タスク管理が続かないと悩んでいる人は、力の入れどころを見直してみる。
この考え方が好きです。
仕事の手順書は、自分を動かすプログラムのようなものです。手順書というプログラムを組んだあとは、自分はそれを淡々と実行するだけ。
タスク管理が続かないと悩んでいる人は、大別して次のように別れます。
そもそもタスク管理をする気がない
これは本当に申し訳ない。タスク管理を広める側のプレゼン不足です。せっかく「やろうかな」と思ってもらったのに、次第にやる気がなくなっていくパターンです。
それでも、いっもきでもタスク管理に興味を持ったなら、きっとタスク管理によって得られるメリットは欲しいんですよね。
精進します……。
プログラムよりも実行段階に力を入れてしまっている
このパターンのひとは比較的多いと思います。そもそも仕事は「準備(計画)」「実行」という要素があります。その2つなら、実行するときが本番だ!と力を入れがちなことと思います。
程度の差はありますが、計画つまりタスク管理ツールに手順書を書き出しているときこそ頭を使うべきではないかと思います。
冒頭で紹介した例に沿ってお話しします。プログラマーはプログラムを書くときに全神経を集中させます。できあがったプログラムを走らせるときは、眺めているのみです。
厳密にいえば、プログラムを走らせているときも神経を集中させているとは思いますが、プログラムを書いているときほど頭や手は動いていないのではないでしょうか。
ということで、手順書を作るときにもっと力を入れ、実行するときはもっと力を抜きませんかということをお伝えしたいです。
なお、「何よりもまずはじめに行動せよ」という考え方、私はアリだと思っています。この場合は、あまり最初から後先のことを考えすぎないようにということだと私は解釈しています。「これやったらどうなっちゃうんだろう?」とか「どうせこの行動をしても……」といった雑念を取っ払おうということです。なので上記とは矛盾しないな、と思っています。
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生きづらさがあるからこその、生きやすさ。
東洋経済オンラインで、記事が公開されました。
一丁前に私も「部下」というひとがいたりします。あくまで組織上の呼称で、実際は対等に役割分担して仕事をすることが多いです。
その方はウェブデザインに関するスキルに長けています。広報に関する部門を二人で運営しており、その提供するコンテンツを「デザイン」「ライティング」という両側面で受け持っています。
非常にコミュニケーションも上手で、逆にこちらが学ばされることが多いのです。私がやることと言ったら、
- 好きなだけしてもらって邪魔しない
- 私でもできる仕事を引き受ける
- 壁打ち(話し)相手になる
ぐらいです。人間関係や仕事の成果で悩むことは今のところあまりありません。
そんな(私にとって)恵まれた環境に対して、この東洋経済オンラインの記事。自分と似た傾向の人が上司だったら……と考えてみました。
大事なのは、こちらの締めの一文。
周囲の人の得意・不得意をお互い認め、支え合っていく「ニューロダイバーシティ」の考え方が日本でも広まり、どんな人にとっても働きやすい社会が実現していくといいなと願っています。
「得意なことを生かす」だけでは足りないと思います。不得意を認め合って支え合うのも大事です。そのために必要な工夫を3点挙げさせてもらいました。
この3点「視覚に訴える」「あいまいな表現は控える」「上司のために優先順位をつけてあげる」は、実は発達障害特性を持たない定型発達者にも大変有効です。
個人的には、この3点の工夫は自分に発達障害特性があるからこそできたんじゃないかとさえ思っています。
ここで、こちらのブログを。
むしろ、そうやって嘆き悲しんだことがあるからこそ、いま同じように苦しみ悩んでいるひとたちに対して寄り添うことができるし、力になることもできると思うんです。
waseisalonというオンラインサロンを運営している鳥井弘文さんのブログです。
これだ!と思いました。自分の特性を受け入れて、それでもなんとかやっていく工夫は、発達障害特性の有無関係なくただそれだけで価値があります。自分に発達障害特性があったからこそ、この価値を手に入れることができました。
基本的に、発達障害当事者が社会でやっていくためのライフハックは自分のためのものです。しかし、それは同時に周囲のためのものにもなります。
生きづらさにどう対処すればいいか悩んで得た工夫は、「発達障害当事者にとって」だけではなく、広く一般に価値があるものではないかと思えてなりません。
【告知】
そんな話もしたいなと思っている、10月17日(土)の午後開催するグループコンサルティング。cakesというウェブメディアで連載をご一緒しているりんださんとの共催です。よろしければ、ご参加ください。
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仕事の手順書を作るのは「手順書脳」になるため。
