あえてタスクを分解しない
GTD等のタスク管理では、
自分が実行するイメージがつくまで具体的な行動に分解する
ことが大事とされています。
車を整備する
ではなく、
「車を整備工場に預けていいか家族に聞く」
「整備工場に電話をかける」
「車を持っていく」
という風に。
こういったタスク管理手法をあえてしない場合があります。
オーケストラの練習における指揮者の指示です。
「トロンボーン、そこはもっと大きく出して」
くらいの具体性があるときもありますが、
「ヴァイオリン、そこの三連符は前めに!」
という指示もざらにあります。
具体性に欠けますが、あえて細かく言わないことが多いです。
なぜか。
「前めに」と言う時、だいたい指揮者の頭の中ではこんなことを考えています。
テンポを速くすることを意識すると不自然にテンポが速くなってしまうのでそれは避けつつ、
でも、ほんの少しテンポを速くすることで音楽に勢いをつかせたいんだけど、
テンポ速くって言ってしまうと、ただ音楽の速さが速くなるだけなのでそうは言わず、
しかも、勢いを加えるという意味では、すこし音量も大きくして欲しくて、
あとは速い感じをより出すために、1つ1つの音符をもうすこし短くして、
音の立ち上がりももう少し大きくすることでビート感を出したいので、
「前めに!」
これを、タスク管理の定石通りに、1つ1つ分解して説明すると、解説が長くなる上に、聞いている方も混乱します。
タスク管理も時と場合による、ということですね。
私が聞いた中で一番ビックリした指示は、
「ホルン、そこはミス無しでお願いします!ハイッ!」
誰も、しようとしてミスする人はいない(笑)
組織論の題材として、オーケストラと指揮者を取り上げたプレゼンテーションがあります。
興味のある方は、こちら。
イタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」
このブログの冒頭からお読みであれば分かると思いますが、私は、会社のような組織とオーケストラは別だと思っています。
が、その話はまたいずれ。
(忘れるかもしれません!)