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ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

GTDにおける「タスクの実行順の決め方」問題

GTD本で私がピンとこないもの

GTDは良い仕事術です。GTD本は、ときおり読み返しては新しい発見があったりする大事なものです。そんな本でも、文字数を割いている割にはピンとこないものもあります。目標や夢のように、抽象度が高いものをどうやって実現していくかという「高度」の話と、優先順位をどのように付けていくかという話です。

 

GTDはとにかく「具体的な方法論へ落とし込む」ことを是としています。本でも、具体的な状況を想定して書いています。ところが、この2つの内容は他の項と比べて具体性が薄いような気がします。

 

2つのうち、優先順位付けについて、なぜピンとこないのかを書いてみたいと思います。

 

GTD本での優先順位付け

優先順位は何を根拠にしてつけるのか、というお題に対しては「その時の直感で選ぶ」という回答が本にはあります。その場その場で選ぶべきだということ、つまり、あらかじめ一部のタスクを選び出して実行順を決めることを真っ向から否定しています。

 

実際のところ、リストに挙げた全ての行動がその場その場で選択肢になりうる。これらを単純にABCや123というふうに分類し、一部のものだけが本当に優先的にやるべきことだという考えにとらわれてしまうと、それらをしていないときに不安が生じ、生産的に活動できていないと感じてしまう。これは自分で自分を追い込む行為であるし、そもそも間違った認識である。

(「ストレスフリーの整理術 実践編」より)

 

基準は「直感」

どのタスクを実行するかという選択の基準は直感であると言っています。直感による判断には、材料となる「状況」「時間」「エネルギー」という3つの要素を鑑みて、最終的には直感で選ぶということが、GTD本からは読み取ることができます。

 

例えば、PCを使う作業であれば、PCの無い場所でそのタスクを選択することはできないですね。締切が1時間後のタスクと4日後のそれでは、1時間後に締切のタスクを優先して実行します。データ入力という単純作業はエネルギーをあまり使わないのに対し、気難しい担当者がいる取引先へのミスのお詫び行脚は大変エネルギーを消耗するので、元気がある午前中にお詫びに行こう、という選択をします。

 

また、上記3つの他にも、どのタスクを実行するかに影響を及ぼすのは、自分の方向性、信念、夢、好み等といったものもあります。

 

「なんやかんやあって直観」

私が本を読んだ感じだと、タスクの実行順序は「色々な基準があって、まぁ結局まとめると直観ってことになるわな」という印象です。具体的な方法論を旨としているGTDの解説にあって、具体的な方法論まで言及されることなく終わっているので、そこに穴がぽっかり空いているような感じがしたのです。

 

ただ、結局これは具体的な方法論まで言及できなかったのではなく、言及しなかったということなんだろうと思います。仕事術を長く研究した上にGTDを打ち立てたデビッド・アレンですから、「ええい!めんどくさい!」と、そこだけ書かなかったということは考えづらい。ここまでにとどめておくのが最良だと考えたのだと思います。

 

自分の優先順位の付け方を考えてみると・・・

自分の仕事で、何をおいても必ず最優先するという条件は何か?をいくつか考えてみました。締切が目前に迫っていて、締切が後ろ倒しできない時。上位の職位の人から頼まれた仕事。完了までに長い時間がかかると思われる仕事。一手間では終わらないが、すぐに終わる仕事。ちょっと考えただけで、上で挙げたタスク選択基準の3つ以外のものも出てきます。となると、やはりその場その場で状況判断をして、次にやるべき行動を選択するのが良い、というのは頷けます。むしろ、判断基準項目を100個なら100個と確定させてしまっては、その判断基準項目数がいくら多くてもその時の最良の選択をすることから自分を遠ざけてしまう結果になると言えます。だからデビッド・アレンはあえて限定せず「直観だ」と言ったのでしょう。

 

優先順位付けの曖昧さは善か悪か

GTDのフロー等では具体性があればあるほど良しとしながらも、あえて優先順位の判断については抽象的なレベルにとどめている。これは悪くないと思います。複数のタスクを目の前にした時に、自分の置かれている状況を直観を頼りに判断することは精神力を削られるかもしれませんが、これは必要なのだ、と割り切ることが必要なのかもしれません。私は優先順位を決めるルールを決めてはいませんが、そうだからこそ対応の柔軟性を保つことができているような気がします。