おかげさまで、たくさんの方々にお読みいただいております「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」。
タイトルが長いのと「しごとじゅつ」が「しごとじゅちゅ」となってしまいがちというハンデ(?)にもかかわらず、増刷を重ねています。
この本で一番大事な部分はと聞かれたら、迷わずCHAPTER1の「仕事の基本」だと答えます。
#聞かれたことはない
なぜかというと、本項でご紹介している「手順書」づくりは、要領がよくないと思い込んでいる人にとって必須だと(個人的に)思っているからです。
その理由は2つあります。1つは、自分の抱えている仕事の量や内容が可視化されるから。もう1つは、手順書を作ることによって、手順書のレイアウトが即座に頭の中に浮かぶ手順書脳になるから。特に2つ目の境地まで至ると、仕事を進めるのがずいぶん楽になります。
私が所属している会社は非常に風通しの良い社風です。
#社屋がオンボロというわけではない
自部署のみならず他部署の部長、社長からも仕事の依頼や指示が来ます。しかもハンパないスピードで動いているため、仕事の段取り1つで期待されている流れから外れてしまうことも。
そこで、かなり締め切りまでの期間がシビアな案件に関しては、手順書で作った段取りをあらかじめ説明して相手の了承を得ておくようにしています。
日頃手順書を作るようにしていると、この段取りの説明がスムーズにできるんですね。頭の中に手順書が現れてそれを伝えるだけなんです。
ソロバンに習熟した人は、暗算するときに頭の中にソロバンを置いて計算することが多いと聞きました。それと同じで、思考する際の癖として「手順書」をお勧めしています。
「自分の進め方でいいのか、ちょっと自信がない」
「確認してOKをもらいたい」
「でも、どうやって説明しよう……」
そんなときこそ、常日頃手順書を作っていたことが役に立ちます。
頭の中の手順書を読み上げて、「………という進め方でいきたいと考えています。いかがでしょうか?」と締めくくれば、落ち着いて進めることができます。
ぜひ、手順書を作る習慣をつけて、手順書脳になりましょう!
手順書作りの習慣づけとして、私が原案のタスク管理習得支援ツール「タスクペディア」の利用をお勧めします。無料でお使いいただけます。利用登録はこちらのページから!
なお、2020年10月17日(土)の午後に、このような仕事の進め方のお悩みなどについてわんさかお答えするグループコンサルをしますので、興味ありましたらぜひご参加ください。
YouTuberになっても、タスク管理を説き続けています!
最近、YouTuberになりました。
直近の配信動画はこちら。
https://m.youtube.com/watch?v=HuY8PFNP9Rg
結局、ブログやイベント、本で言っていることをYouTubeで言っているだけなんですけどね(笑)
今回のお題は「マルチタスクができないと悩んでいる人のための仕事術」。
拙著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」でも、このように言っています。
仕事が早い人とは、マルチタスクをあきらめた人です。
優秀な人はたくさんの作業を同時にこなしているように見えます。そのせいで私たちは「いっぺんにたくさんのことをしなければ!」と悩んでしまうのですが、その悩みは幻想です。安心して、目の前の作業を1つずつ終わらせていきましょう。
仕事が早い人は、マルチにタスクをこなしている、つまり同時に複数の作業を行なっていると勘違いをしている人がいます。考えずに体が勝手に動くような作業であれば別ですが、いわゆる会社の仕事を2つ同時に進めるのは、ちょっと見たことがありません。電話で大事な商談をしつつ、部下への指示を口頭で出し、会議のプレゼンで使うパワポ資料を作る。そんなことは不可能です。
動画では、そんな話をしております。字幕もついていますが音声のみでもご理解いただけます。10分程度と長くもないので、通勤時間にでもお聞きいただければと思います。毎週更新していますのでぜひ。
YouTubeを収録するようになって、一人で喋ることの難しさを改めて感じます。喋るのは好きな方だと思いますが、それなのに一人喋りはどこか寂しいものです。
幸いにも、チーム・タスクペディア動画撮影・編集担当の方が、喋る以外の一切(収録中の合いの手も!)をやってくれているので、だいぶ助かっています。
もう何回か配信しておりますので、よろしければご視聴ください。そして、なおよろしければ高評価とチャンネル登録をよろしくお願いします(ああ、このセリフを言う日が来るとは思わなかった!)。
さて、最近毎度の告知で恐縮ですが、10月17日(土)の午後にグループコンサルティングをやります。cakesというウェブメディアで連載をご一緒しているりんださんとの共催です。よろしければ、ご参加ください。
150回以上の就労支援講座経験から、そのエッセンスをオンラインでお届けします!
