に並ばなければならないのです。

ある活動が他の活動よりも重要かどうかを決めるためには、何を続けていきたいのか、何を達成したいのか、あるいは何を経験したいのか、という基準がなければならない。つまり、自分の仕事が何なのかを把握していなければならないのだ。あなたの今の「仕事」とはどういうものなのだろうか?あなたはその全体像を把握しているだろうか。それを明らかにすることは、思っているよりも難しい。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

 

例えば、1000個の仕事が目の前にあったとします。1000個全てを今日中に終わらせなければいけないが何から取り掛かれば良いか分からない、というのは優先順位づけの問題ではないものだと思われます。会社の仕事であれば、即刻上司に現状を相談して仕事を他の人に回したり、締め切りを伸ばす交渉をしたり、「これ、やらなくてもいいですか?」と訊くしかない状態です。1000個の仕事の着手順を入れ替えてどうにかなるものではありません。

 

つまり、まずは優先順位づけの問題なのか、それともそもそも実行不可能なことを強いられているのかの判断が必要、ということになります。そのためには、自分が抱えている仕事の総量の把握をしないといけない。だからこそのデビッド・アレンの答えなのですね。

 

自分が抱えている仕事があって、それが自分の持ち時間内に終わることができるのであれば、ここではじめて優先順位づけの出番となります。

 

おそらくですが、優先順位がつけられなくて困っている人は、予想もしなかった仕事が後から湧いてきて手がつけられなくなるということがよくあるのではないでしょうか。これまた、自分の抱えている仕事を全て把握していれば発生しない現象です。

 

たとえ後から湧いてくる仕事があったとしても、湧いてきたら「自分の抱える仕事」リストに加えれば良いので、問題ありません。

 

GTDで最初にすべきこと「タスクの把握」は、優先順位づけに対しても私たちを助けてくれます。まずは全タスクを書き出すことからです。