空気を読まない大事さ
ADHD等の特徴
発達障害に分類されるADHDやアスペルガー症候群の特徴の1つとして空気が読めないというものがあります。空気を読むというのは、言外の意味を読み取らないということです。「察する」ということができないとも言えます。
具体的に言わないと分からない
ちゃんとした診断名を忘れてしまったのですが、私は発達障害の診断を受けたもののADHDそのものではないので、この特徴は大きくありません。しかし、思い当たる節はとてもあります。ADHDの人に何かを伝えたい場合、言葉に出して言わないと理解されないんですね。
例えば「机の中とかを整理して!」と言われたら、それだけで少し混乱します。「『とか』って何?」という考えが頭の中をぐるぐる回るのです。本来、机の上、机に横付けしている引き出しの中、机の周囲のゴミも整理する、という風に自分で考えて指示の意図を察して片付けるわけですが、「とか」の内容が分からないと、本当に机の中だけを整理したり、「とか」って何だろう?と考えて何も動かなかったりします。
ついでに言うと「整理」という言葉をきちんと理解したのも大人になって随分経ってからでした。「要るものと要らないものを分けて、要らないものを捨てること」なんですよね。このように細かく具体的にならないとなかなか理解できない頭の構造を、どうやらしているらしいのです。
分野によって偏りが大きい
厄介なのは、自分の興味ある分野や好きなことについては、ものすごく頭を回転させることができるのに、興味がなかったり嫌いなことについては、「できるのにやろうとしない」「サボっている」という印象を持たれてしまうという特徴があることです。これが原因で誤解を生んで、人間関係で苦労をする人が多いようです。
具体化するのがタスク管理で必要
タスク管理をしていてつくづく思ったのは、ADHDのこの特徴が役立つということでした。より具体的なレベルまでタスク管理では落とし込むことが必要とされています。先の例でいうと「机の中とかを整理する」という指示ではまだ十分に具体化されていないので「机の中の要らないものを選んで捨てる」「机の上の要らないものを選んで捨てる」「机の引き出しの中の要らないものを選んで捨てる」というように、自分でも分かるレベルの具体的な行動に分解します。
普通であれば「机の中とかを整理して下さい」と言われた時点で、何となく分かっ(た気になっ)て取り掛かってしまいます。後になって「え?引き出しの中はやらなくて良いと思ってた」と抜け漏れが発生したりします。これをタスク管理の手法で先のように分解すると抜け漏れなくできる、という寸法です。
「本当にこんな作業要るの?」という疑念は、しばしばタスク管理の継続を遠ざけますが、きちんと言葉で説明されないと分からない特徴を自覚していた私は、この疑念に惑わされることなくタスク管理を続けることができました。この点では、私はタスク管理に向いていたのかもしれないと思っています。