引き続き、こちらのイベント参加者募集中です。
【10月17日(土)14:00〜オンラインにて開催!】
【イベント】オンラインカフェ「しくじり」へようこそ!│タスク管理大全
私個人的に、以前やっていた「勝手に質疑応答」企画に似た楽しさ・嬉しさをこのイベントに対して感じております。
お悩みがあり、そのお悩みにダイレクトに役に立てることが嬉しいんですね。
例えば、こんな感じで!
【勝手に質疑応答_024】
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2019年7月7日
タスクが重なると、気ばかり焦って頭がフリーズしてしまいます。
↓
マルチタスクを前にすると頭が真っ白、という状態は私も大いに経験があります。一つ一つやれれば焦らずできるのに、束になると手も足も出なくなったりしました。#jyys #jyys_reshttps://t.co/f8LYOTAqEn
その理由は、頭のあちこちに散らばる全部のタスクの全部の手順を見ているからではないかと。 pic.twitter.com/DkSkw11zkC
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2019年7月7日
それをタスクごとに整理して(1枚目)、それぞれの次の一手「ネクストアクション」だけ見られる(2,3枚目)と、焦ることなく進められます。
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2019年7月7日
(スライド提供:社会福祉法人SHIP @swscship &チーム #タスクペディア ) pic.twitter.com/oNbBcyll6y
さらにもうひとつ!
【勝手に質疑応答_整番78】
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2018年12月6日
会社に行きたくないと思ってしまう。
↓
仕事がうまくこなせていれば、会社に行きたくないと思う度合いは少ないと思います。
私は「会社に行っても失敗して怒られるだけだから行きたくない」と思っていた時期がありました。#jyys #jyys_res https://t.co/dYWIWJh0dE
まだやりもしていないのに失敗すると決め込んでいるのは、今考えれば不思議です。ただ、自分にとってはそれが現実でした。
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2018年12月6日
一気に「自分はやれる!」と自信を回復するのは難しいですが、自分がやると決めた仕事を、小さいところから1つ1つ終わらせていくと、少しずつ自信が回復していきました。
小さな成功体験を積み重ねることで自己肯定感を上げることについて、こちらの記事に書きましたのでよろしければご覧ください。https://t.co/oJkOhC4Wkg
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2018年12月6日
私、EXP立川という障害者就労移行支援事業所で週一回講座を行なっております。就労後、タスク管理で仕事がやりやすくなるようにという趣旨の講座です。かれこれ3年を超えるので150回以上はしている計算になります。
いずれも就労時に役立つタスク管理の習得を目的としています。一般企業の社員研修と比べても遜色ないものだと自負しています。ただ、障害者就労移行支援事業所は利用するには条件があります。残念ながら一般に広く受講できるものではありません。
この、オンラインカフェ「しくじり」へようこそでは、150回以上のタスク管理講座経験から得たもののエッセンスをお伝えできたらと思っています。
興味おありでしたら、是非ご参加ください!
質疑応答をしたすぎて、グループコンサルをします。
まだコロナ禍が怒るよりも前、リアルイベントをことあるごとにやっておりました。
特に、こちらの本を企画する元となったイベントは、2016年の9月から4年で35回開催しておりました。
そのイベントで私が個人的にやっていことに「勝手に質疑応答」というものがあります。その名のとおり、誰から請われるでもなく、やりたくてやり始めました。イベントに申し込みいただいた参加者の皆様へ、事前アンケートの「仕事上の悩みは?」に対する返答をツイッター上で全員分やりました。
長々と答えると読むほうもつらいので、必ず返答は最大3ツイートと決めていました。それらをまとめた一例がこちらです。
無記入の方も結構おられましたが、ときには80名近くの方々の悩みに勝手に答えていました。なぜこんな奇特なことをしていたか。それは、質疑応答という場が好きだからです。
それと、どうしてもイベントの開催者と参加者という関係性は、1対nにならざるをえません。それだと、参加者一人一人との関係の太さがn分の1になってしまいます。そうならないためには、どうしたらいいか。答えは「1対1をn回繰り返す」でした。参加者が80名いらっしゃれば、1対1を80回繰り返す。つまり、80名様分の質疑応答をやるということですね。
そんなこんなでコロナ禍が起きました。イベントが軒並みオンラインになりました。オンライン、正直いって私は寂しいのです。リアルで会いたい派だということがよく分かりました。
とはいえ、今リアルイベントを盛大に開催するのはリスキーです。だから、人とのやりとり感を得られるようなオンラインイベントをしたいと思いました。
そこで、「オンラインカフェ『しくじり』へようこそ」です。
【イベント】オンラインカフェ「しくじり」へようこそ!│タスク管理大全
上に挙げた「勝手に質疑応答」よりも長く、ちょっと踏み込んだお話ができると思います。また、参加者の皆様には、開催者のりんださんと私から、2回のテキストコンサルもオマケでついてきます。オマケと書きましたが、オマケではなく本チャンのつもりで書かせていただきます!
ということで、10月17日の午後にオンラインでお会いできればと思います。
task-management-compilation.com
面倒くさがりだからこそ、「手順書」を作ろう。
8月14日に放送されたshcooのまとめ記事、割と私がいいこと言っている風(笑)に編集していただいています。
なかでも、こちらのやりとり。
これはですね、実際の放送だと、どストレートに「暴投されたら無視。それを無理に取ろうとする必要はない」と答えています。
実は、同じ会社で暴投気味の人がいます。その人とのやり取りで暴投が飛んできたら、いったん無視することが多いので、素直に答えてしまいました(笑)ただ、あまり喜ばれる対応ではないですね。ちょっと反省しています。記事ではマイルドにしていただきました。
その他の内容は、冒頭に紹介した記事にお任せします。そんな「手順書」、つまりタスク管理ツールの内容をいちいち更新しなきゃいけないのか?という感想を持つ人は多いです。
私の考えは、
「はい。そこは観念して粛々と手順書を更新してください」
です。"悲しいけど、これ現実なのよね"です。面倒くさいですが、ここは頑張りどころです。むしろ、面倒くさがりだからこそ、手順書の更新があなたを助けます。
「抜け漏れ」「先送り癖」「段取りが苦手」「抱え込みすぎる」といった傾向を持つ私は、発達障害のうちのADHD(注意欠如・多動症)の「衝動性」という特徴を持っています。なんでも脊髄反射で衝動的に反応してしまうことには、おまけとして面倒くさがりという性格もくっついてくるのではないかと私は思っています。
そんな面倒くさがりな私がとりわけ面倒くさいと感じること。それは、すぐ上で挙げた4つの傾向が原因で仕事が増えてしまうことです。忘れ物を探したり、先送りして締切を過ぎてしまった仕事の敗戦処理をしたり。
それらを未然に防ぐには、やはり手順書の更新が必要になってくるのだなと思っています。手順書にタスクを入力し、終わったタスクを消し、を粛々とするのです。もはや、仕事をやりにいくのか、手順書の更新をしにいくのか分からない状態です。私は、手順書を更新しにいくために出社した結果仕事が終わるくらいに考えていることが多いです。
「そんな苦行、いつまでやらなきゃいけないのか」と思うかもしれません。経験上、そんなに苦行じゃなくなっていきます。タスク管理が軌道に乗ってきます。
その兆候は、手順書を見るのが快感になってくるという形でやってきました。
最初から手順書を楽しく更新できることはほぼないと思います。繰り返し更新して、「手順書に書く→仕事を終わらせる」を繰り返して、いつのまにか「手順書に書く=仕事が終わる」と考えられるようになります。
そうなるまで、なんとか頑張って手順書を更新し続けていければ、きっといいことがあります。